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【第二回聴き湯会】銭湯を継ぐまで/継いでから(金春湯 角屋文隆さん)

まっつん:第二回聴き湯会を始めます。今回のゲストは、品川・金春湯の角屋さんです。よろしくお願いします。

角屋:よろしくお願いします。

まっつん:銭湯再興プロジェクト(以下、再興PJ)の運営をしている松下と申します。最初に聴き湯会がどういう企画かということを簡単に説明させてもらって、そのあと角屋さんに質問したりしながら進められればと思います。

聴き湯会というのは、再興PJが始めた新企画です。銭湯に関わるお仕事をされている方とのコミュニケーションを通じて、銭湯の新たな価値であったり銭湯ファンがお手伝いできることを模索するプロジェクトとなっております。初回は高円寺・小杉湯の平松さんにご参加いただいて、平松さんから逆に質問があったり、参加メンバーも一言二言ずつしゃべる感じでした。今回も相互にコミュニケーションを取れればと思っております。

最初に、角屋さんから自己紹介と金春湯のご紹介を簡単にしていただければなと思います。

角屋:はーい。(スライドを映す)

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まっつん:あ、すごい。すぐ準備できちゃうんですね。

角屋:ちょっといろいろ繋げただけですけど(笑)。もう軽く酔っ払ってますんで、気軽な感じでいきます。

まっつん:それはデビルクラフトさんのお酒?

角屋:そうです。ビールが好きでだいたい毎日飲んでるんですけど…昼から飲んでます。


売上が伸びたら継ごう

角屋:では、自己紹介を始めます。角屋と申します。

もともとカメラや医療機器を作ってる会社で10年ぐらいエンジニアとして働いていて、2019年7月末で会社を辞めて金春湯をやってます。再興PJの1期(2018年)に参加していました。銭湯を継ぐまでの経緯をいろんな人に聞かれるので、まずはそれを中心に話していきたいなと思います。ざっくり言うと、きっかけになったのは2017年7月ですね。金春湯って、もともと僕の両親とおばあちゃんの3人でやってたんです。当時、母が怪我で入院していて、2人だと営業できなくなっちゃうので、僕が平日の夜とか休日に手伝いをするようになりました。サラリーマンをやりながらですね。

(小杉湯の)平松さんって、小さい時から継ぐことが頭にあったって言ってるじゃないですか。僕は全くなかったんです。やりたくないとは思ってなかったけど、やるなんて思ってなくて。そこで手伝ったことで、ちょっとずつ興味を持ち始めました。もともとエンジニアの仕事をしてたんですけど、エンジニアってあんまりお客さんと会わないですよね。でも、銭湯の仕事って直(ちょく)じゃないですか。これは楽しいなと。疲れた顔してお風呂に入りに来るお客さんが良い顔をして帰っていくのを見ると、銭湯って良い仕事だなと徐々に惹かれていきました。

僕は慎重な性格なので、そこから2年間、家業を継ぐかどうか検討する期間を設けました。具体的な期間を決めてたわけじゃないですけど、いろいろ調べたり試したりしていました。ちょうどそのタイミングで再興PJが立ち上がった、という感じですね。2018年4月頃だったかな。で、1期が終わった頃に会社を辞めて金春湯で働き始めて、同時に「コンパルウェブスタジオ」というIT開発系の仕事を個人で始めました。今でこそ金春湯がメディアに出させてもらったり、サウナ好きには知ってもらったりしてますけど、当時は誰も知らない銭湯だったんですね。自分もそれは把握してたので、すぐに継ぐっていう決断はできなかったです。たとえば、再興PJの最初の集まりで、銭湯好きが40人ぐらいいるなかで「金春湯を知ってる人?」って聞いたら2人しかいなくて。なので、これはちょっとすぐには継げないなと思って、いろいろ試したりしてました。

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2017年7月に銭湯の仕事を手伝いながら金春湯やばいなって思って、まずロゴを作りました。それから、いろいろ情報収集しようと思って「銭湯サポーターフォーラム」にもこっそり行きました…親とかにバレたくなかったので。ちょうど「サウナイキタイ」っていうサイトもできた頃で、その年の12月くらいからTwitterを始めました。あと「銭湯ぐらし」っていう小杉湯がやっていたプロジェクト(現在の株式会社銭湯ぐらし)のトークイベントにも、お客さんとして参加してみたりしてました。

2018年1月、ホームページとFacebookページを作り始めます。この時点では、全然お客さんは増えなかったですね。いろいろやってはいましたけど…たとえばクラフトビールの販売を始めたりとか、いろいろなイベントをやるようになりました。最初のイベントは2018年7月で、大分県のPR企画を「東京銭湯」という団体と開催しました。この頃からTwitterのフォロワー数も徐々に伸びてきて、お客さんが増えてきたなという感じがします。2018年の秋にステッカーを作り始めたり、グッズを売り始めたりしました。あと、うちでイベントやるんじゃなくて外にも出ていこうってなって、その年の10月に初めて地元のマルシェに出店したりしました。

徐々に売上が伸びてきて、一日の売上が目標を超えたら継ごうって決めてたんですよ。結局、2019年8月に会社を辞めて金春湯を継ぐことになりました。再興PJとかいろんな人から「継いだほうがいいよ」とか言われたけど、僕としてはやっぱり売上がある程度伸びるまでは怖くてできなかった。子どもがいたこともあって、なかなか決心がつかなくて。結構、長かったですよね。サラリーマンやりながら、いろいろ手を付けてたので…

