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梨泰院惨事一周忌追悼大会…1万7000人が約束した「真相究明」

自主時報 2023年10月29日付記事
原文:http://www.jajusibo.com/63638

梨泰院惨事一周忌を数える10月29日午後5時、ソウル市庁広場で市民追悼大会が行われ約1万7000人が集まった。追悼大会は10.29梨泰院惨事遺族協議会(以下、遺族協議会)と10.29梨泰院惨事市民対策会議(以下、対策会議)が主催した。

追悼大会に市民が続々集まる中、午後から始まった行進を終えて梨泰院惨事遺族とセウォル号惨事遺族が到着した。また民主労総やキム・ヨンギュン*財団のキム・ミスク理事長など各界人士も共にした。

*2018年に青年労働者キム・ヨンギュン君(24歳)が火力発電所のベルトコンベアーに挟まれて亡くなった労働災害をきっかけに「労働現場における安全」「非正規職の撤廃」「労働災害における使用者の法的責任」などを求めている。

「再発防止対策を準備せよ」と書かれたプラカード

追悼大会の間、市庁広場に来る市民の足は絶えなかった。主催側が設けた椅子が不足し、地面に座ったり周辺で立って見守る人も多かった。

政治圏では共に民主党、進歩党、基本所得党、正義党、労働党、緑色党、「国民の力」など与野党から参加した。またオ・セフン ソウル市長やキム・ドンヨン京畿道知事、犠牲者が出たロシアやイランの大使館人士も参加した。

大会は1部と2部に分かれて行われた。1部では遺族協議会のイ・ジョンミン運営委員長が発言し、梨泰院での混雑に備えた警察の事前計画があったが全く実行されなかったとし、「この若い青春たちの短い生を、そして彼らの幸福に誰が責任を負わなければならないのか」と声を高めた。
また、「惨事の前に与野党はなく、皆が国民の声に耳を傾けなければならない時だ。誠意ある姿勢で梨泰院惨事特別法通過に力を傾けていただきたい」と訴えた。

発言するイ・ジェミョン代表

共に民主党のイ・ジェミョン代表は追悼辞で「梨泰院惨事特別法の迅速な通過で真実を明らかにし、責任を問うと同時にこのようなことが二度と起きないようにする。国民の命を守らなければならない国家の責任を正しく打ち立てる」と述べた。

発言するユン・ヒスク常任代表

進歩党のユン・ヒスク常任代表は「国家の無能で罪のない人々が犠牲になった社会惨事を、与野党の陣営論理として扱う尹錫悦大統領こそ惨事を政争化している」「尹錫悦大統領と“国民の力”が特別法制定と真実究明を妨害するならば、進歩党はすべての手段を尽くして民意に背く政権と対峙する」と声を高めた。

他にも野党4党は一様に特別法制定を通じた真相究明および、尹錫悦政権の対応を強く糾弾した。一方「国民の力」は数名が出席しただけで何の発言もせず、市民の怒りを買った。
また、追悼大会が終わるまで主催側が準備した尹大統領の席は空いていた。政府は尹大統領はもちろんのこと、ハン・ドクス首相、イ・サンミン行政安全部長官も参加せず、あいさつ文を送ることもなく顰蹙を買った。

特別法制定を求めるプラカード

2部では犠牲者キム・イジン氏の母親であるイム・ヒョンジュ氏や犠牲者アン・ミンヒョン氏の姉が真相究明と責任者処罰のために全力を尽くすと発言した。

また梨泰院惨事の生存者イ・ジュヒョン氏は、惨事の時が思い浮かび依然として苦しいが、他の生存者が声を出すなら必ず共にすることを約束した。

発言するキム・ジョンギ運営委員長

セウォル号家族協議会のキム・ジョンギ運営委員長は「人が亡くなったが国家が救わず、子どもが犠牲になった心情を誰よりよく知っている」と述べ、梨泰院惨事遺族と最後まで共にすることを約束した。

発言する下村誠治氏

2001年に日本で起きた明石歩道橋惨事で息子を失った下村誠治氏は、梨泰院惨事と明石市の惨事に類似した部分が多いとし、「再発防止のために自分も最善を尽くしていくことを決意する」と発言した。

セウォル号惨事遺族が集まった4.16合唱団や歌手ハン・ヨンエ氏も追悼公演を通じて遺族を慰めた。

追悼大会の締めくくりに犠牲者一人ひとりの名前がスクリーンに映され、遺族が分香所に献花した。市民や市民社会団体、政治家たちが続いて献花した。

献花する市民

献花を終えた市民たちは遺族と挨拶し、特別法制定同意署名に参加するなど真相究明と責任者処罰に共にすることを誓った。

献花を終えた後にも席を離れることができず、遺族を慰めたり悲しみに浸った人々が後を絶たなかった。

追悼ボードに書かれたメッセージを見つめる市民

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