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労働基準法の年少者及び妊産婦等に係る規定の設問(3)

問題

労働基準法の年少者及び妊産婦等に係る規定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.年少者を坑内で労働させてはならないが、年少者でなくても、妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た女性については、坑内で行われるすべての業務に就かせてはならない。

2.女性労働者が妊娠中絶を行った場合、産前6週間の休業の問題は発生しないが、妊娠4か月(1か月28日として計算する。)以後行った場合には、産後の休業について定めた労働基準法第65条第2項の適用がある。

3.6週間以内に出産する予定の女性労働者が休業を請求せず引き続き就業している場合は、労働基準法第19条の解雇制限期間にはならないが、その期間中は女性労働者を解雇することのないよう行政指導を行うこととされている。

4.災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等を規定した労働基準法第33条第1項は年少者にも適用されるが、妊産婦が請求した場合においては、同項を適用して時間外労働等をさせることはできない。

5.年少者の、深夜業に関する労働基準法第61条の「使用してはならない」、危険有害業務の就業制限に関する同法第62条の「業務に就かせてはならない」及び坑内労働の禁止に関する同法第63条の「労働させてはならない」は、それぞれ表現が異なっているが、すべて現実に労働させることを禁止する趣旨である。

根拠条文

坑内とは:炭坑や鉱坑の内部のこと。
掘削する地層によりガスや地下水の流出、落石、落盤等の可能性があり、ひとたび労働災害が発生すれば甚大な被害をもたらすため、危険な仕事となる。

坑内労働の制限等

1.年少者(満18歳未満の男女)
2.妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後1年を経過しない女性
※女性に有害な業務(人力により行われる掘削の業務等)の禁止
3.上記2.以外の満18歳以上の女性

解答 1 

解説

1.✘
坑内で行われるすべての業務に就かせることができないのは妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た女性です。
2.◯
妊娠中絶の場合、産前6週間の問題は発生しませんが労働基準法の出産の範囲は妊娠4か月以上とされているため4か月以降の妊娠中絶は就業が制限されます。
3.◯
「行政指導を行う」という文言に判断を迷うと思います。やや難しい選択肢ですので試験対策上この論点を深く学習する必要はありません。
4.◯
妊産婦が「請求した」のであれば災害等臨時の必要がある場合であっても時間外労働をさせることはできません。
ポイントは「請求した場合」です。
5.◯
表現は違いますがいずれの場合も現実に労働させてはいけない、つまり「働かせてはいけない」ということです。

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