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光もあれば影もある【光る君へ29回 母として】


人には光もあれば影もある
複雑であればあるほど魅力がある

まひろ(紫式部)の思考はききょう(清少納言)には気に食わないようです

人とは光もあれば影もある生き物。影も含めた人となりを書いたほうが亡き定子さまの魅力は伝わるとまひろは思います

しかし、ききょうは
皇后定子さまに影などない、あったとしても書くつもりはないと言い放ちます

定子さまの思い出は華やかで美しいままに
記憶されたい
影の部分なんて残す必要がない

ききょうの思いもまたよくわかります

「あなたとのことはいい思い出としてずっと心の中に」 なんてラブソングの歌詞にありがちですね 

華やかで美しい定子さまが思い出される枕草子に、一条天皇は夢中になってしまいますね

しかし現実には美しいだけで終わるということはないですよね

定子さまひとすじであまり生き方が上手とは言えなかった清少納言 一途すぎるかな


まひろは、すこし柔軟になってきました


父為時が、道長が用意してくれた職を辞退する様子を見て

「父に官職なく、私に夫なく、どうやって家族を養っていくのか!」と迫ります

母となったまひろ。
娘の幸せを願うのは当然です
美しい思いより、現実です

自分の気持ちなどどうでもよい。娘がひもじい思いをすることなど耐えられません

想いがある一点に捕らわれていては生きていかれません



嬉しいこともある
悲しいこともある
やりたくなくてもやらなければならない時もある
会いたくても会えないこともある
言いたくとも言えないこともある
本心とは裏腹な態度をとってしまったりもする

人の気持ちは複雑であるからこそ、物語は面白い

面白いから人はその物語を読みたいと思う

まひろは幼い娘(道長との不義の子)に物語を読んであげる

竹取物語はなぜ面白いのかな
華やかなお姫さまは、
「月を見ては甚だしくお泣になる」
かぐや姫の本当の気持ちは読者が想像するしかない 
娘の堅子ちゃんが、
「母上、つづきは?」と急かす様子が
なんともかわいいなぁ🙂

まひろも物語を書こうとの意欲が湧いてきたのではないかな

人には光も影もある
人の感情を丁寧に拾いその複雑で魅力的な人物を書きたい

今は亡き定子さまへの想いでいっぱいの一条天皇も、いつかまひろの作り出す物語に夢中になっていくのかな





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