「過去作品のリメイク」をたどっていくと「Fate」につながるという運命

最近、マンガやアニメ、映画で気になっている流れがある。

「過去作品のリメイク、再アニメ化」だ。

自分が覚えている限りでその流れをたどってみると、2011年。劇場アニメ「Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS」が上映された年にいきつく。

ぼくは2006年に放送されたテレビアニメ「Fate/stay night」も見ていたので、「あれ、またアニメ化するんだ」と感心した記憶がある。それもアニメの制作会社を変えて、だ。このときまで、アニメの制作会社を変えて、再び作品のアニメをつくるのはタブーになっていたように思う。

「Fate/stay night」はいわゆるギャルゲーで、ヒロイン3人に対して3つのルートがある。

2006年にスタジオディーンが制作した「Fate/stay night」は3人のルートをいいとこどりして、最後は主人公がメインヒロイン・セイバーと結ばれるルートだった。ギャルゲーのアニメ化は基本的にこのパターンで、各ヒロインと主人公の見せ場を拾いつつ、最終的に作品のメインヒロインに位置付けられる女の子とくっつく。

だからUfortableが「Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS」で第2のヒロイン・遠坂凛のルートを映画化すると聞いたとき驚いた。ヒロインを変えてギャルゲーのアニメをもっかいやるなんて聞いたことない。

驚きはそれだけにとどまらない。同じく2011年に、Ufortableが「Fate/stay night」の番外作品である「Fate/Zero」をアニメ化したのだ。「Fate/Zero」が放送された2011年。ぼくは当時高校2年生だったのだけれど、周りでも「Fate/Zero」は大人気だった。中には「Fate/Zero」があっての「Fate/stay night」だと思っている人もいた。

一つの作品を超え、ひとつの世界観で外伝・番外編を含めて横断的にメディア化するという手法が世間に認知されたできごとだったと思う。

ひとつの世界観といっても、「東方」のようにアマチュアが好き勝手に投稿して、その身内で盛り上がるあの感じとも違う。タイプムーンという企業を中心に、出版社やアニメ会社などのプロ集団が、ミーハーな層にもウケるように計画したものだった。

2011年に「Fate/Zero」がアニメ化され、その流れにうまくのったのが「ラブライブ」。テレビにでてきたのは、2012年とか13年あたりだった気がする。これもアニメPVからうまく派生し、アニメ化、マンガ化、そして番外編や外伝など、様々なメディアで横展開がなされた。

「Fate/Zero」で味をしめたタイプムーンとUfortableはその後、遠坂凛がメインヒロインとなるテレビアニメ「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」を発表し、またまた大ヒット。

2017年には最後のメインヒロイン・間桐桜を主役としたアニメ映画「Fate/stay night [Heaven's Feel]」も3部作でスタートした。

PCゲーム「Fate/stay night」がはじめて世に出たのは2004年。もう15年近く、「Fate/stay night」はヒットし続けている。

ヒットの理由は間違いなく、2006年にアニメ化した作品を5年も経った2011年に、実力のあるアニメ会社とタッグを組んでリメイクしたこと。

第1期が放送されてから10年が経って突然、再アニメ化した「D.Gray-man」も、アニメ化から10年を記念して劇場でOVAが公開された「ARIA」も。「北斗の拳」や「封神演義」、「カードキャプターさくら」も。名作のリメイクが次々と発表されている理由を考えると、すべては「Fate/stay night」に繋がる気がするのだ。

続く

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