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【看護師目線】クリニックに待ち時間がある理由。待ち時間1時間にドン引きしてたけど…

総合病院しか務めたことがなかった私が、クリニックに転職して1ヶ月が過ぎました。

クリニックに勤めてみて、わかったの。
待ち時間が生じる理由が。
超シンプルなんですが、、、

予約を詰め込むから

これにつきます。

30分の間に入れる予約の人数は何人?

私の勤め先のクリニックでは、30分に3人の予約を入れます。
Aさんは9時に予約を入れたとします。
予約当日、Aさんは9時に診察をしてくれると思ってクリニックに来ますよね。
しかし実際には、同じく9時に予約が入っているBさんとCさんがいるのです。
(その事実を知らないから、中には怒り出す患者さんもいます)

9時の枠のAさん、Bさん、Cさん。
誰が一番最初に診察されると思いますか?

答えは、当日の受付順になります。

なので、予約時間ギリギリよりも早めに行った方が、結果的には診察終了まで早く済むことになります。

患者さん1人に対する診察時間はどれくらい?

さて次に、1人の診察にかかる時間についてです。

私の勤め先を例にしますが、診察を10分以内に済ませることができれば、9時枠予約の一番最後の人も9時20分には診察室に入ることができます。

そして、診察が1人10分以内で終わるならば、9時半からの予約の人は9時半ピッタリに診察室に入ることができるはずです。

しかしですよ。

私の勤め先のクリニックでは、診察に10分以上かかる人の方が多いです。
1ヶ月勤めてみて、10分以内で終わるのは1割ほどだと感じています。
診察時にエコーをすることが多いので、そうするとかなり時間が押します。
エコーをすると1人20分はかかります。

診察室の数

私が妊婦の時に通院していた産婦人科のクリニックでは、ドクター1人に対して診察室が2部屋ありました。

日本では妊婦健診時に必ず腹部エコーをしますから、着替えや準備に時間がかかるので診察室を2つにして、ドクターが診察室を行き来している様子でした。
そのほうが確かにスムーズに進みますね。

私の勤め先のクリニックも診察室は一応2部屋あります。
が、エコーの機械が一つしかないので(それが理由かどうかはわからないけど)、一つの診察室しか使っていません。
(院長が結構お年を召されているから移動が大変なのかな…?わかりません。)

患者さんの着替え、お支度にはそれなりに時間がかかります。
なのでエコーをすると、最低でも20分はかかってしまうのです。

1人20分かかったら…

例えばAさん、Bさん、Cさんが全員エコーをして1人20分かかったとします。
9時枠の3人が診察を終えるのは10時になります。
9時半に予約を入れていたDさん、Eさん、Fさんは、すでに30分待ちです。

こうして一人一人の診察時間が長引くことにより、全体の待ち時間が1時間以上になることも(私の勤め先では多々)あるのです。

予約を入れる時点でエコーをするかしないか、わからないの?

これは、わかる場合が多いです。
だったら、エコーをする人の場合は予約枠の人数を減らせばいいじゃないか。
確かにそうです。その通りです。
しかし私の勤め先のクリニックでは、エコーをするもしないも関係なく、30分の枠に3人入れ込みます。
「患者さんが待つのは仕方ない」という医療者側の気持ちが透けて見えます…。
本当に、これは要改善だと思っています。

どうしてそんなに予約入れるの?


って思いますよね。
私の勤め先は毎日毎日まーーーーーーいにち、診察時間が大幅にずれ込むので、予約枠を30分に3人ではなく2人までにすればいいのにって本気で思います。

そこで診療報酬の話になります。

「診療報酬」って?

どのお医者さんも、儲けのためにクリニックを経営しているわけではありません。きっと。たぶん。
しかし、だからと言って、「利益無しでいいです」というわけにはいきませんよね。
ドクターだって、クリニックで働くスタッフだって、生活がありますから。


診療報酬とは
病院などの医療機関での診察や治療、薬局での薬の処方、といった医療行為を受けたときにかかる費用のことを医療費といいます。一方、診察・治療をした医療機関や薬を処方した薬局が提供した医療行為の対価として受け取るのを診療報酬といいます。診療報酬は全額、患者さんが負担するわけではありません。全体のうち1~3割は患者さんが、残り7割は患者さんが加入している国民健康保険や健康保険組合、全国健康保険協会などが支払います。
医療行為の価格は、提供する病院や薬局が任意で決定できます。ただし、国によって医療行為や医薬品代の値段は細かく定められているため、法外な金額が要求されることはありません。国が定めた価格表にもとづいて決定した医療費も「診療報酬」と呼ばれています。
つまり、診療報酬とは、「医療行為や医薬品などの対価」と、「医療に関する価格表や制度そのもの」を指しているのです。

http://shinryohoshu-kisochishiki.com/overview/why/

保険診療は点数が決まっています。
それは、都会に住んでいようが、田舎に住んでいようが、日本国内一律です。
都会のクリニックも田舎のクリニックも、同じ診察内容であればかかる費用は同じなのです。
そうなると、(土地代などが高い)都会ほど、患者の人数を増やして回転を早くしなければ、利益が出づらいということがわかります。
(私の勤め先のクリニックは地方にあります。院長は「儲けのためにやってるんじゃない」って言ってるんですが。だったら、待ち時間減らしてあげたほうが患者さんのためになるのにって思います。。。)

患者さんのためを思うなら、予約を詰め込むべきではない。しかし、ある程度の患者さんの人数を入れなければならない理由もある。

私自身、今までいろいろなクリニックに行ったことがあります。
内科、小児科、産婦人科、耳鼻科、皮膚科…
だいたい、どこのクリニックも30分以上待った記憶があります。
1時間以上待つことも全然珍しくない。

予約をして行くのになんで待つの?予約の意味??って思ってました。
自分が働いてみて、クリニックに待ち時間が生じる理由が腑に落ちました。

患者さんも、医者や看護師に対してはほとんど文句を言わない(たまに受付に言う患者さんもいるみたいですが)から、院長もスタッフも「待ち時間が生じている」という状況に慣れてしまって、改善しようと行動しない。

診察時に「お待たせして申し訳ありませんでした」のひと言でもあればまだマシだけど、それすら無いことも多い。

患者さんにストレスを与えてしまっている状況だということを、院長もスタッフももっと考えなければならないと思う。

予約システムなど、自分の受付順が近くなったら連絡をくれるというのも増えてきましたね。
クリニックの待ち時間を無くすために、私は初心忘れるべからずの精神で今後も日々の「ハテナ」や「患者さん目線」を大事にして情報収集などをしていきたいと思いました。

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