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不定期読書日記。


「思えば、孤独は美しい。」/糸井重里

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シンプルだけれど、難しいこと。
呼吸をするように、日々の営みの中で、思っていること。

ゆえに忘れてしまいそうな、さらさらしていて手のひらからするする零れ落ちてしまう砂のような、されどなくしたくない、たいせつなものを、言葉で掬い上げて、具現化してくれている、感じ。

ことばっていいなあと、思える。

高級フォアグラを味わって食べるかのように、ゆっくりと、言葉を咀嚼して噛み締めて、一ページ一ページを読んでいく。ページをめくるのが惜しくなる。

そんな、紙の本の良さが詰まっている。

本は、電子書籍で読むこともあるけど、気に入った本や装丁が素敵な本は、お守りのように手元に置いておきたいというこだわりがある。

それは、CDとかDVDも同じで、手元に”物”としてあることの安心感・充足感って、デジタルの便利さにはまったくもって敵わないよな~。


「悪口を言わないでいるうちに、悪口を思いつきにくくなるんだ。」

心に留めておきたい一文です。


「天然日和」/石田ゆり子

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本を読む前から、なんとなく"理想の大人の女性像"だった石田ゆり子さん。
チャーミングかつ気品があって、こんな風に年を重ねていきたいという憧れの存在であり、こんな風に素敵に年を重ねている女性がいるのなら、年を取るのも悪くないな、と未来を照らしてくれるような希望の光。石田ゆり子さんは、そんな存在だった。

そして、この本を読んで、ああ、やっぱり、素敵だ、憧れだ、こんな風にありたい、と、心の底から思えた。

そしてそして、うんうん、そうだよねえ、と、心の奥底から深く共感、共鳴した、彼女の内省の日々。

嘘がなく、真っ直ぐで、淀みのない文章は、まるで深海から汲み上げてきたミネラルウォーターのようで、たっぷりと潤いを与えてくれるような、透明感に溢れた彼女の綴る文章に全く惚れてしまった。素敵。何度でも読み返したい。


「Lily」

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こちらも石田ゆり子さん。

石田ゆり子さんの本を読んでることを会社の人にちょろっと話していたら、誕生日にプレゼントしてくれた。素敵な職場だ~。

天然日和同様、素敵なもので、こちらはペットや雑貨の写真が多くて、とっても癒される~。

宝物です。


「都会のラクダ」/渋谷龍太

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スピッツの草野さんがラジオで読んで面白かったと話していて即買いした本。

SUPER BEAVERが再メジャー契約に至るまでの紆余曲折の日々がユニークに綴られていて、自分が楽しいと思うことを夢中でやることがなによりも素晴らしいことだっていうメッセージを熱く感じて、ほろりしてしまった。

SUPER BEAVERは、予感という曲を延々と聞いて、この一曲にひたすらに支えられまくっていた時期があり、いつかライブにも行ってみたいなと思うバンド。

(そんなことを思っていたら、スピッツ主催のライブに出演するという!うわ~~~~~行きたいなあ!!)


「流浪の月」/凪良ゆう

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映画が観たくて、映画を観る前に原作を読んでおこうと思い読んでみた。

主人公は、過去の誘拐事件により世間から被害者としてみられ続け、「人は見たいようにしかみない」という先入観だったり身勝手な善意の中で、本来の自分を封印することでなんとか普通に生きようとするけれど、自分らしく居られない場所にい続けることは、苦しくて、息が詰まる。

ありのままの自分でいられる相手がたった一人でもいれば、人は強く生きていける、ということを、ひしひしと身に迫るように感じた。独りを忘れた世界では、もう一人では生きられないんだな。たとえそれが依存であっても、居場所。

最後は、救いがあってよかった。

そして、映画のほうもぎりぎり映画館に駆け込み観てきた。

なにより俳優さんが素晴らしかった。これぞ俳優!という感じの、表面的じゃなく、その人物の背景を感じ取れるような、役そのものに憑依しているような名演が素晴らしかった。

どのキャストもピッタリだったけれど驚いたのは横浜流星。ぽっと出のイケメン持て囃され俳優のイメージだったけれど、覆された!こりゃすごい俳優さんだ!

映像も、小説の雰囲気が見事に表現されていた。重々しく息が詰まりそうな孤独をしっかりと汲み取って映像に昇華していて素晴らしかった。


映像は、音楽と合わさることで、幾重にも表現の幅が拡がるから、映画と音楽は幸せな結婚をしたなーとしみじみ思った。

好きな映画には、必ず心に残る音楽がある。

音楽と相まって忘れられない映画体験になる。

これだから映画と音楽が大好きなんだー。


読書日記が映画への愛に脱線しかけたところで、

不定期読書日記でした。


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