日本先進会の財政解説シリーズ①なぜ政治を考えるためには、まず財政について考えなければならないのか?
こんにちは。今回から複数回の記事に分けて、「日本先進会の財政解説シリーズ」を書いていきます。
YouTubeの動画でもお話しした通り、日本先進会は12月に本を出版する予定であり、その中で政策やその背後にある考え方をできるだけ詳しく説明するのですが、財政については十分には書ききれていない部分もありますので、noteでより包括的に書きたいという趣旨です。
まず一つ目は「なぜ政治を考えるためには、まず財政について考えなければならないのか?」ということです。
その答えは単純で、全ての政策には財源が必要だからです。政治に限らず、全ての社会活動にはお金が必要ですよね。お金を支払うことができなければ人々は働いてくれませんし、エネルギーや原材料を使うこともできず、社会活動は成り立たない。それと同様に、財源がなければ、どんな政策も実現することはできません。
1990年代以降、日本の政治が停滞してきた大きな原因は財政でした。高齢化によって医療や介護などの社会保障費が増える中、経済がなかなか成長しなくなった日本では税収が増えず、政府は毎年のように、財政支出と税収の差額分を国債発行によって補ってきました。これが「財政赤字」です。そしてその結果、国の経済規模に対する国債発行残高は世界最高水準まで膨らんだのであり、「日本は借金まみれだ。このままでは国が破綻する」と言われて久しいのです。だからこそ、「新しい政策を実現するための財源はない」ということになり、日本の政治は停滞してきたということです。
ただ問題は、「日本は借金まみれだ。このままでは国が破綻する」という理解が正しいのかということであり、結論としては、正しくないのです。日本の財政は破綻寸前などではありません。だから本来、財政が原因で政治が停滞してしまうのはおかしいのです。
ではなぜ、日本の財政は破綻寸前などではないと言えるのか。これについては、この「日本先進会の財政解説シリーズ」で丁寧に説明していきたいと思います!
とにかく今の日本では、政治家の間で財政に関する認識がバラバラになっていることが大いに問題です。
たとえば山本太郎氏が率いるれいわ新選組は、「財政支出さえどんどん拡大すれば日本経済は復活する!」というようなことを言っていますが、それは間違っていますし、多くの日本国民も「そんなのおかしいでしょ」と思っているはずです。今の日本では国債によって財政支出を拡大することは絶対に必要なのですが、「それだけ」では短期的には問題ないとしても、中長期的にはいずれ限界がやってきます。そんな財政政策は無責任すぎるのです。
一方で、自民党や主要野党は、「日本の財政の真実」を明確に認識することから逃げ続けています。その結果、国債によって財政支出を十分に拡大するという合理的な道を選択することができず、国民の生活を守るための政策も、中長期的に日本の社会経済を強くするための政策も、どちらも不十分になってしまっているのです。
今の日本に必要な政策を徹底的に考えるためには、まずは財政について理解しなければなりません。日本先進会は、みなさんからの質問にもできるだけ丁寧にお答えしながら、「財政の真実」を説明していきたいと思います。
(続く)
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