見出し画像

高いギターが良いのか

Sera Sound Products 原田です。

またとても宜しくない書き出しをしていますがいつ叱られるやら。


高い安いというのもなかなか曖昧だということでここは一つ大卒初任給20万円の半額「10万円以上が高い」として考えてみましょう
(今新卒初任給20ぐらいですよね?ギター業界だと10年目ぐらいですけど笑)


始めにギターという楽器の評価点として

①演奏性の高さ
②美観(外見の美しさ)
③サウンド
④スペック、希少性
⑤初期出荷時の調整
⑥ブランドネーム


こんなところかなと思っています。
一つずついきましょう。

それぞれをさらって最後に高い楽器が良いのかという結論について話そうと思います。


①演奏性の高さ
コレは言わずもがな皆様口を揃えて言うかと思います。

安いギターは弾きづらい(※調整をしなければ)

この辺りの安いと言うのは上記のおおよそ10万円ぐらいを指しています。
10万円以下と10万円以上。

演奏性だけで言えば5万円を目安にしても良いかもしれません。

所謂初心者ギターと言われる価格帯(〜3万円程度)
こちらは正直かなり色々厳しい面があるメーカーが多い気がします。ただこの値段でよくここまで作るな!と制作側としては感心しますが、ユーザーとして扱うには少々手を入れたくなる感じの個体が多い気がします。

5〜10万はこだわらなければそのままのクオリティ(オクターブチューニングなどは自分でできるレベルとして)そのままライブで使えるクオリティが増えてきて、10万円を超えるとほとんど問題がない個体が多数になるイメージ。


ですのでタイトルの高いギターが10万円を指すのであればシビアにならなければ大抵のギターの演奏性はクリアできるのではないかと思います。


その中で個人的にこだわっているトラスロッドの効きの良さ、ハイフレ起き対策のためのドロップオフ、などのフレットワークに関しては10万円程度だと実際に対策されてるギターは多くないように感じますが、してないからギターとして機能しないわけではないので今回はこの辺で。


②美観
個人的にはいろんなギター買いすぎたせいでもう一周して割とどうでもいい部分なんですが(笑

贅沢なキルトトップ、フレイムトップなどは当たり前にボディー外周Rの繋ぎの綺麗さ、塗装面の平滑度、塗装の透明度、加工の綺麗さ、適切な処理など…

今回に関しては弾きやすさに全く関係ない部分を指しています。

ここに関しては希少性、一点ものなどで価値が上がるにせよ、絶対的なものはないと思っています。現に僕は何色のギターでも割といいと思ってます。そりゃ多少の好みはありますが笑


③サウンド
来ました炎上案件。
コレばっかりはほんと好みです。
フラットに作って後からEQをかけやすいようにした竿が好みの人もいれば自分の思うドンズバの音(たとえそれが歪なEQ設定になったとしても)が出るのが正義!と思う人もいると思います。

ただその中で
☆ピッチの良さ
☆電気的なノイズ、ガリの有無


こちら二つに関してはピッチは良い方が偉いし、電気的なノイズガリはないに越したことありません。
ただトッププロの中には××スケールの特有の揺れがぽくて好きというど変態な音感の持ち主もいるので一概に合ってれば良いとは言いませんが多分そんな人はごく稀なので割愛します。笑

僕にしてはこの話題無難に乗り切りましたね笑


④スペック、希少性

こちらに関しては美観と絡む部分もありますが、普通と違った仕様、特別な仕様、一点ものなどは明らかに高いです。
ただそれが良いかどうかは正直関係がなく、自分が欲しいスペック故に致し方なく高くなったという感じになるかと思います。

良い楽器は必ずしも希少性が必要なわけではないので。


⑤初期出荷時の調整

ここは10万円以上になるとかなり差が出る部分で25万円を境に各社かなりしっかりしてるイメージです。
良くも悪くも各社の組み立てスペシャリストの腕の差が出ます。
正直酷いところは酷いです。
逆にとんでもなく良い仕事をする人もいます。

個人的には時間をかけただけ、悪い部分が的確にわかっていれば良くはできるが、悪い箇所がわかっていないのであればよくできるはずがないと思ってるので本当に担当者の知識、技術がダイレクトに反映される箇所かと思います。

各メーカー値段別に手をどこまでかけるかをある程度分けている様子ですが、組み立てという部門の特性上わりかし皆良くしようと時間内で試行錯誤する方が多くいる傾向です。

差が出るとすれば正直最終検品の人が甘いかどうかで差が出る気が…笑

個人的には
○弦高の適切な処理
○トラブルになりやすい箇所の初期対策
○オクターブ調整
○ブリッジ、ナット周りのちょっとした気遣い

この辺りがいいメーカーはしっかりしてます。
担当者も自分の癖を認識して対策されてるメーカーはどこも良い仕事をするなという感じです。


⑥ブランドネーム
もうこれはいわずもがな。無名は安い、有名は高い
フェンダー、ギブソン、PRS、他ハイエンド
そりゃ高くて当たり前です。リセールバリューもあるし。


ただ高いから良い!が一番当てはまらないのかここかもしれません。楽器という特性上これ以上ないほどブレる場所では…笑


駆け足ですが上記6つが楽器という特性上同じような見た目でも値段が上下するポイントかと思います。



結論

上記のように色々な要因があり値段は上下します。
ざっくり言って現在の相場で見ると10万円の高いと言われるギターは手を入れた方が良い部分が少なからずあることもあるかなという感じです。

ただコレは本気で音楽をやりたい!という人向けの話で合って80%前後を占めるライトユーザーさんには少し弾きづらいかなー?程度で収まる部分ではないかと思います。

そんな中で僕が高いギターを買う理由として一番あるのが

「間違いなく良い個体が多い」

この一点のみです。
正直ハズレ個体もありますが、まぁ絶対的に安い価格帯より飛び抜けて少ないというのが30万円オーバーの価格帯の印象で、海外製だと平気で80万とかありますが、まぁ…高すぎだろ!と思いますが、、、

車より安いって考えたら買えなくは無いですし、お金を使って得る満足度というのもありますし。ブランドロゴから音が出る!と豪語するバンドマンもいますし笑

僕はクラフトマンとして生きてますが、本職演奏の人はギターの調整はプロに任せてギター弾いて歌を歌ってヒットソングを作るのが仕事で、機材オタクになる必要性は全くないと思ってます(なるなという意味ではなく、必然ではないという意味)
何か気になれば信頼できるクラフトマンに相談して面倒ごとをお金で解決。

コレがスマートなんじゃないかと。

トラブルなくギターを弾きたいのであれば「高いギターを買う」というのが選択肢としてはアリなのでは?という思いです。


やはりポリシーを持って作られた楽器には魂がこもっているなと感じてます。

特に本気でやるなら高いギターそれも「15万以上の楽器がおすすめ!」という話でした。


Sera 原田

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?