まっつん:働きながら2年ぐらいですかね。普通に会社で働いて、帰ってきてから掃除をしたりとかお手伝いをしてたわけで…

角屋:しんどかったですね、いま思えば頑張ってたなと。小杉湯とかで「うわー、こんなにお客さんいるんだ」って、他の銭湯行くたびに思ってたし。

次に、再興PJのなかでどういうことをやってたかということを…ここはホームページなどにも載ってるのでスキップして。活動が一旦終わったあとも当時のメンバーとは仲良くさせてもらっていて、一緒に仕事をしたりしてたんですね。それをちょっとピックアップしていこうかなと思います。

一つが、品川区の浴場組合のホームページを作りました

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まっつん:これは本当にすごい。

角屋:このサイトは、再興PJ1期メンバーのアベさんっていうカメラマンと作りました。24軒…当時はあったんですけど、2人で1週間くらいかけて回って、ひたすら写真を撮って。これは浴場組合から製作費をもらって、仕事としてやったという例ですね。

うちで大切な写真を撮るときは、それ以後アベさんに全部お願いしようと決めていて。たとえば、KINTOっていう食器メーカーがあるんですけど、一緒にウォーターボトルを作ったんですね。そういう見栄えが必要なときは頼むようにしていて。こんな感じで再興PJで会った人といろんなことを進めていったりしますね。他にも、ガースーさん…いまは小杉湯の社員になってるんですけど、もともとは再興PJのメンバーでした。

一番大きかったのが、去年の緊急事態宣言中(2020年4〜5月)にオンラインイベントをやったことです。「オンラインサウナバザール」というサウナ関連のイベントですね。知ってる人がいたらすごく嬉しいんですけども…オンライン会議ツール「Remo」を使って、サウナ好き400人ぐらいが同時に接続できるイベントをやりました。なんか懐かしいですね。こんな感じで誰々のブースみたいなのを作れるんですよね。そのブースに〇〇というお店の支配人がいて、話したい人がそこに入るみたいな。マッチングサイトとかのイベントでよく使うらしいんですけど(笑)。

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これが結構すごかったです。当時、どこのスーパー銭湯も営業できない状況で、みんな時間があったんですね。なので、出店者だけで100ぐらい集まるようなイベントになりました。これも再興PJで、僕とガースーさんが出会ってたからできたことです。その流れで、サウナが好きな人は知ってると思うんですけど、マグ万平という芸人さんのYouTubeに僕とガースーさんで出させてもらったりとか、イベントきっかけでサウナ関連のイベントに呼ばれたりするようになりました

まっつん:サウナの人ですね、完全に(笑)。

角屋:そうそうそう(笑)。こんな感じで、このプロジェクトで出会った人たちとは色々とと一緒に活動できたりしています。だから、僕としては良かったですね。当時は高かったんですよ、会費が。月3,000円ぐらいだったのかな?

みむちゃん:3,500円!

角屋:いまはもうちょっと安いもんね。

まっつん:500円です(笑)。

角屋:あとは、塩谷(歩波)さんの本(『銭湯図解』中央公論新社)にも載せてもらったし。僕が一番元を取ったんじゃないかな、再興PJのなかでは(笑)。

品川区は激戦区

角屋:ここまでが、僕の自己紹介と再興PJでどのようなことをやったかという話でした。ここから、金春湯の紹介に入ります。金春湯のこと、名前は知ってましたかね?

げんた:僕、今日行ってきました。たまたま大崎に行く予定があって、せっかくなんで予習しておこうと思って。

まっつん:どうでしたか?

げんた:やっぱりサウナが人気なんだなっていうのを感じましたね。水風呂の前の腰掛けるところで休んでる方がいっぱいいて。あと、ビックリしたのが浴室の床に目の見えない方のあれが…

角屋:あー、点字ブロックですかね。

げんた:はい。点字ブロックのある銭湯って初めてだなと思って、すごく驚きました。

まっつん:確かに!

角屋:以前、目の悪いお客さんが2〜3名いたんですよ。で、15年くらい前にリニューアルして、点字ブロックを付けたんですね。リニューアルしてから来なくなっちゃいましたが(笑)

まっつん:でも、すごいですね、お客さんのためにそういうことができるなんて。

げんた:そうですね、ユニバーサルデザインの銭湯っていうか。すごいなと思いました。

角屋:役に立っているかどうか、子どもの滑り止めくらいにはなっているかな(笑)。ゴミが間に溜まるので掃除しづらいんですよ(笑)。

げんた:そうですよね(笑)。

まっつん:リニューアルの話が出ましたが、そもそも金春湯はいつからやられてるんですか?

角屋:昭和25年創業で、70年くらい経ってます。創業者はうちの家族ではなくて、うちは50年くらい前に買ったらしいです。その頃は銭湯の売り買いが盛んにあったみたいで、住み込みの人もいたんですよ。今はオーナーとアルバイトというのが多いと思うんですけど、以前はオーナーと住み込みが何人かで営業していて、住み込みの人がある程度できるようになったら銭湯を一つ建ててあげるんですって。独立しなよ、みたいな感じで。

げんた:暖簾分けみたいですね!

