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銀座7丁目ルイ•ヴィトンで武器を買っ(てもらっ)た話

 高価な鞄を人生初めて購入し(てもらっ)たので、日記がわりに記録に残してみようかと思います。
 特に誰かの参考になるような話ではないと思いますが、百貨店や路面店でハイブランドを購入しようとするとどういう感じなのか、学生が行っても大丈夫なのか、などなど思われる方がもし読んでくださったら少しは参考になるかもしれない、なったらいいな…。という感じで。

自己紹介とバッグ購入の動機


 私は関東片田舎に一人暮らししている大学6年生です。
 イメコン的なスペックで言えば身長152cmの骨格ストレート、ブルベ夏冬、顔タイプはフレッシュとソフトエレガントの間で曲線直線、大人子供がほぼ同点という特徴がないのが特徴の顔立ちをしています。髪型は完全に馴染みの美容師さん任せ、最近バッサリ切られてショートボブという名の黒髪ショートになりました。

ここ最近はストレスからお腹の機能性疾患を患ったこともあり毎日毎日家に閉じこもってTwitterとzozotownの徘徊だけを楽しみに生きていました。

 ファッションは大好きで、もともと世の中にイメコンが浸透しきる前から骨格診断を受けに行ったり顔タイプを受けに行ったりはしていました。しかし低身長でファッションを楽しみたくても着られる服がまず少ない、たまに気に入った服を駅ビルや通販で買って、でも着ていくところがないからお気に入りの服は仕舞い込んだまま、ユニクロで買ったイメコンに合うけどいまいちときめきのない服を着ていて満足がいかないからさらに服を買い込むという悪循環でした。
 今考えるとイメコンは「似合う」は教えてくれるけど、どんな服が着たいのか、なぜ着たいのか、内面についてじっくり考える機会はくれないので、突然自分の日常生活も内面も無視した提案をされることになると困惑するんですよね。

多分二年くらい前ですが普段着はずっとこんな感じです。汚いコンバースがローファー、レースアップシューズに変わったぐらい。

 服に関しては自問自答ファッション通信を熟読して自分が服に求める条件が明確になってきたこと、低身長向けでありながらおしゃれで手の届くお値段、なおかつzozotownで購入できて返品もできるブランド(私は特にrem closetが好きです)が増えたこともあり悩みは減りましたが、ファッションブランドで買えるバッグや靴は合皮であからさまなハイブランド剽窃であることもなくはない…ということもあり、そろそろいい鞄やいい靴を買いたいなという気持ちがずっとありました。
一番の後押しはやはり自問自答ファッション通信・あきやあさみさんのハイブランド愛を語るnoteの数々でした。

自問自答ファッションとの出会いは半年くらい前、夏には制服化を試してみて、着心地の良いお気に入りの服で毎日過ごすの最高! と感じていたので今回は自問自答式に則り「毎日使える」「どこにでも持っていける」バッグを探すことにしました。 
最初は海外ブランドやセレクトショップで予算5万円くらいで探そうかな? などと思っていましたが、そういうのってネット上で無限に持っている人を見つけてしまって、いざ周りの人と被った時に気まずいと思うようになりました。
 そこにこんなブランド愛に溢れた文章を読んでしまったら、ハイブランドを視野に入れてもいいかな、この際ハイブランドのバッグを探してみて、今は買えないとしてもこれが欲しい!という鞄を見つけておきたいな、と思うようになりました。演歌、歌いたい。

バッグに求めた条件 

①できればiPad miniが入ること。入らなくてもいいけどその時は完全にお遊び用の鞄と割り切る。
自問自答ファッション通信の法則「バッグの大きさは身長の1/5まで」より、バッグの横幅は30cmまでにすること。
③ショルダーが付いていること、また、持ち手はショルダーとは別に付いていること。
④ベーシックカラーにすること。できれば自分のベーシックカラー「ネイビー」「チョコレートブラウン」で決めたいが、色よりはデザイン、使い勝手を優先させたいため黒も可。
⑤どこにでも持っていけること。例えば百貨店での買い物、ホテルで彼氏のご両親に挨拶(予定なし)、就職後例えば学会に行くなどの公式行事から友人とカフェでおしゃべりまで。来年から仕事場になる予定の病院という場所は一般的にモノが盗まれやすいので仕事場で毎日使う予定はなし。

