《君の体温》

きょうは一日
ミーコと遊ぶ
シャツの襟は
立てたまま

右手の薬指には
銀色の指輪
なんの誤解も
生まれない
ぼくは
関係していない
誰とも

目の前に横たわる
ミーコだけが
ぼくの友達 

どうしたらいいの?
吐息をふきかけるだけで
ミーコはノドを鳴らして
喜んでいる
いつもの見慣れた光景だ

きょうのコーディネートは
ミッキーマウス柄のロンT

ウォルト・ディズニーが
最初にデザインしたタイプの
パックマン型の瞳をしてる

『君にも夢はあるのかい?』
そう聴かれてる気がした

ぼくは
寝てるミーコの前で
フォークギターを片手に
知ってる曲のリフを
自慢げに弾いてみる

オリジナルとは大違い
お粗末な腕前に
たった独りでウケている
ミーコは音にビクともしない
死んだように眠ってる

そんなミーコが
おもむろに立ち上がった
一直線にこっちに向かってくる

どうしたの?
急にビックリするじゃん
相変わらず
君の行動は読めないな・・・

膝の上に乗ったら
ストンと腰を落ちつけた

あっそうか
今は冬だった
もう12月
外の世界はすっかり年末

つまり
君は寒かったんだね
今のぼくには
ちょうどよかった
ありがとう

ミーコが
そばにいると
とっても
あったかいね

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