角屋:そうですね。その頃に銭湯はバーっと広がったんです。ブームというか、やれば儲かるので。建てて、住み込みの人を働かせてっていう。だから、最近では少ないですけど、昔は1人5軒くらい持っているのが普通だったみたいですよ。そんな感じで銭湯の売り買いが盛んにあったらしくて。うちも、昔は羽田で銭湯やってたらしいんですよ。でも首都高が出来るってことで立ち退きになってしまって、ここ(大崎)に移ったらしいです。

うちのお店の特徴は、やっぱりサウナが一番の売りで。あとは、ビールと畳の休憩室。逆に弱点としては、周りの施設が強すぎるという問題点があります。これはちょっとあとで見ていきます。

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中はこんな感じです。あ、ちょっと盛ってます(笑)。今日来てくれたので、バレちゃうかもしれないけど。アベさんがきれいに撮ってくれたので、盛れているんですけど…これを少し汚くした感じですね(笑)。

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まっつん:すごい。これ朝ですかね、光がきれいで。

角屋:朝は営業してないのに(笑)。

サウナは実物に近いと思います。男湯の方ですね。

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こちらは今日の品揃えです。ビールがすごく好きで、ビール通も満足できるものを置いてある自信があります。

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まっつん:行くたびに品揃えが変わっているので。

角屋:そうなんですよ、ビール楽しいですよ。銭湯よりもビールの方が楽しいですよ(笑)。一応、国産を置こうというこだわりを持っていて、左の3つはうちの近所で作っているビールだったり、ちゃんと選んで置いてます。ビール好きが来てくれるようになって、すごく嬉しいです。
 
次に弱点というか、うちの状況を説明したいと思います。大崎駅があって、五反田駅がこの辺にあります。大崎駅から大体徒歩8分とHPには載せています。実際は10分位掛かるかもしれない(笑)。

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とにかく、周りの銭湯が強いんですよ。武蔵小山温泉って知ってますよね。それから、戸越銀座温泉と宮城湯、あと天神湯。何がすごいって、四つとも温泉なんです。一方、うちは水道水なので同じ価格なら普通は温泉行きますよね(笑)。武蔵小山温泉と戸越銀座温泉は露天風呂があるし。銭湯だけで見ても結構周りが強いです。みんな仲が良いので敵という感じは一切無いんですけど。設備的にも良いお店が揃ってますね。

それ以外にも松の湯があって、再興PJに入っているような人はすごく好きになると思います。いわゆる「銭湯っぽい銭湯」ですね。みむちゃんとか行ったことある?

みむちゃん:あります! 真ん中が丸くなっているところだ。

角屋:そうそう! それ以外にも富士見湯とか、大井町のお風呂の王様も徒歩圏内だし、コナミとかティップネス、NASとかのジムもサウナが付いてますね。あと℃(ドシー)っていう、男性専用ですけどサウナが五反田にあったり。大井町には、SHIZUKUっていうカプセルホテルのサウナができますね。なので、すごい囲まれています。みんなと仲良くやっているんですけど、場所的にはあんまり良い場所ではないですね(笑)。駅からも少し遠いし。

そんな中、SNSでお客さんを呼べたりもしてますし、サウナが好評でサウナイキタイでのレビュー数も多いですね。日本で25番目とかに多くて、ありがたいことです。最近は、メディアにもちょこちょこ出してもらう機会が増えたりとか。他の施設に比べればまだまだですが、少しずつお客さんも増えてきているかなと思います。

次に経営の課題について話しますね。ガッツリ秘密情報なんですけど(笑)。

まっつん:じゃあオフレコで!(笑)

角屋:(具体的な数字の話)

以上のことから、金春湯の今年の課題は「女性の集客」と「サウナ以外の強みを見つけること」です。こんな感じです!

まっつん:ありがとうございます。

角屋:なんとなく分かりましたかね(笑)。

まっつん:げんたさん、実際にお風呂に入ったうえでお話を聞いてみてどうですか?

げんた:はい、自分は今日サウナには入らなかったんですけど、先ほど仰った通りでほとんどのお客さんがサウナ目当てというか、サウナと水風呂を交互に入っている人が多いのは印象的でしたね。あとは、休憩室でボードゲームをして遊んでいる方もいて良いなと思いました。僕もここで『サウナランド』を読みながらゆっくりさせてもらいました。畳があるのも、他の銭湯にはないと思うので面白いなと。でも、たしかに周りが強いですよね(笑)。戸越銀座温泉には行ったことあるんですけど、スーパー銭湯みたいな銭湯が多くて。

まっつん:もうマップ見ると、めちゃくちゃ周り攻められてますもんね(笑)。

角屋:そうなんですよね(笑)。

げんた:銭湯って、やっぱり設備ありきで決まってしまう部分が大きいと思うので。もちろん、サービスとかもあるとは思うんですけど、なんだかんだで温泉とか露天に惹かれてしまうことも多くて。そこら辺をどう差別化していくかが難しいんだろうなと、聞いていて思いました。あと、サウナの利用者数がリアルタイムで見られるのはありがたいです。

まっつん:あのシステムは画期的ですよね。いつから始めたんですか?

角屋:昨年6月、緊急事態宣言明けに始めました。

げんた:ちなみに、あれはどういうふうに測っているんですか?

角屋:フロントにタブレットがあって、それを押すと変わるという感じです。

げんた:なるほど!

