Rising Stars -VNLブラジルラウンド 2 オランダ戦-


1戦目はオランダです。
確か去年のVNLの初戦はオランダで、2セットダウンからフルセットで逆転して勝った試合でしたよね。
試合の入りのあまりよくない感じを見た時、あの試合を思い出しました。

オランダの監督はピアッツァ、石川祐希が所属するMilanoの監督ですし、オポジットの二ミルはセリエAのModenaで先シーズン活躍したビックサーバーです。
MilanoとModenaの試合で、ものすごくMilanoが走っていたのにサーブであっという間に追いつかれた苦い思い出が蘇ってくる相手です。

そしてそんな相手に日本はオリンピックメンバーで臨みました。
残念だったのはブラジルとの親善試合で大活躍だった健太郎くんがコロナで出場できなくなってしまったこと。その活躍ぶりに今年はすごいケンタロウが見れると期待値が爆上がりしてましたから。

ブラジル戦での雰囲気を見て、初戦からのめりこむ気持ちで試合を見始めました。ところが、このメンバーでこれ?大丈夫?と聞きたくなるくらい上手く回らない感じが伝わってきました。
西田くんや祐希くんのサーブもなかなか来なかったですし。
2セット目の途中で9点差がついた時、これはフルになるか、スト負けするやつ、と思っていた自分がいました。
そう、1人めのRising Starがコートに現れるまでは。Go Murayamaという海外解説泣かせの苗字を持ったMBでした。
(もう、彼のシャツネームもGOでいいよw)
健太郎がいたらと感じるような数々のシーンを経て彼はコートに立ちました。

試合が終わった後に彼の活躍しか覚えてないくらい「GO」の日でした。
アタックでも、ブロックでも、サーブでもその魅力を世界に見せてくれました。経験的にも少し、このMBのメンバーに割り込むのは難しいかなと思っていましたが、いい意味で期待を裏切ってくれて、どう見ても一方的だったセットを取り切るという驚きの結果をもたらしました。

あまりにもその活躍が衝撃だったのでちょっと影に隠れてしまっていたのですが、それと同じくらいもう1人のRising Starはこれからの龍神NIPPONに欠かせない存在として名乗りをあげていました。
そう、永露くんです。
彼に対する期待値はとても高かったと思います。
何せ「待望の長身セッター」ですから。
劣勢な局面でコートに立っても冷静に振る舞う姿はとても頼もしかったです。
彼が代表に選ばれたのは昨シーズン、ウルドが彼をスタメンとして使い続けくれたからです。しかもウルドは高梨くんと山崎くんのバックアタックを多用するチームです。龍神さんの戦略にもすぐ馴染むだろうなという期待が膨らみます。

そしてやはり彼のことに言及しないわけにいきません。
大ファンですから私。

今シーズンはシャツネームを「RAN」と変えた彼です。
彼は東京オリンピック、そしてアジア選手権から大学に戻り、その後、セリエAのPADOVAに合流しました。
初めての海外生活、世界でトップレベルのリーグに参加しましたが、スパイカーとしてコートに立つチャンスは多くありませんでした。
その上、チーム降格の危機にはリベロとしてコートに立つことに。

Vリーグで大活躍した大塚くんと比較してその起用を疑問視する人もいたでしょう。ファンはそんな声をヤキモキしながら聞いてたんじゃないかなと思うんですけれど、ね。

心配は全くいりませんでしたね。
彼は「選択した道を正解にする」というすべを知っているアスリートでした。
オランダ戦でも安定した守備、そして強化されたサーブで大差から追いつくブレイクを何度も見せてくれました。
疑問視されていた前衛での攻撃力も格段に良くなっっていることは試合を見てヒシヒシと感じることができました。

「いや、マジでかっこいいわ」という心の声が誰もいない部屋に響き渡ったことはここだけの話です。

そんなRisign Starsの活躍もあって、結果だけを見れば3−1でオランダに勝つことができました。
祐希くんが不調なのでは?という声もありましたが、彼をよく知っているピアッツァ監督が彼に思うようなプレーをさせてくれるわけがないですよね?

でも、そのことはこのチームにとっては大きな進歩なんじゃないかな、と。
石川祐希の調子がこのチームの勝敗を決めてきた過去を考えると、それ以外のメンバーが活躍して難しい初戦をものにしたという事実はこれからを期待するに十分かと。

そんなブラジルで日本チームへの声援が大きいな、と感じたのは錯覚じゃないことをちゃんと認識したもはもう少し先のこと。

ヒヤヒヤした出だしから、このチームやるじゃんという気持ちなって終われたのは本当によかったです。

しかもリザーブの選手がほぼコートに立つ采配を見て、ブラジルとの親善試合はなんだったの?ヤキモキさせて。
ブランさん、やるな、と思ったりしたのでした。

■試合後のインタビュー


■試合結果詳細


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