購入までにやったこと

zozotownやwear、インスタを漁り、今どんなバッグが流行っているのかをリサーチ。それを元に新宿伊勢丹のバッグコーナーに行ってめちゃくちゃバッグを持ちました。最初は恐る恐るでしたがどんな店員さんも入店時に目を合わせて会釈して、気になったものがあれば「持ってみてもいいですか?」などと声を掛ければ本当に親切に対応してくださいました。クリスマス前で財布などのスモールレザーグッズを買い求める人も多く、バッグ売り場はハイブランドのバッグを持っていないような人でも近づきやすい雰囲気でした。フルラ、ケイトスペード、コーチ、マークジェイコブス、マルベリー、ロンシャン、メゾンマルジェラあたりは一通り持たせてもらいましたが、どれも素敵だけどいまいち決めきれませんでした。
触った鞄一覧については別記事で余裕があればまとめてみたいと思います。

母について来てもらうことになった経緯

 学生で親の仕送りを貯めたお金で買おうと思っていたので、一応母に相談をしておきました。母は学生時代にバブルが弾けた元銀行員、長年専業主婦で、ここ最近はあまりおしゃれをしなくなっていましたがエルメスのバーキンを大事に持っていて、保守的なおしゃれに関しては的確なアドバイスをくれるだろうと思ってのことです。
反対されるとは思いませんでしたが、「いいじゃないの! 新宿、いや銀座行きましょ銀座」とノリノリになるのは予想外でした。試験のストレスでぐったりした娘を励まそうとしてのことかもしれませんが。
 最初気になっていたジバンシイのアンティゴナミニの画像を見せたところ、バッグはいいけどジバンシィはおじさんのブランドじゃない? バッグは人との会話のきっかけになるから、ジバンシィだと無難だけど褒められはしないよ、とバリバリ偏見に満ちたご意見を頂戴しました。ジバンシィの「フェミニンとマスキュリンの融合」というコンセプトは我が人生のコンセプトにしたいくらい気に入ってはいたんだけどな……。25ansにも「学会で発表する女性医師のコーデ」として全身ジバンシィのコーデ載ってたし。
一般的に大人がファッションについて母親に相談するのは褒められたことではないし、ショッピングは一人で行く方が人の意見に流されなくて済むと思います。でも今回は他己評価も大事にしたいのでそういう意見が欲しくて母に相談したのでありがたかったです。
 母はそこまでブランド物に興味がなく、特にここ10年くらいは本当に買い物自体していなかったようで、セリーヌもロエベも全然知らない、ヴァレクストラも知らない、シャネルってこんな高かったっけ??という感じでした。最近ヨガで一緒の若い子に聞いたらロエベが人気らしいわよ、と二人でホームページを覗くもロエベは二人ともあまりピンと来ず。奇抜な形の鞄には魅力を感じないタイプの母娘。

当日@百貨店

さて当日。銀座三越で待ち合わせをしバッグコーナーを巡りました。旬のバッグは一通り揃えてある印象でしたが、ウェブで徹底リサーチしてきた身とすると欲しい鞄はあってもカラバリがない、サイズ違いはないなどちょっと物足りない印象。上の階に登ってみてグッチのミニトートを持たせてもらうなどしましたが、確かに可愛いけどこれではモノが入らない、というのとグッチはアウトレットにあるからちょっと嫌、という母の意見で購入したい!とまでは思えませんでした。
 アウトレットにあるから嫌とか言うとどのブランドも大体アウトレットにありますがな。でも自分が買った鞄が半額とかになってアウトレットに置いてあったら、ファッションに自信のない今はまだ後悔しないとは言い切れない。
 松屋銀座もバッグコーナーはこの色!この型番!というと見つからないことが多く、自分のレベル上げには使えても一騎打ちの相手を探すのは難しいかな、という印象。
 百貨店の中の店舗ではプラダ、セリーヌを見たり、憧れのフェンディのピーカブーを持ってみるなどしましたが、バッグは最高だけど欲しい色の欲しいサイズの作りがなかったり、何より悲しいかな、フェンディという最高におしゃれな世界観自体が結局しっくり来ませんでした。
 そして「どうせならアウトレットのないブランドにしたほうがいいよ」という母の意見でちょっと入りづらかった松屋銀座のルイヴィトンに入ります。
百貨店の中なのに外からしか入れず、なんか強そうなお兄さんが扉を開けてくれて震えながら入店しました。
 ここで人生初めてモノグラムのバッグを触りました。キャンパス地に特殊加工で革を張ったシリーズが軽く、値段もヴィトンのこのサイズにしてはお安いのでは?というものも多く、超高級ブランドで庶民はお呼びでない、持ってるのはお金持ちかお水のお姉さん、というヴィトンへの偏見から解放された感じがありました。え、ヴィトンいいじゃん。
 母も「私ヴィトン好きかも」と謎の性癖を開花させていました。「一つも持ってないわー」「え、財布買っちゃおうかな」と謎にテンションが高い。ここからだんだん二人とも壊れていきます。

