マガジンのカバー画像

戦時体制下の教育

32
徴兵制を敷き、帝国主義陣営として外征の連続となる明治からの日本では、教育も天皇を軸とした「神の国」と教えられ、わけのわからない「教育勅語」を覚えさせられ、有無を言わさず軍事教練と…
運営しているクリエイター

2024年1月の記事一覧

対米戦争、もしやるならばーと政治家の覚悟を問うた山本五十六の手紙、真意理解せず学…

 1943(昭和18)年7月、国粋同盟総裁で衆議院議員の笹川良一は、1941(昭和16)年1月24日に…

「日本ヨイクニ 神ノクニ」であることを説明し、万世一系の天皇を示した掛け軸ー権威…

 「暴支膺懲」の掛け声で始めたものの、先が見えなくなった日中戦争。それでも戦争の成果を上…

将を射んと欲すれば、まず馬を射よ、ということかー子どもに国債・簡易保険宣伝の真意

 1937(昭和12)年7月に日中戦争が始まりましたが、当初の「3か月、長くても1年」という、…

戦時下の子どもたちに皇国史観を教えたのは、教科書だけではありませんー絵本だってこ…

「日本ヨイ國」と題したこの絵本、岩手県出身の金子重正氏の作・画となっています。発行は1941…

主婦之友の付録も「御国の為」にあふれー1939年1-5月の「愛国絵本」を見る

 戦前の婦人雑誌で一番売れていた主婦之友は、日中戦争下の1939(昭和14)年1月号から5月号…

教育勅語? そんな過去の亡霊は、もういらないね

 最近、教育勅語を職員研修に使っている首長がいると聞きました。まあ、ものごとを知らないか…

軍事教練必須の戦時下中等学校の運動会で、呼び物は大模擬戦ー日中戦争下の諏訪中学校は「漢口最後の総攻撃」

 第一次世界大戦後、近代的な戦争は国を挙げての総力戦となることが自明となりました。少なくとも、戦争はより規模が大きくなっていくとされる中、大日本帝国では、潜在的な国防能力増進のため、各種の学校に現役の陸軍将校を配属させ、学生に基礎的な軍事教練を施す体制が1925(大正14)年の勅令「陸軍現役将校学校配属令」によって固まりました。背景には、宇垣軍縮に伴う将校の就職先という観点と、学内での教育の監視という側面もありました。  長野県内でも、各種中等学校や師範学校などで教練が行わ