君の全生涯を心に思い浮かべて気持ちをかき乱すな
「君の全生涯を心に思い浮かべて気持ちをかき乱すな。どんな苦労が、どれほどの苦労が待っていることだろう、と心の中で推測するな。それよりも一つ一つ現在起ってくる事柄に際して自己に問うてみよ。『このことのなにが耐え難く忍び難いのか』と。まったくそれを告白するのを君は恥じるだろう。つぎに思い起こすがよい。君の重荷となるのは未来でもなく、過去でもなく、つねに現在であることを。しかしこれもそれだけ切り離して考えてみれば小さなことになってしまう。またこれっぱかしのことに対抗することができないような場合には、自分の心を大いに責めてやれば結局なんでもないことになってしまうものである。」(マルクス・アウレーリウス(121-180)『自省録』第八巻、三六、p.154、[神谷美恵子・2007])
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