当日@路面店と銀座シックス

金銭感覚も、超高級店に入店する緊張感もルイヴィトンでバグってきた母娘はだんだん物怖じしなくなってきて、路面店はカルティエ、ティファニー、シャネルを周りました。カルティエは私には少しお姉さんすぎる感じ。ティファニーのトートバッグは可愛いけど小さすぎる。シャネルはいかにも銀座なマダムが丁寧についてくださって、シャネルは柄じゃないかもという私にボーイシャネルのシリーズを推してくださいました。ボーイシャネル、シャネルの最初の恋人の名前がついてるだけでエモなのに、フェミニンすぎない大振りの金属パーツが最高でした。これじゃなくて金銀混ざった金具のを持たせてもらったんだけど見つからない…。

https://www.chanel.com/jp/fashion/p/A67086Y0995394305/boy-chanel-handbag-calfskin-ruthenium-finish-metal/

求めていたある程度の大きさのあるハンドバッグでしかもボーイシャネルとなるとかなり主張の強いバッグで持っていく場所を選びそうなので諦めましたが、こんなフェミニンさのない女にも寄り添ってくれるのかシャネルは! と思わされました。ヴィトンは成金とか、シャネルは派手とか、それぞれのブランドにものすごく勝手な偏見はあったけど実物を持ったらころりと寝返るものですね…。ボーイシャネル、買う。絶対に買う。生き抜いてシャネル買ってやる。
 やっぱりバッグ売り場じゃなくてブティックを覗いて、お店の雰囲気の中で自分がどんな風になりたいのかブランドの空気も含めて考えた方がいいよと母に言われ、銀座シックスに向かいました。そこで雑誌でたくさん見たセリーヌのセーズを持たせてもらいましたが希望していたトリオンフは全然入荷がないとのこと、可愛いと思ったネイビーはシリアルナンバー入りのレアもの(後から調べたら70万円…)
 別に急いではいないけどいつ入荷するかもわからないセーズをずっと待つほどセリーヌ自体に思い入れがないのでとりあえずやめておきました。田舎住みなので日参して入荷したか確認することができない…。
 サンローランでもトートバッグを持たせてもらいました。バッグ自体は無難な形でロゴも惚れ惚れするほど素敵。でもやはりサンローランの店舗自体が私には場違いな感じで全然落ち着かない。
スタバで休憩しながら、結局シャネルとルイヴィトンが良かったね、という話をしました。同じモノグラムでもブランドによって質感が全然違って、どちらかというとおしゃれなものよりかっちりしたもの好きの私にはヴィトンの方がしっくり来るということで意見が一致。シャネルでは小さいサイズのバッグの印象が強く、モノがたくさん入るという点ではルイヴィトンが良いだろうということでヴィトンのHPを漁って候補を絞り込みました。


浮上した候補がこちら。中の赤まで隙なく可愛い!!サイズぴったり!!!実は松屋銀座でこれの大きいサイズを見せてもらっていたけど大きすぎてピンと来なかったのでした。

そこにいきなり大学から卒業内定決まったよー!と連絡が入りゼエゼエ数十分喘ぎました。心臓に悪い。卒業試験に受かって内内定は出ていたものの、本当に卒業できるかは他にも一応条件があったので結構怖かったのです。その様子を見た母は「もう今の自分が一番アガるバッグ買いなよ…。十分頑張ったよ…」とドン引きしながらバッグの在庫を探してくれました。銀座並木通り店なら上のバッグの在庫があるということで突撃。有名なヴィトンカフェのある建物で、基幹店のような扱いの店舗のようでした。

ルイヴィトン 銀座並木通り店にて

 さてヴィトンに到着するともうイケイケドンドンなお兄さんお姉さんとか逆にめちゃくちゃお金持ちなのでは??という感じの超ラフな格好をしたおじさんとかがたくさんいてやはりビビりました。店員は優しいが客層は怖いそれがルイヴィトン。
 お目当てのプティ・パレPMは手持ちにはいいサイズでしたがショルダーにすると少し大きすぎる感じがあったのと、画像で見るとわかりませんでしたがショルダーのひものサイドが結構主張するオレンジ色だったのがしっくり来なくて迷いました。自問自答ファッション通信で予習した「バッグの横幅は身長の1/5まで」というのはおそらく手持ちにした場合の話で、ショルダーとなるとさらに大きさが小さくなりそうだという学びをここで得ます。

