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アトピー性皮膚炎と尋常性乾癬治療の湯質選び

今まで私は「源泉掛け流しとは」や「肌に合う泉質の違い 」、「湯船の構造」等の温泉のノウハウ的な内容を記事にしておりましたが、今後は表現に規制が出るとは思いますが温泉の効能について記事にしていこうと考えております。

そこで基本となる私の考える「温泉」の本来の姿としては、

1.塩素使用はNG
2.鮮度の良い源泉掛け流し
3.充分な掛け流しが出来る湯量
4.温泉の成分と成分量が重要 

この4つの内容を分析すると、あることと関連することに気づかされるのです。

1.塩素使用はN G →皮膚疾患者
2.鮮度の良い源泉掛け流し →酸化前の湧出したてが効果有り
3.充分な掛け流しが出来る湯量 →浴室内細菌感染を防ぐ
4.温泉の成分と成分量が重要 →特定した成分の基準量が疾患に効果有り

もうお気づきになられた方もいらっしゃるかと思われますが、
私が考える「温泉」は、尋常性疾患とアトピー性皮膚炎を患っている方が治療するためのお湯を選択するのに利用できるのではないかと考えたのです。

また先日久しぶりに自宅の庭を施工して頂いた方とお会いしたのですが、皮膚疾患が辛そうだったので何かそのお役に立てないものかと思ったのも記事を書くキッカケとなりました。

そこで日本・海外でのアトピー性皮膚炎の患者数を把握すると

【現状の疾患数の患者数の把握】
 
海外のアトピー性皮膚炎の患者数は約2億3000万人  全体の約0.03%
日本のアトピー性皮膚炎の患者数は約50万人   全体の約0.004% 
(尋常性乾癬はアトピー性皮膚炎の約1/5ほどの割合)
 
【海外での疾患者の割合が多いと思われる理由】

・海外ではアトピー性皮膚炎には中性のゾール泉(強塩泉)での治療(緩和
 性泉)が主流となり、日本のように重症者向けの温泉治療(緊張性泉)と
 いった治癒を目指すものではない
・海外では湯船に浸かる(全身浴)という概念はなく入浴はシャワー入浴が主
 流となる
・海外の泉質のPHは中性がほとんどで、酸性やアルカリ性といった概念すら
 持っていない
・海外での入浴温度は36度~40度で、日本のように高温泉での殺菌効果を期
 待するという入浴概念がない
・海外では温泉療法に於いて飲泉が主流となり、症状別に泉質を選択して入
 浴するという概念がない
・温泉療法よりも一般的な医療治療の方が費用かかるため、費用負担も海外
 でのパーセントが高い理由の一つにあげられる

全体の人口からみた海外と日本での疾患の患者数の割合の違いは、世界でも類を見ない自然遺産ともいえる日本の温泉の泉質の多様性と入浴習慣によりるものであり、軽症の段階で温泉療養による治療の影響もあるものと考えられます。

以上のことから海外ではアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬の治療には「温泉」を利用するという概念すらもっていないのが現状です。

つまり海外では日本の全身入浴と症状ごとの泉質別の入浴を知らないでいることが分かることから、私たちは海外のアトピー性皮膚炎と尋常性乾癬の問題に悩む患者に向けて、その疾患から解放に導くという使命感を持ちながら、日本の温泉療法の手法としての「湯治」や「症状別に泉質を選択した入浴」を海外の方々に知っていただくことで広めていきたいと考えるものです。

そこで皮膚疾患となる尋常性乾癬とアトピー性皮膚炎の症状は似ているようにも思えますが、効果が期待できる泉質の視点で見た場合は別のタイプに分けられます。

そしてその疾患の一般的に言われている原因としては、セラミドの減少による皮膚の乾燥とバリア機能の低下という説もあるのですが、それだけの要因でもないのかもしれません。その治療としては北海道の豊富温泉が群を抜く効果が調査により分かっているのですが、疾患と症状の程度に泉質の基準を作ることにより、豊富温泉の効果に出来るだけ近づけたいと考えております。

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