金春湯を建て直すとしたら

みむちゃん:私は金春湯にも戸越銀座温泉にもよく行くんですけど、サウナは金春湯の方が断然好きで。あと、ストーブが見えないところにありますよね。どこにあるか分からないけど全体を均一に暖めてくれる感じだし、テレビがなくて集中してサウナに向き合える感じが良いなって思ってます。

角屋:そうなんですよ。ただ、真面目な話になっちゃうんですけど…うちはサウナの追加料金を取ってるんですけど、お風呂だけのお客さんよりも滞在時間が全然長いんです。要するに、頭打ちになりやすいというか。お風呂だけの人だったら、言い方が乱暴ですけど詰め込めるじゃないですか。なので、売上を上げたいときにサウナだけが武器だと伸び悩んでしまうと思ってます。

みむちゃん:すごいめちゃくちゃなこと言っていいですか。女湯はいつサウナに行ってもちゃんと入れるけど、男湯は待ってる人とかもいて…男湯だけサウナを広くすることってできないんですか。

角屋:したいんですよね、本当は。ある銭湯がやってたんですけど、理想はサウナが男湯と女湯の間の壁にくっついてるんですよ。中のついたての位置を変えられる。そこの場合、ついたてを取っ払って男性専用にしちゃったんですけど。変えられるといいですよね。

みむちゃん:なるほど。あと、ロウリュができるサウナがあったら(笑)。

角屋:それはみむちゃんには申し訳ないけど、女湯に作るのはなかなかハードル高い(笑)。

みむちゃん:そしたら、水曜日はレディースデイで。

角屋:いま僕が金春湯を建て直すんだったら、やっぱり黄金湯みたいに男湯と女湯でちょっと大きさを変えると思う。女性のサウナーを増やすのって…増えてはきているけど、男性並みに増やすのって難しいんだろうなって。

まっつん:女性向けにあの手この手でPRしてようやく、っていう感じですもんね。

角屋:女性って、銭湯に行くっていうのもハードルが高いんですかね。

みむちゃん:でも、ここにいる女性には理解できないかも…

角屋:でもね、あれなんだよ。他の銭湯がどうかはわからないけど…うちは東日本大震災より前は、実は女性のほうがお客さん多くて。それは、たぶん高齢者の女性が多かったっていう意味なんですけど。震災以降、一気に減っちゃったらしい。今はちゃんと数えてるけど、当時は数えてなかったから本当かどうかわからないです。でも、実際のところロッカーは女湯のほうが数が多いんですよ。

まっつん:そうなんだ! 前に修繕したタイミングで、バランス的に女性が多かったのかもしれないですね。

げんた:今日、もう一つ思ったのが、浴槽の底が石みたいな感じになってて、あれも面白いなって思いましたね。普通のタイルじゃなくて。

お風呂のほうは空いている印象を受けました。浴室内には人がいるんですけど、やっぱり基本的にサウナと水風呂あたりにいらっしゃるっていう。

角屋:それが本当に課題というか。べらぼうに売上を伸ばしたいとは思っていないんですけど、売上を伸ばすならそこはちょっと変えなきゃいけないですよね。

まっつん:なかじさん。今日のお話を聞いて、角屋さんに聞いてみたいことありますか?

なかじ:なかじと申します。自分も何度か行かせてもらって。サウナが好きで、温度というか湿度が、自分的にはちょっとカラカラぐらいでちょうどよくて、気持ちよくなりやすくて。ビールも好きなんで、お風呂上がりに畳でクラフトビールを飲んだりとか。飲むときに手書きのビール手帳みたいなのを見ながらっていうのが最高に美味しかったです。

角屋:ありがとうございます。

なかじ:「うちゅうブルーイング」が飲みたいんですけど、いつも遅めに行っちゃうんで大体ないっていう。もうちょっと早く行こうと思います。

角屋:普段からサウナに入られるんですか?

なかじ:そうですね。銭湯のサウナも温浴施設のも行きますね。それで銭湯も好きになって。

角屋:サウナが入口の?

なかじ:そうですね。正直、そっちが入りで行くようになりました。

角屋:でも、多分いまはほとんどそうですよね。

なかじ:最近銭湯を好きになった人って、サウナー入りからのほうが多いんじゃないかなって。イベントとかサウナ関連が多い気がしますし。女性もイベントやってるとこに来てるのかなっていうようなときがあって、そういうので増やしていく。あとは、インスタとかで女性も取り込んでいくと…

まっつん:インスタ! インスタの話があったんですよね。昨日とかツイートしてませんでした?

角屋:そうなんですよ。昨日、clubhouseをやろうって友人から誘われて、やったら「金春湯はもうちょっとインスタやりなさい」って言われたので、今年はインスタをしっかりやろうと。

なかじ:結構タイムリーな話題だったんですね。

角屋:そうなんですよ。やっぱりインスタの方がいいんですよね、きっと女性からしたら。

みむちゃん:私よりも若い人たちのほうが情報収集にインスタを使っていますよね。我々世代には、Twitterのほうが響いてる気がするけど。なんだろう、ハッシュタグ検索ができるから?

角屋:まあ、ちょっと頑張ろうって決めてるので。もし、再興PJでアーカイブで見てる人も含めて、インスタ得意な人がいたら教えてください。

まっつん:いいですね。金春湯インスタアカウントを一緒に盛り上げてくれる人を募集しましょう。

角屋:マーケティングとかが得意な人がいたら、色々できそうな気がします。最近、色んな銭湯がSNSを始めてるじゃないですか。ここ2年ぐらいですごく増えてきたと思うので、そういうところは関わりやすいかもしれないですよね。

みむちゃん:金春湯に限らず、銭湯でこういうふうなのがあったらいいなというのは、いつか思うところがあって。金春湯ってPayPay使えるじゃないですか。ドライヤーを使おうと思ったら10円玉がないってことがあって。PayPayで10円を買うことができたらいいのになって。

角屋:そう。でも、PayPay的にはダメらしい。

まっつん:銭湯のドライヤーって、10円玉を入れることで時間を区切ったりという意味合いが大きいんでしょうか?