代案としてサックプラBBを見せていただき、やはり可愛いけれど少しカジュアルすぎるので迷っていると下の黒一色のものを出してくださいました。

 サイズは小ぶりで斜めがけも違和感なく、トートバッグだけれど黒一色なのでそこまでカジュアルでもなく、ゴールドの金具がキラキラで可愛い(ハイブランドのバッグはどれも金具の輝きがすごい! マルジェラもそうだった)モノグラムは可愛いし、軽いし、全然悪いところはないけどちょっとカジュアルかな? ホテルでの食事会とかには可愛すぎかな? などなど思いながら、そもそもこの日に買う予定はなかったし、買えたとしても分割払いなのでせめて分割手数料無料キャンペーン中の伊勢丹で買いたい…などと姑息なことを考えていました。
 とりあえずオンザゴーを確保しながら2階も見てみますか?と言われエレベーターを待っていると、ふと別の棚の上の方に置かれていたバッグが目に入り、モノグラムで探していたけれどどうせ真っ黒いバッグを買うなら他のも見ておいていいのでは?と思い、棚からおろして見せてもらうことにしました。店員さん、さすまたみたいなのでバッグ引っ掛けておろしてた。すごい。

それがこちら。かっちりしっかりかわいい

 先に見ていたオンザゴーが今人気のシリーズということもあり、これはオンザゴーより持っている人は少ないですよ、オンザゴーよりちょっとかっちりした感じですよと言いながら見せてくださったのがこれ。
 近くで見てみるとちょっとメンズライクで黒一色、いかにも傷が目立たなそうで、肩紐が太く服を痛めなさそう。金具もピッカピカのシルバーでそこまで派手ではないけどブルベ的には嬉しい。シルバーの金具のバッグは少ないので条件には入れていませんでしたが、選べるのであればシルバーの方が良いに決まってる! 最初に欲しかったジバンシィアンティゴナも大きめのシルバー金具と革の質感が好きだったので、一周して結局アンティゴナに近いものに戻ってきた感じがあります。これしかなくない? これでしょ。ときめきとか、欲しい! という気持ちが溢れるかと思いきや、これ以上の鞄は存在しないだろうという気持ちで「納得」というのが近い気持ちでした。
 売り切れちゃうかな…とも思いつつ、どのみち買いたくても会計の手段が(禁断の分割払いを除いて)ないので、一旦型番を控えてもらって店の外へ。
 母に「あれで決まりなの?」と聞かれ「あれがいい。あれが一番いい」と言ったら、じゃあ買いなさいよ、払ってあげるよと言われもう一度店の外の行列に並び直しました。ええ、払ってくれるって、結局ここまで来て親にバッグ買ってもらうんか…。「親が最初から出してくれるってなったら妥協しちゃうでしょ」とのこと。ええ、出してくれる予定だったんかい…。
 確かに父から数万くらい軍資金出ないかなと期待はしたけれど、母が出してくれるとは全く思っていなかったので困惑したというか、「社会人になるのにバッグ親に買ってもらう自分」でいいのかしらとかなり悩みましたが。

もう在庫一点しかなく、本当に会計の手段がなかったのでもうお言葉に甘えることにしました\(^ω^)/

恩返しはこれからします。シャネルは自分で買います。

 会計しながら、あれ、私、まだ戦うつもりでいるらしいな? と気づきおかしくなりました。
 もう何もしたくない、ずっと眠っていたい、みたいな事ばかり考えていた割に、バッグを買うときに想定したシチュエーションは「彼氏の両親に挨拶する自分」「研修医になって学会に帯同させてもらう自分」みたいな戦いのシーンばかりで。
 最初考えていた、百貨店でのショッピングや友達との遊び、彼氏とのデートみたいなプライベートの予定にしてはゴツい鞄を選んでしまったのは、結局休みたい気持ちよりこれから仕事がしたい、戦いたい、ちゃんとした場所で堂々としていられる自分が欲しい、と強く願っていたらしいことに気がつきました。
 他ならぬ自分がそう願っているなら仕方がない、いざとなったらもう実家に帰って医師免許を持ったニートになろうと思っていたけど、一度は仕事ができるか試してみるくらいはしようと思います。

後悔していること


 強いて言えばあまり生産数の多くないシリーズを買ったがために検索しても全然持ってる人が出てこなくて、どんな服装と合わせるべきか、チャームやスカーフのアレンジはしたほうがいいのかがあまり分かりませんでした。お店の人に聞きたいけれど、付けないほうが良いですよとはきっと言ってくれないだろうなと…。
 
 あと認めたくないけどもしかしたらちょっと重いかもしれない…。売り場では荷物を入れないで持っているので重さの感覚はバグりますね。

次にハイブランドのものを買うのはいつになるか分かりませんが、次は一人で堂々と買い物をして、誰の意見でもなく自分の意見100パーセントでバッグを選べる審美眼と度胸が欲しいものです。
バッグを買ってから急速に胃腸の調子が良くなり、とんでもない食欲が沸いていて、バッグのもたらした生命力に困惑しています。これも彼氏のバゲットまるまる一本盗み食いした後に書きました。バゲット、バレる前に買い足しておかなきゃ。

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