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Little Warrior Ran in Padova -Padova vs Verona 3 -

調子を途中で落としても、序盤で調子が良くなくても、このシーズンの後半の藍くんはちゃんと修正する姿を見せてくれます。多分、その片鱗は昨年の世界選手権ぐらいから見せてくれてきた気もしますし、イタリアリーグでも前半ではそういう時に交代させられてしまうことも多かったのですが、今は一旦、コートから降りても必ず戻ってきて修正したところを見せてくれるようになった気がしています。

髙橋藍という選手はこの短いシーズンの間に試合の中で修正してくるところを見せてくれるようになりましたし、監督もそういう彼を信じてコートに戻してくれるようになったことも一つの収穫なのでしょうね。

4セット目はそのランタカハシの真骨頂を存分に見せてくれるセットになりました。前半はブロックでその存在感を見せてくれます。そして、スパイク、サーブとどのプレイも調子をあげこのセットを奪取する原動力となっていきます。

この試合をVolleyball Worldで振り返るならぜひ日本語解説を見てください。
情報量豊富の福田さん実況、龍神さんのコーチでもある伊藤さんが「藍」はと呼ぶ愛ある解説。
後半に向けて調子を上げていく藍くんを存分に褒めてくれる素敵なお二人の会話でまた藍くんのプレーが素晴らしいことを再認識できます。

「藍に託してもいいんじゃないですかね?」
と信頼のある発言に思わずニンマリとしてしまう私です。

でもこの試合を現地で見ててた時はそんな余裕は全くありませんでした。シーソーのように動く点数に一喜一憂し、Padovaの応援団よりも大きい音を出すVeronaの応援団にイラっとしたり、隣で喜ぶVeronaファンの親子に負けないくらいの勢いで点が入ると喜んだり。
途中、AppleWatchからの心拍数エラー通知が来たり、いつの間にかカメラを放棄して試合に熱中してしまうような試合展開でした。
見てて息をしてる暇がなく、息苦しくなるやつです。
この日、この場所に、この試合を見に来て良かったなと思える試合でした。

いろんな場面の中でランタカハシが自分で「強くなる」と言った言葉の通り、このリーグで学んだことを形にし、さらに強くなって戦い続けている姿を間近で見れたことが本当に幸せでした。

有言実行男は大好きなんです。
言葉にしたことを形にするために努力をしていく人たちを心から尊敬しています。
かっこいいです、はい。
誰かとの約束を守れる人はとっても信頼できますが、「自分との約束」を守れる自分でい続けるという生き方は本当にカッコいい。

5セット目もPadovaも、藍くんも持てる力を出し切ってデュースまで持って行ったのですが最後はケイタの連続SAで締め括られ3-2でその試合を落としますが、この日粘って、スト負けせずに1Pointを取り切ったことがチームにとっては大事なことだったのだと思います。

そのケイタのサーブに「藍に取らせたかったですね」と言った伊藤さんのため息まじりの言葉が私の気持ちを代弁してたように思います。
長い長いフルセットの試合が劇的な形で締め括られました。


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