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信州戦争資料センター展示会集成

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信州戦争資料センターは、およそ5,000点の戦時下実物収蔵品を生かすため、毎年テーマを定めて、それに沿った資料を選りすぐって展示しています。近年は長野県内だけでなく、遠くは北海道… もっと読む
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2023年「第7回展示会ー戦争だ!カネ出せ!モノ出せ!ヒトを出せ!展」ー戦争を遂行する側から庶民を見る視点で。

 2023年の展示会は「戦争だ! カネ出せ!モノ出せ!ヒトを出せ!」 をテーマとし、戦時下で国や軍が庶民にどんなことを強いたかを紹介しました。前年が戦争や軍を利用する側の展示でしたから、今回はそれを逆にして、為政者側からの視点でとらえてみました。会期は8月8日―13日の6日間で、代表がフルで会場の販売係、案内係をやっていました。  開催場所は恒例のギャラリー82で、信州戦争資料センターと公益財団法人八十二文化財団の主催でした。  戦争に必要なカネ。普段から戦争のための資金を

2022年「第6回展示会ー戦争トイウ流行」戦時を利用して大はしゃぎしていたのが、ますます戦争を後押しして

 新型コロナの流行がようやく収まりかけてきた、2022年、3年ぶりに7回目の展示会「戦争トイウ流行」を8月9日から8月14日まで6日間、ギャラリー82で信州戦争資料センターと公益財団法人八十二文化財団の主催で開きました。いつものごとく、入場無料でした。また、基本的に展示会場の展示物は撮影可能としてきたのが、当方の展示会の特徴です。  太平洋戦争で敗北し、軍隊が解体されるまでの大日本帝国では、軍隊が庶民の身近な存在でした。日清、日露の戦役で勝利し、そのたびに領土を広げて帝国主

2019年「第5回展示会ー戦争ト玩具展」は手作り作品や触って遊べる当時の品の複製品も展示、ポスターも3種類!

 第5回展示会は、2019年7月30日から8月16日まで、前の年と同じギャラリー82で開催しました。  戦前の子どもたちにとって、軍隊は身近であり、時にあこがれの存在でもありました。軍人の身内がいたり、日本軍の活躍が伝えられたり。そんな意識を見越してか、軍隊や戦争を題材にしたおもちゃもたくさんありました。この時は、日清戦争から太平洋戦争までの間に作られた玩具や絵本、紙芝居、雑誌の付録などを中心に、当時の長野県内の子どもによる作文や絵画も展示しました。  玩具は、子どもたちの

2018年「第4回展示会ー戦時下の信州教育展」開催。当時の学生を写真を中心に紹介し、AIの色付け写真にも挑戦

 信州戦争資料センターは、第4回展示会「戦時下の信州教育展」を2018年8月1日―8月19日に長野市の長野駅からほど近い、ギャラリー82で開きました。  前年のギャラリー82での展示「信州と戦争の時代展」の評判が良かったということで再び声をかけていただきました。これ以後、八十二文化財団と信州戦争資料センターが主催し、夏ごろギャラリー82で展示会を開くスタイルが続くことになります。  ちなみに、展示内容に関しては信州戦争資料センターに全面的にまかせる、開催時期や時間はギャラリ

2017年「第3回展示会」、テーマを分けて3回、それぞれ別会場でーさらに八十二文化財団のギャラリーでも展示と大車輪

 信州戦争資料センターは2017年、3回目の主催企画として「戦時下ノ空気展ー国策遂行に人々を動かしたモノたち」を企画しました。それも1-3期に分け、7月から12月まで長野市と阿智村の合わせて3会場にて、出品物を変えながら展示しました。  元々は1会場だけの例年通りの展示を予定していたのですが、さまざまなご縁から3会場に広がり、別に1つ展示会が増えました。独力ではできないことが、たくさんの人のつながりと、それぞれの熱意で実現できたことに感謝しております。そして自分も、どの会場を

2016年9月、第2回展示会「戦争×デザイン展」開催ー雰囲気の良い場所でしたが分かりにくくて…

 信州戦争資料センターは2016年9月2日ー4日、第2回展示会「戦争×デザイン展」を開きました。前年の展示会は1937(昭和12)年から1945年の戦争の時代を幅広いモノと証言でお伝えしましたが、ここでは戦時の「デザイン」を主題として選びました。  開催場所はライブなどにも使われていて、もともとは酒屋の倉だったのを改造したスペース「ギャラリー花蔵」でを選びました。日程は、9月2日午後2時ー6時、3日午前10時―午後6時、4日午前10時―午後3時と、なんとか中の人が会場にずっ

2015年7月、初の展示会「人が語るモノが語るー信州と戦争の時代展」を開催

 他の方の戦時企画におじゃまして得た経験を生かし、自分が伝えたいことを伝えられるような独自の展示会を開く気持ちが固まり、2015年が敗戦後70年の節目であることから、構想を練り始めました。まずは展示会場です。適度な広さで会場価格もお手頃で、人も来やすい場所として、さまざまな人の助言を頼りに、長野市の善光寺近くの中央通り沿いにある「かんてんぱぱ門前ギャラリー」で交渉することに。  相談に行ったところ、展示内容が分かるように社長に説明できるよう、企画書のほか、ブログを作ってほしい

戦場体験放映保存の会の「戦場体験百人展in長野」に参加し決意固まるー独自展示会前史・その2

 公益社団法人マスコミ世論の会、戦場体験放映保存の会(いずれも東京)による「戦場体験百人展in長野」が2014年の11月21-24日まで、長野市のトイーゴ「長野市生涯学習センター」を会場に開かれました(表題写真)。  主催団体はその名の通り、戦場体験者の証言を集めて後世に残すとともに、それらをパネルや映像、あるいは体験者本人の講演で伝える活動を各地で展開していました。長野市での「百人展」も、文字通り、これまで集められた大量の証言からえりすぐった証言100人分を、当時の写真や

初の本格的な対外活動は散々ー独自展示会前史・その1

 信州戦争資料センターを名乗って有志で展示会を開き始めたのは、戦後70年に合わせた2015年からですが、初めての本格的な対外活動となったのは、前の年の2014年8月13日、長野市内で開かれた30回目の「長野空襲を語る集い」でした。元々、収蔵品を死蔵しておくつもりはなく、何らかの形で生かしたいと思っていたこと、集いの事務局からの誘いもあったことで、展示と戦時下の防空指導の紙芝居実演を行うことになりました。  集い自体は、終戦2日前の1945(昭和20)年8月13日に現在の長野