輪郭 (詩)
めをひらき、もののりんかくをなぞり、
めをとじて、こころにきゅうたいをえがく。
めをひらき、もののりんかくをなぞり、めをとじて、
ざんぞうを、こころのきゅうたいに、みつめる。
かめらのように、うつされたものは、
じょじょにゆがみながら、
そのきゅうたいにとけこんでいく。
きゅうたいを、かいてんさせて、
だえんにひろげる。
きゅうたいはとうめいになって、えいぞうもすけはじめて
そのおくは、ほのかに、のぞかれて
わたしも、ほのかに、のぞかれる。
やがて、おくも、わたしも、とうめいにしずんで、
きえていく。
ほんとうの<かたち>は、のぞかれる。
ほんとうの<かたち>は、のぞいてる。
のぞくものは、のぞくもので、
のぞかれるものは、かげ。
ひろくのびていく。
のぞくものはそれそのものだ。
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