角屋:それはあると思う。あとは、銭湯って470円じゃないですか。すぐ10円玉がなくなるんですよ。週に何回も銀行に行かなきゃいけないようなお店もあって。

まっつん:そんな苦労があるんですね。

角屋:だから、10円玉を集める手段としてドライヤーはちょうどいい…ということがあったりします。そういうふうに思ってるお店の人、多いと思います。

みむちゃん:地味にあの収益は大きいだろうなと思っています。

角屋:収益っていうか、10円玉だね。

一同:(笑)

牛乳…パック…!?

まっつん:そしたら、あべともさんも話したいことがあれば。

あべとも:はじめまして、村田さん(再興PJメンバー、金春湯スタッフ)の同級生です。

角屋:そうなんですね!

あべとも:それがきっかけで、みむちゃんと一緒に行ったんですけど。

村田:どうも、すみません。ちょっと仕事しながら聞いてました。

あべとも:あ、いたんだ。いつも村田さんのインスタとかTwitterでビールの写真が上がってるから、やっぱり飲む人にとっては魅力的なんだと思います。一方で、私は単純に牛乳パックを集めるのが好きで。

角屋:牛乳…パック…?

みむちゃん:びっくりしてる(笑)。あべちゃんは、全国の牛乳パックのパッケージを集めるのが趣味で。

あべとも:東京って、東京出身の人ってそんなにいなかったりするじゃないですか。私も元は神奈川だし。だから、地方の人が多いんだったら、色んな地域から色んな牛乳を持ってきて懐かしさに浸るじゃないけど。ちょうどコロナで帰れないっていうのもあるし、そういうイベントをやったら面白いかなって。

角屋:はいはい。

あべとも:お話を聞いていて、サウナシステムは画期的だなと。私はますの湯によく行くんですけど、サウナのときに下に敷くマットが扉の前に置いてあって、コロナになってすごく数を減らしたんですよ。自動的にあんまり入れないようにして。そうすると、水風呂戦争が起こったりとか。五右衛門風呂っぽい水風呂で…男性のほうどうなってるんだろうってちょっと思ってますけど。

角屋:朝一しか行ったことないんですけど、結構混んでるらしいですね。

あべとも:男性のほうが混んでるイメージあります。私が行っている整体の先生が「サウナ代を取らないのにビックリした」と言っていて。私にとっては、取らないのが普通だったのでむしろ取るんだって、そっちのギャップが生まれていたりとか。ますの湯の周りにも、池上線沿いっていっぱい銭湯があるんですけど、水道水のお風呂が多くて。ますの湯は黒湯を使っているので、それに慣れていると物足りなさを感じちゃったりとか。金春湯はサウナとかビールとか、そういうところの付加価値をもうちょっと高めていけたらいいのかなっていうのと…ますの湯はドライヤーがタダです(笑)。あと、綿棒とかも置いてあったりするんですよ。

(リニューアルの)工事期間が長くて、一昨年はずっと入れてなくて去年から行くようになったんですけど。雰囲気が街の銭湯からホテルの大浴場っぽくなったんですけど、それが敷居を下げたような気がしてます。すごく入りやすくなったのかなって。待合室でもみんな漫画を読んだりしながら、それぞれの連れを待ってる感じとか。大学生くらいの女の子3〜4人とかで一緒に来て、今でこそコロナであれですが、ぬる湯で30分くらいしゃべっていたような子たちもいて。意外と若い子たちも来ていてビックリしました。あとは、駅近っていうのが大きいですよね。

角屋:近いですもんね。改札出て5歩ぐらいで着きます(笑)。

あべとも:5歩ぐらいで着いちゃうから、久ヶ原の奥のほうにも1〜2軒あるんですけどなかなか行けないんですよ、行きたいって思っても夜だと怖いし、坂が多いし。

この前、金春湯に行った時、時間帯もそうでしたけどファミリー層が来ていた印象があったので。そういう人たち向けに子どもも楽しめる、例えばリンゴジュースみたいなものの都内のものとか、そういうのを置いても面白いのかなと思います。

角屋:そうですね、ありがとうございます!

みむちゃん:いま、ホテルっぽくて敷居を下げたっていうのにハッとしました。その視点、なるほどなと思って。

あべとも:以前は全体的に暗いイメージがして、でもタイル絵はすごくキレイだなと思っていたんですけど。改装後は本当に…実は昨日、妹も一緒に初めて入ったんですけど、「あんな感じだったら、たまに行くのに良いよね」って言ってて。家のお風呂は狭くて、冬なんかはすっごく冷めやすいし、足も伸ばせるしと思って行くんですけど。そういう人たちも結構いるのかなって思いました。

40年ぶりのアルバイト募集

まっつん:金春湯さんは、雰囲気づくりなどは気にされていますか。

角屋:一番大きいのは、半年前ぐらいに40年ぶりぐらいにアルバイトを募集しました。

まっつん:40年ぶり!

角屋:そうです。それで村田さんともう1人入ってくれたんですけど、だいぶ雰囲気は変わったなって感じます。うちの親とかがムスッと座っているよりも絶対良いですもん(笑)。

村田:ありがとうございます(笑)!

