25日目、読書『正欲』

まだ現時点で読了していない。
『正欲』朝井リョウ 新潮文庫
様々な人物が出てくるが、そのひとたちの「欲」についてかかれている。
セクシャルマイノリティの登場人物も多く.いわるゆLGBTというよりはほんとうに「マイノリティ」性の高い人たちに焦点が当たっている。

そのなかの水の形に欲をおぼえる夏月の
心理描写が
セクシャルマイノリティの自覚が芽生え

誰にも相談できなかった
(あるいは大阪の大手のレズビアンサークルにつながったあとでも自分の中で処理しきれず)
自分の心の揺れをそのまま抜き出されたようで
手と背中から汗が止まらず
なかなか読み進められなかった。


ずっと死ぬことを考えていた。
18からサークルに入りバーにつれていってもらい
慣れないクラブにいって酒やタバコやナンパの仕方も
おしえてもらったり
インターネットが普及して
いろんなひとにであったけど
親にしられるまえに死にたかった。
死ぬことばかり考えてた。
恋人ができてからも考えてた。

自殺全書という本が中学生のときでたが、
付箋貼って出来そうな自殺を調べた
誰にも迷惑かけずにどうしたら死ねるか
いまだ、いまのここから一歩前に出たらいける
この人は自殺なんて考えたことないだろうなぁ
そんなことばかり考えた
このものがたりが映画化にもなってヒットしてるって
どういつもりでみんなみてるんやろうって
不思議に思った。


この本がてにはいった理由は
ハニさんの妹さんが大きな手術で入院するので
小説を買ってきて欲しいとリクエストし、
ハニさんが、妹さんの提示した条件と
LGBTでてくるみたいだし、いいんじゃないと
軽い気持ちで買ってきたもの。
妹さんは無事退院して社会復帰して
その小説がわたしにまわってきた。

ハニさんはパラパラとみただけで
(ちょうど繁忙期!)
よんでなくて、
妹さんは読んだというから感想をきいた。
たくさんの登場人物がいて、それぞれのシーンに
思いを重ねることができた、ストーリーのどんでん返しにドキドキしたと話してくれた。

わたしはがっつり特殊性癖を自覚し  
静かに暮らしている夏子にどっぷりと自分を重ねた。

まだ最後まで読めてないが、
苦しくて苦しくてななめよみ、速読ができない。
半分まではきたかな。

特に電車に飛び込む想像のシーン、
親との距離感
他者への眺め方
ものすごく覚えがありすぎて
めまいがしそうだった。


これを3年前に読んでいたら
どうなっていただろう?号泣して、死んでたかもしれない。

いまだからこそ、こんな自分もいたんだと
俯瞰して過去のものとして読める。
わたしはハニさんと生きることに決めたあとだったから。

こんだけつらかったんだ。

こんだけ生きづらかったんだ。
だからがんが来た時「やったー、」だったんだ。


退院前にいろんなものが溶け出していく。
いままでの生き様、ごかい、頑張り方の間違い
じぶんが人生を難しくしてたこと
全てがパズルの完成のよーに
ピースが収まっていく。

怖くて最後まで読みたい、よめない。

まじめな妹さんが
本の感想のメールを送ってくれ
登場人物の1人とわたしを重ねて、
労りの言葉をかけてくれた。
涙が出る。

世界はこんなにやさしい。
こんなに生きやすい。
癌になり再発するまでわからなかった。
命ある今、間に合ってよかった。

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