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みいこ みーつ みー(前編)

最近ようやく回復しましたが、
昨年は、本が全然読めませんでした。

本が悪いのではなく、心を動かされるだけの容量が
自分になかったのでしょう。

それでも、出会えてよかった、という本もあります。

その圧倒的NO1がこちら、

「こっちむいて! みい子」 です!!

って、それ、マンガじゃない?
と突っ込めるのは、雑誌「チャオ」を
読まれたことのある方。

そう、少女(特に児童)向けマンガなのです。

きっかけは、書店の新刊コミックコーナーを
眺めていた時に目に入った、
「LGBT」と書かれた帯。

その頃、ある研修を受けて、
LGBTQ+(※)への理解が不十分なのを
痛感していましたので、興味を惹かれたのです。

本作は基本的には、
子どもの日常生活を描いた、楽しい系マンガ。
そのエピソードのひとつとして、
トランスジェンダーに悩む中学生の子の回が
あったのです。

で、コミックを買って読んでみたら、
この回も含めて、どの話もとても良い。

ギャグテイストあり、大人から見ると微笑ましく、
自分にも身に覚えもあり。
日頃、仕事で子どもたちと接していることもあって、
予想外に、大きく心に響いたのです。

ということで、もっと読んでみたくなった私。
読み終えたコミックを眺めると、これが何と35巻!
そう、この作品、初回が1990年。
30年以上続いている超長期連載だったのです。

もちろん、ガラスの仮面はもとより、
エロイカより愛をこめて、王家の紋章、
パタリロ!など、女性向け雑誌でも、
50年近く続いている作品もあります。

が、これらと違って、
「こっちむいて! みい子」は、失礼ながら、
巷でメジャーになったことは
ないんじゃないかな、と。

この奥ゆかしさがまた、
作品の魅力のひとつと言えます。

そして大事なのは、35巻を読み終えた私は、
まだこれから300話くらい、
楽しめる余地があるということです。

ただし!
ここからが、心配であり、難題!!

ネットで画像検索してみてください。
どんな雰囲気のマンガか、
お分かりになることでしょう。

そしてそれは、
私のようなおっさんとの、すごいギャップ。

本作はいうまでもなく、健全なマンガです。
出版社も小学館です。

しかし、購買者とのマッチングによっては、
あらぬ意味づけをされる可能性が、
ないとは限らない。

たとえば、
谷崎潤一郎の「痴人の愛」がどれだけ名作であっても、
買う人の属性によっては、
お店の人の瞬きの回数が増えることでしょう。

さあ果たして私は、「こっちむいて! みい子」の
残りの話を無事に読めたのでしょうか。
(・・・続く)


※LGBTQ+について

これまでは一般的に「LGBT」と
表記されてきましたが、
性の多様的なありかたをより正確に、
幅広く表現するために、
「LGBTQ+」が
使われるようになってきています。

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