角屋:やっぱり小杉湯に行っても、若いスタッフが番台に座っているとすごく明るくなるじゃないですか。大切だと思います。

あべとも:この前、初めて行く銭湯に行ったんですけど、田舎のおうち感は確かにあるんですよ。番台におばあちゃんがいて、居間にテレビとソファーがあって懐かしい感じだなと思ったんですけど、長時間居られるかっていうとやっぱり地元の人のほうが強くて、すぐに帰ろうってなっちゃいますね。あまり長居できないなと思いました。

まっつん:僕が気になったのは、なぜアルバイトを募集しようと思ったのか…です。

角屋:一つは、うちの親が座っている時間を短くしたほうが良いだろうなって本当に思っていたというのと。あと、緊急事態宣言が明けた時に日曜日の朝湯を始めたんですよ。それで営業時間も長くなったので、人も増えた方が良いなっていうのがありました。その二つですかね。

まっつん:結構、応募はあったんですか?

角屋:ありましたね。二日間で40人ぐらいから来てビックリしましたね。

まっつん:Twitterとインスタでの募集ですよね?

角屋:そうですね、SNSで。

まっつん:それをチェックしている人が、まずそれ以上にいて…ということですもんね。

角屋:大学生からサラリーマンの人まで応募がありましたね。意外だったのが、金春湯ってTwitterのフォロワーが5,000人ぐらいいて、インスタが1,500人ぐらいなんですよ。でも、バイトに応募してきた人は「インスタを見て」っていう人のほうが多かったんですよね。

あべとも:Twitterって、たまにタイムラインがごっちゃになるじゃないですか。10時間前のことが流れてきたりとか。でも、インスタって時系列順で、最近の機能だと「ここまで読みました」みたいな表示もあるので、最新の情報が掴みやすいなと思ってます。

角屋:そうなんですよ。だからインスタを頑張るんですよ、今年は(笑)。

村田:私も頑張ります(笑)。

まっつん:あ、そうだ。中の人ですね。

村田:日々、ネタを探します(笑)。

まっつん:その辺は僕らもお手伝いさせていただきながら。

村田:ありがとうございます(笑)。

再興PJに入ったきっかけ

まっつん:そんなお話をしていたところで、もう1時間を過ぎましたので。もし、まだ他に聞き残したことのある方がいれば。

角屋:自分から聞いてもいいですか? 今回、再興PJに参加している人はどういうことを考えるメンバーが多いんですか?

まっつん:僕とみむちゃんで運営をやらせてもらってますが、まだそんなにお話できているわけではないので、聞いてみたいですね。再興PJに入ったきっかけ、こういうことをしていきたいなど、改めて一言ずついただきたいです。げんたさん、いかがですか?

げんた:僕は営業の仕事をやっているので、Webとかの特技はないのですが…人と関わったりするのが好きで、地元も高円寺なので小杉湯と高円寺の街も含めて活性化というか、すでに人気の街ですけどもっと盛り上げたりとか。あと、海外も好きなので、コロナが落ち着かないとできないですが、外国の方を対象にしたイベントとかも、観光地ではなくて日本人のリアルな生活を見てもらうのも面白いかなと思って参加しました。

角屋:すごいですね。ちなみに、僕が参加した理由は「小杉湯の人気にあやかりたい」という一心でした(笑)。

まっつん:あやかりたい(笑)。でも、そこで出会った人たちと今でも一緒に仕事したりとか、すごいですよね。みむちゃんどうですか?

みむちゃん:私は1期の時から参加していて。銭湯がどんどん減っている現状があるけど、なくならないでほしいなと思っていて。まだまだ役に立てることはきっとあると思っていて、コツコツ続けていきたいなと思って参加してます。あと、今回の私のなかの裏テーマは、これだけ若い人たちで銭湯好きがいっぱいいるけど、Webが苦手な銭湯経営者とか経営者以外のコミュニティを持たない方たちは多分そのことを知らなくて。私はすごく感謝を伝えたいけど、多分「斜陽産業だし」みたいな気持ちでいる人もいると思うから。「こんなに銭湯好きがたくさんいるんだぞ」っていうのと、感謝を伝えたいと思って。銭湯経営者と銭湯好きを繋げていけたらと思ってます。

まっつん:ありがとうございます。なかじさん、いかがですか。

なかじ:あんまり明確なのはないんですが、入りは本当に「銭湯、サウナが好きだから」というところで。直接銭湯経営者の方からお話を聞けたりしているなかで、銭湯が減っていってしまっている現状はあると思うので、そこをうまく「銭湯✖️何か」とか、地元に根付いたところであれば、たとえば介護と合わせてやられているところがあるとか聞いていたりするので。あとは、いまの若い人たちが銭湯に行くという選択肢を広げていけるように。自分も営業職なので、ITとかには強くないのですが情報発信とかで何かしら携わっていけたらなと思ってます。

まっつん:ありがとうございます。では、あべともさんはいかがですか?

あべとも:私は完全にみむちゃんの影響ですね(笑)。会社でも、銭湯のものを作っていたりとかしていたので、それを見ててすごいなって思って。

まっつん:会社で作ってるの(笑)?

