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赤と青とエスキース

『赤と青とエスキース』

青山 美智子 (著),
発行:PHP研究所

人と人とが出会い、心を寄せ合い
思いが通じ合って、結ばれて、
めでたしめでたし、、、で終わらないのが人生。
そこから先もふたりの関係は続いていくし
続けていけなくなるかもしれない。
でも、やっぱり恋はするものではなく
落ちるものなんだろうなあと思うのです。
それが、激しく燃え上がるような恋だったとしても
一見穏やかにみえるような恋であっても。
もう、恋に落ちたら理屈ではなく
離れられない。。

この小説は、とある絵画を軸に紡がれる
連作短編集です。
恋のお話だけではなく、仕事や師弟関係
青山さんらしい、ああ、頑張ってきてよかったなぁ
いや、頑張るというよりは、自分に誠実に生きてきて
よかったなぁと心に沁みる物語。
たくさんの伏線があるので、多くは語りません。
ただ、縦の糸のようなストーリー
横の糸のようなストーリーが偶然のようで
必然に織りなし、この物語をつくっています。

先月紹介した『みとりねこ』で
猫は人とは違う時の流れで生きているという
話をしましたが、絵画もまた人が生きられないような
長い年月在り続けて、様々な物語を生み出します。
いろんな時間軸と世界の重なりを感じられて
素敵だなあと思いました。
そうそう、以前紹介した『みとりねこ』や
『にゃんこ四字熟語辞典』を手に取ってくださった
猫好きの皆さま、このお話にも猫がちょっとした
キーマン?キーキャット??(笑)として
登場しますよ!お楽しみに。

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