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新R25の記事が「読みたくなる」理由 ━ タイトル、ビジュアル、文章表現から考える 【sentence LABO #1】

2020年1月末、オンラインイベント『sentence LABO』を実施しました。記念すべき第一回の様子をお伝えしていきます!

書くを研究する場『sentence LABO』

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sentenceでは、「書くを学び合う」ことを大切にしています。誰かから正解を習うのではなく、互いの視点や知見を生かして私たちなりの解を発見できるコミュニティにしていきたい。このような想いから、「書く」に関する学びを生み出す場として『sentence LABO』が始まりました。

毎回テーマを設け、ライティングに関して学びのあるオンラインイベントを実施。プロのライターが書いた記事や人気のメディアから、執筆の参考にできる学びを抽出していきます。

第一回は人気Webメディア「新R25」が読みたくなる理由を分析!

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https://r25.jp/

今回のsentence LABOでは、Webメディア『新R25』を取り上げました。仕事の役に立つ情報がおもしろい切り口で紹介され、日頃からtwitterなどソーシャルメディアやYahoo!ニュース上で見かける機会の多いメディアです。

今回は20代〜30代のビジネスパーソンを中心に多くの読者から支持を得ている新R25*から、「読みたくなる記事」のポイントを紐解いていきました。

* 読者の41%は25〜34歳。また38%が正社員(管理職以外)(媒体資料より)

イベント前に新R25の記事をそれぞれ5記事を選んでもらった上で、イベント当日にオンラインで記事の感想や気づきをシェア。タイトル、ビジュアル、文章表現といった項目から、新R25の記事を特徴づける要素を抽出していきました。

sentence LABO「新R25」

記事を読んだ気づきをオンライン上で共有

参加者のみなさんと話を進めていく中で、飽きずに読まれる記事のヒントとなりそうなポイントが浮かび上がってきました。キーワードは、インパクトのあるタイトル、モバイル読みを強く意識した文章デザイン、インタビュー現場にいるようなライブ感。これらの要素が記事の読みやすさ、おもしろさに繋がっていると考え、分析を進めていきました。以下、分析結果の一部を抜粋して紹介していきます。

読者の「予測」が捗るインパクトあるタイトル

・問題提起、解決のヒントが描かれている
・一般論とは逆をいく概念を主張
・旬なインタビュイーの名前を挿入

「タイトルで記事が読まれるかどうかが決まる」とはよく聞く話ではありますが、新R25のタイトルへの徹底したこだわりを参加者全員が共通して感じていました。

特徴の一つは、タイトルで問題提起とその解決策の一端が垣間見えること。世の中のビジネスパーソンがどのような課題感を抱え、それに対して記事の中でどのような解決策に出会えるのか、タイトルでおおよそ予測できるようになっています。1分たりとも時間を無駄にできないビジネスパーソンに、自分に関わる問題として興味を持って記事を読んでもらえるのでしょう。

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また、取り上げるテーマや著名人に対し、一般的に抱かれているイメージとは反対の言葉を入れているのも特徴です。読み手の期待をいい意味で裏切り、読者が「なんで!?」と驚くタイトルになっています。

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このように、タイトルの時点で読者がおこなう「予測」を生かし、期待する回答が得られると判断できる言葉を入れたり、反対に予測の逆をいく言葉を入れることで読者の目を引いているのではないでしょうか。

スマホでサクサク読める文章デザイン

・スマホの一画面に会話が収まるコンパクトさ
・Q&A形式によるリズミカルな会話
・文章に疲れるタイミングで写真挿入

新R25の記事を一目見て気がつくのは、文字が多すぎず、飽きないデザインであること。スマホで記事を見ることを大前提に、軽やかに読み進められるデザインに統一されています。

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新R25の記事の大きな特徴といえる、インタビュイーとインタビュアーの間でおこなわれるQ&A形式の会話。展開一段落あたりの文字数はおおよそ100〜150文字程度で、スマホの一画面に会話が収まるケースが多いことに気がつきます。リズムのよい会話が続いていくので、内容が頭にすっと入ってきます。

また文章に疲れてきた頃に写真が入ってくるので、全体の文章量、情報量は多くてもあっという間に読み進めることができます。

インタビュー現場にいるようなライブ感

・インタビュイーが読者の”ツッコミ”を代弁
・インタビュイーのほどよい相槌、要約
・インタビュアーのキャラクターを生かした言い回し

新R25らしさを形づくる大きな要素として挙げれらたのは、ライブ感。読者である自分がまるでインタビュー現場にいるようにな錯覚を覚えます。その理由は、インタビュイーが読者の疑問やツッコミを代弁してくれているからではないかと考えました。

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また、インタビュイーのキャラクターが全面に出た言い回しも、ライブ感を形成する一つの要素。書き手が編集しすぎず、インタビュイーの持ち味を生かすことが新R25の方針として重視されているのかもしれません。

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メディアの分析を終えて…

新R25の分析を終え、参加者のみなさんから「他の人がどのように記事を読んでいるのか、自分以外の視点を知れてよかった」と感想をいただきました!

一つひとつの記事を読み込むことによって、メディアの特性を知れるのはもちろん、どのような点が読みやすいと感じるのか、反対にどこに違和感を持つかなど、読者視点に立ち戻って記事を見つめることができました。

以上、sentence LABO第一回目のレポートでした。sentenceではメンバー同士で書くに関するイベントを今後もおこなっていきます。「読者視点を得て、自分の執筆に生かしたい」「これまで記事を書いて得た学びを還元していきたい」という方も大歓迎です。

sentence LABO第二回目は、原稿のフィードバック会「YMO」を実施します。「Y(佳き)・M(モヤっと)・O(推して参る、改善ポイント)」という3つのポイントを軸に他人の原稿を読み進め、それぞれが執筆に活かせる学びを発見、言語化していきます。

▼ 原稿の相互フィードバック会「YMO」とは?

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