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「和製ズミクロン」を旧いカメラから取り出し Fujica35-EE

富士フイルムが1961年に発売したシャッター優先EE距離計連動式カメラ
このレンズが性能のよいとのことで、入手してみました。

当時の広告
SEIKOだけでなくCITIZENもシャッターを作っていた
レンズの中に羽根式のシャッターが組込まれている
1/1000秒が誇らしい
ネオクラシックな外観

絞りをAUTOにすると、シャッター速度優先で絞りが自動調節されます。

絞りAUTOに設定すると、レリーズボタンが飛び出す
フィルム巻上げはなんと底面に
巻戻しクランクは左側面にある珍しい形
背面右上のダイヤルは距離計

オークションで落札した個体は、シャッターの巻上げが故障していたので、噂のレンズを取り外してデジタルの世界に転生させることに。迷いも罪悪感も生じなくてよい。

『写真工業』という月刊誌で、レンズの解像力が検証されていて、このフジノンのレンズも俎上に上がっています。

『写真工業』1979年12月号の記事
(9段めのフジノンがこのレンズ)

このFujinon 45mm F1.9のレンズは、当時最高の解像力を誇ったleicaズミクロン50mm F2に匹敵する結果を出して、「和製ズミクロン」なんて言われるレンズのひとつになった由。(Fujica 35-EEもSEと若干デザインが異なるものの同じレンズです。)

取り外したレンズ

ピント調節を行うヘリコイドは独特の機構で移植しづらいため、使うのはレンズのみにしました。

レンズ部分に組込まれているシャッターの羽根が閉じている状態のため、シャッター羽根を取り除きたい。絞りを壊さないよう前玉側からアプローチしたけれど、固着している箇所があったので断念します。
仕方なく、シャッタースピードをバルブ開放に設定してシャッターを切った状態(シャッター羽根が開いた状態)のまま速乾のエポキシ樹脂で固定しました。

ここに落とし穴が…
絞りレバーとつながっているパーツの一部も一緒に固定されてしまい、絞りが調節不能になってしまった…(泣)

開放から写りがよいレンズとのことなので、最初から開放で使いたいレンズだったと思い定めます。
割り切りと諦めは人生の様々な場面で求められるもので、そのスキルは充分に身につけているつもりです。

組み込むまえに前玉と、
後玉をきれいに

デジタルミラーレスカメラで使えるようにするため、レンズのマウントをどうするか。

レンズの直径はφ52mmのフィルター枠より少し大きいくらい。ステップアップリングまたはφ52mmのフィルターを接着固定してから、さらにステップアップリングを介してヘリコイド付きのマウントアダプターを組合せれば、ピント合わせも可能になります。

ライカMマウントにできれば、色々なメーカーのカメラで使えるようになるのですが、フランジバック(センサー面までの距離)の短さから無理でした。

  レンズ + φ52mmフィルター
  φ52-42ステップアップリング
  m42ヘリコイドアダプター
  m42-nexマウントスリムアダプター

と組合せることで完成です。

こんな姿になります


試写

ぐるぐるボケ

Fujinon 45mm f1.9 (Fujica35-EE 改)
#オールドレンズ   #Sony #fujifilm #Fujica #fujinon #naturephotography

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