みむちゃん:はい(笑)。

あべとも:あとは、村田さんが番頭になったのも大きくて。もともと、地元には周りに銭湯なくて、引っ越して銭湯があるところに来て。部外者だから、あまり周りとの関わりがないんですよ。でも、銭湯ってコミュニティそのものじゃないですか。地元の方々が来ていたり、その井戸端会議を聞いているのが個人的に心の中でツッコミを入れたりして。最近は減っているご近所付き合いみたいなのを体感できるのが面白いなと思っていたのと、廃れている産業ではあるもののまだ人気なのかなって思っていて。サウナ人気もありますが、活路はあるのではないかなと。交流の場をなくしちゃいけないなと思いました。

あと、牛乳も結構廃れてきてまして(笑)。給食牛乳も、コロナで給食がなくなったりして大変だったりとか。全国各地に、地域の牛乳屋さんってあるんですよ。そういうところって、大手に押されて減ってきていて。その手助けになるために牛乳を扱えたら。牛乳と銭湯って、セットのイメージもあるので。瓶じゃないから、チューっと飲むしかないんですけど。そういうところで、銭湯も牛乳も盛り上がったら面白いなって思いました。

角屋:牛乳業界に、ビンvsパックがあるんだなと感じました(笑)。

まっつん:金春湯さんも、牛乳は置いてますよね。

角屋:置いてます。うちも近くの牛乳屋さんに頼んで配達してもらってます。

あべとも:ビンはサスティナブル的には一番良いんですよ。割れちゃうリスクはあるけど、繰り返し使えるっていう。でも、私が牛乳パックが好きなのは、すごくシュールなイラストとかがあるんですよ。地方のって。

まっつん:見たい!

(あべともが牛乳パックを取りに行くため一時離席)

一同:(笑)。

角屋:栃木のレモン牛乳とか。ローカルの牛乳って良いですよね。

村田:電車の絵のやつとかもありますよ、多分、あべとも持ってると思う。

角屋:1リットルとかではないやつですよね、ここで話しているのは。

あべとも:大きいのもあります。

まっつん:あ、でかい。電車だ!

げんた:どこのなんですか?

あべとも:これは京急と共同牛乳の、京急ストアのPB商品のコラボなんですよ。地方だと…コーヒー牛乳なんですけど、こういうのとか。これは滋賀だったり、大阪だったりとか。これは、前にみむちゃんに買ってきてもらったやつ。

みむちゃん:まだ持ってくれてたんだ。

あべとも:こういう不審なキャラがいたりとか、結構面白いんですよ。

まっつん:潰さずに保管してるんですね。嵩張りそう…

角屋:そうそう。いま、それ言おうと思ってた(笑)

みむちゃん:でも、立体の方が可愛いよね。

あべとも:糊がぎゅーっと留められていて、潰すと元に戻せないことが発覚して。これも滋賀…滋賀でいっぱい買ったんですけど。そもそものきっかけが東日本大震災で。関東の物流が途絶えて、九州から牛乳が入ってきて。ちょうど会社に九州の人が何人かいて、「これって、九州じゃメジャーなんですか?」って聞いたりとかして、「懐かしい!」みたいに会話になったんですね。それが結構面白いなと思って。全然知らないものが多いから、そこで懐かしさだったりっていうのを感じられるのかなと思って。

角屋:1軍とか2軍とか、あるんですか?

あべとも:1軍は我らが神奈川ですかね。タカナシさんです。でも、みんな私の中で同じぐらいです。

みむちゃん:あべちゃん、展示会できるぐらい牛乳パックを持ってるから。飲める牛乳と展示を一緒にしたら、楽しいだろうなって思った。

あべとも:(背景が牛乳パックのコレクションに)

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一同:おー!

げんた:何個ぐらいあるんですか?

あべとも:まず、実家に一箱あるんですよ。100あるのかな?

みむちゃん:前にZINE作ってたよね。

あべとも:はい。もう一回まとめ直そうとしてるけどね。

角屋:これ、絶対何かできるよね。ケロリンのコラボとかやってたじゃん、みむちゃん。同じノリでできるよね。

みむちゃん:ケロリンの場合、スポンサーがちゃんと入っててお金が回っていたからあそこまでできたけど、牛乳の場合はどこから集めたらいいんだろう。

角屋:全日本牛乳連盟みたいなのがあるんじゃないの?

みむちゃん:ちゃんとお金を回してパッケージ化できれば、金春湯でも小杉湯でもできるよね。

げんた:ケロリンの…っていうのは何をやったんですか?

みむちゃん:ケロリンミュージアムっていう…ケロリンを作っている富山県のPRということで、ある銭湯を貸し切ってアートにするっていう。ケロリンをもとに絵を描いたりとか、ケロリンでピラミッド作ったりとか、「映え」みたいな感じで若い子が来て写真撮ったりとか。

あべとも:いま、背景でも青森、新潟、富山、神奈川、長野、佐賀、岡山、兵庫…いっぱいいる。

みむちゃん:やるとしたらあれかな。10個ぐらい牛乳を選んでそれぞれ買いつけて、保管できて売り切れるぐらいの数で牛乳フェアをやるっていうことなのかな。

げんた:ご当地サイダーとかありましたよね、銭湯で。

まっつん:その牛乳バージョンってことですね。

あべとも:ネットでも一応売ってるには売ってたりもするんですよ。200ミリパックとか、1リットルの方が多いんですけど。そういうところで買って、1ダースとかで売ってたりしますし。

みむちゃん:せっかくやるなら、そこの売ってるところと連絡を取り合ってPRとしてやった方がお互いのためになる。

角屋:すごいなんか、パッと行けそうな気がするけどね。

みむちゃん:金春湯でやろうよ。

あべとも:牛乳は日持ちしないのがネックですね。

みむちゃん:言えば乗っかってくれそうな気もするけどね。

げんた:牛乳と混ぜてオリジナルドリンクにしたりとか。

まっつん:オロポ(オロナミンC+ポカリスウェット)のノリで(笑)。

みむちゃん:ミルメークみたいなやつ。

げんた:いろんな使い方ができそうです。

あべとも:私の場合、単純にデザインも含めて楽しんでほしいというのがあるかもしれない。

まっつん:かわいいですよね。

あべとも:私はタカナシを小学生の時からずっと飲んでて。給食の牛乳がタカナシだったんですけど、それと農協牛乳とか明治とか大手のしか知らなかったから。こんなに全国で違うもんかっていう、そこも楽しんでもらったら面白そう。ミルクマイスターさんっていうのをインスタで見ていただければ、その人とはつながりが若干あるので。

