タイの首相ついに決まる

タイの首相がタイ貢献党のセター氏に決まりました。
これを聞いた人のほとんどが思うでしょう。どこの党の誰だよと。

以前、タイの選挙に関する記事を書きましたが、選挙前の下馬評では選挙に勝利すると言われていたタイ貢献党の議員で、不動産開発大手センシリの元CEOの人です。

タイ貢献党の党首はヨンユット・ウィチャイディット氏なので、日本のように党首=首相ではないようです。タイの選挙、何も分からん。
首相がこうして決まるまで、選挙で議席数1位になったタイ前進党のピタ氏には色々なことがありました。憲法で禁止されている放送事業の株式を持っていることから議員資格が停止、首相選出にも立候補できなくなりました。
この問題に関してはピタ氏が持っていた株式が0.0035%に過ぎず会社に対する影響力を持てないこと、放送事業自体を2007年に停止していることから前進党の先鋭的な政策(不敬罪の廃止等)を潰すための難癖ではないかという声はタイ国内からも上がっています。
タイでは現政権に都合が悪い政党や候補者が潰されるのは割とよくあることでピタ氏が以前所属していた新未来党も選挙法に違反したとして解党させています。また、選挙の結果が都合が悪くなるとクーデターを起こすという選択肢も軍には残されています。(今回の選挙では負けてもクーデターはしないとわざわざコメントを出していました)
また、この首相選出と合わせて禁固8年の罪を逃れるために国内に退避していたタクシン元首相が帰国しました。タクシン氏はわずか半日の拘束の後に体調不良を理由に刑務所を出たようです。

タイ貢献党はタクシン元首相の親派の政党であり、今回の首相選出のために親軍派の政党とも連立をしています。
当然、タクシン氏の処遇についても何らかの合意がされている可能性は疑われていますし、法務省の対応に関してはそれなりに批判もあります。
真相は闇の中ではありますが、前進党の政策に共感をしていた人たちからするとモヤモヤの残る結果になったのは間違いないと思います。
私自身としては不敬罪の要否、現行制度の是非については意見を持たないようにしていますが、このような不透明なやり方が持続性があるのか、タイ国民がどのような社会を選択していくのかについては今後も注視していきたいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?