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向田邦子の手料理

今月の食の本

『向田邦子の手料理』

向田 和子(著/文 | 監修) 講談社(編集)
発行:講談社
B5変型判 131ページ

思い返せば、私の人生に多大なる影響を与えた一人。
向田邦子先生。
心の機微。
心のひだの深さを感じる人間模様。
それを慈しむ眼差し。

料理という世界観も
器の楽しさも
うまいもの「う」のものをためることも。
今、人生に欠かせないと思っているお楽しみは
20代のころに読みふけった
向田邦子先生のライフスタイルによるところが
かなり大きいのだと
今振り返ると思います。
昭和から受け継がれる味が再現出来て
とてつもなく優れた料理本なのだけど。
ずっと読みたくなるのは何故かって
向田邦子先生の「生きた気配」がちりばめられてるから。
食にまつわるエッセイや
写真や記憶のかけらが
なにより垂涎なのである。
向田邦子先生がそこにいた空気を
写真や文章から感じ取っては
イメージをつなげる。
私は無性に昭和が好きなのだけど
今はここにはない世界への
想像旅行を楽しんでいるのかもしれない。
愛してやまない本はあまたあれど
段ボール箱のみにしなさい!という指令が出たときにも
絶対に残す一冊。
料理好き、エッセイ好き、器好き
後悔させない一冊です。


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