まっつん:何者なんだ。ちょっとあとで見てみよう。

角屋:でも、牛乳パックの展示会とか廃業した銭湯でやったら、人入りそうだよね。営業してるとこでも全然いいけど。

あべとも:前に話してたのは、小杉湯さんがミルク風呂をやってるから乗っかれたら面白いねって。

まっつん:たしかに。

みむちゃん:一時期、牛乳がダイエットに良いみたいなノリで流行った時があった気がしてて、それって新しい付加価値ができて流行ったみたいなところがあるから。「サウナの後に牛乳を飲むとこんなことがいい」みたいなことを言えたら、サウナと牛乳を繋げられそうな気がするんだけど。

あべとも:牛乳はいま下火で、理由は「小学校で牛乳を飲むのはよくない」みたいになって。「牛の乳を飲むのは身体的に良くない」みたいなことをいう人が出てきたりとか、ビーガンの人とかは飲まないないだろうし、アレルギーとかもあるから。

まっつん:ちょっとあれですね。牛乳について語る会はまた改めて、牛乳だけの会をしましょう(笑)。

最後に、村田さんからぜひプロジェクトに入ったきっかけと、金春湯で働くことになったきっかけを共有いただけると嬉しいです。

村田:もともと銭湯は身近なものではなくて。町田の近くの横浜で田舎なんですけど、銭湯が駅前にあっても全然行くような感じではなく。ただ、幼少期に東急線のスタンプラリーで久が原のところには行ってたんですよね。それでなんとなく銭湯が好きで行っていて、コロナになっていろいろ考えたときに番頭をやりたいっていう夢はあったんですけど。ふとした時にインスタを見ていたら金春湯のアルバイト募集を発見して、私もちょうどフリーランスで仕事したりしていたんですけど、いまだなと思ってそのタイミングで応募して、そしたら採用していただいてっていうのがあって。今回のプロジェクトはみむちゃんの紹介っていうのもあったんですけど。

私みたいに日常的ではなくても銭湯を身近に感じてた人もいれば、銭湯って特別なものだと思ってる人のほうがまだまだ多いと思うのと、小さいうちから銭湯に通うっていうのが特別な環境に今はなってるのかなと。でも、番台に座ってると小さい子とか家族でとかも来てくれてる人もいて、そういう人たちがどんどん増えていって、もうちょっと銭湯が生活に密接なものになっていけばいいなと思って。今はサウナブームなので、もちろんサウナも宣伝したいっていうのはあるんですけど、大きいお風呂で本当に老若男女、おばあさんから生まれたての赤ちゃんまで一緒の環境で裸で付き合うっていうか、いろいろ学ぶこととかも多いし。何となくあまりマナーとかルールとかって言いたくない…もうちょっとリラックスした環境であってほしいと思うんですけど、そういう場で学ぶこととか何か感じることってすごいたくさんあると思うんで。

そういうところがもうちょっと広めていくにはじゃあどうしたらいいかっていうところが私自身の課題でもあるので、この場を通して皆さんの意見を聞きつつ深堀りできたらいいなっていうのと、もともとものづくりをしているので、その技術とか経験を生かして銭湯のグッズだったり、何かできたらいいなと思って参加させていただきました。

まっつん:ありがとうございます。すごい熱い思いが…角屋さん、長時間ありがとうございました。新しい再興プロジェクトを引き続き応援いただければと思います。僕らも金春湯を応援していますので。

銭湯を継ぐ人を増やすために

まっつん:今日お話をしてみて、最後にコメントがあればいただいてもいいですか?

角屋:そうですね。やっぱりちょっと牛乳パックの印象はすごく強かったのと(笑)。

第一回の再興プロジェクトに入ってて、一応オンラインサロンっていうくくりだったんですけど…オンラインのことなんてほとんどなくて、実際はオフラインでみんなで会ってやってたんですよ。いまってなかなかそういうやり方が難しくて、本当にオンラインサロンになっちゃってると思うんで。

そういう状況ですけど、皆さんのような銭湯を応援してくれている方々の力って本当に強くて、僕も同世代で銭湯好きな人がこんなにいるんだという事実に励まされて継ごうって思ったので。なんかちょっと難しい状況ではありますけど、いろいろ試して続けてもらえたら嬉しいなと思います。そういうふうに若い人がいろんなことをやってると、多分継ぐ人が増えると思います。数を減らすのを止めることができるんじゃないかなって思ってるんで、一緒にいろいろできたらなと思います。

まっつん:はい、よろしくお願いします。めっちゃいい話。最後にせっかくなんで集合写真を、顔出していい方はそのまま…NGの方は言って頂ければ後で顔にスタンプを押しておきます。

角屋:これ、あべさんの背景はこれでいいんでしたっけ?

あべとも:(牛乳パックに)戻しますか?

村田:そっちのほうがいいですね。私もクラフトビールのにしたい…

まっつん:はい、撮りますよ。

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では、1時間40分ありがとうございました。また来月も別のオーナーさんとお話しできるかなと思ってますので、引き続きよろしくお願いします。角屋さんも、よければ参加いただいて。では、ありがとうございました。

一同:ありがとうございました。


開催日:2021年2月13日
執筆・編集:げんた、たにもと、まっつん
バナーデザイン:みむちゃん


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