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アス飯レシピ アスリートの体をつくる、おうちごはん

今月の食の本

『アス飯レシピ アスリートの体をつくる、おうちごはん』

山瀬 理恵子(著)
発行:京都新聞社
21 x 14.8 x 1.2 cm

料理研究家であり
元日本代表山瀬功治選手の22年(…!)のサッカー人生を
今なお、食や持ち前の存在の明るさと生命力で支え続けている
山瀬理恵子ちゃんの本。

尊敬してるし、とても大切な彼女は
同志のような存在。
本と書いたのは
これはいわゆる「料理本」のカテゴリーなのだけど
その枠には決して収めることができないから。

載ってるレシピはどれも
家にある少ない材料で作れて
調味料も工程も少ないのが最大の魅力。
それでいて、身体作りにベストなように
沢山の学びの中から組み立てられて作られているから
もうこんな本は、ほかにないくらいすごいと思う。
ある意味で彼女はアルケミスト。

そして京都新聞連載時のエッセイ部分も
これだけで1冊の価値があるほど。
引き込まれる。
アスリートの妻であること
様々を引き受ける覚悟と
それでも色々味わうその時の感情について
心の機微をとても美しい文章で
まっすぐに書いている。
いつでも泣いてしまう場所が
いくつかあります。
豪快さ、察知する本能的鋭さ
実直で、掛け値なく、とんでもなく愛が大きくて
野生的で力強くいながら
みずみずしい文章力と表現力を併せ持つ
そんな理恵子の魅力がつまっていて。
自然の中で幼少期を過ごしていた理恵子ならではの
根幹の太さ、こころのひだの深さ
ひとことでいうなら「人間力」
読んでいるとそれが
ひとつひとつのことばとともに
流れ込んでくる感覚になるから
この本はすごいのです

一生ものの料理本であり、とある人生の書です。

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