We're all strangers when we first meet, but who knows what kind of music we might make together?

2023-2024 年跨ぎに寄せて。
【今年読んだ本】『人間がいなくなった後の自然』カル・フリン

廃棄物による毒化、放射能汚染、戦争、自然災害、砂漠化、経済崩壊…人間が見捨てた場所を筆者は巡り、そこで「人間がいなくなった場所では、自然が回復、新生する」ことを目の当たりにする。
人間がいないからこそ、自然はその回復力によって、逞しく奇妙で有用性の高い生命を生み出し、植物や動物が力強く再生し、新たな生態系が新生していた。
人間による作為や破壊を超越した自然の復活、蘇生の姿には、神秘性や霊的驚異さえ感じさせるが、その地は多分私たち人類を優しく迎えてくれる安住の地ではない。

早晩、日本に限らず世界的に人口は減少へ向かい、人口爆発を賄うためにあつらえられた人間の生活、生存の営み、コミュニティは、廃墟となっていくだろう。しかしその先にある人類の滅亡は、むしろ自然にとっては本書で語られてきたような、生命の再生と誕生を意味する僥倖を意味するのかもしれない。

教育の場でも滅びゆくものと、新生していくものとが、より明確に、そして不可逆的なものとして実装されていく、2024年はそんな年になるのだろうと思います。

私自身これまでも、
「正解のない問い」「パフォーマンス課題」「答えを教えない・指導しない授業」「アンラーニング(学びほぐし)」「インストラクショナルデザイン」「リーディング・ライティングワークショップ」「非連続テキストを『読む』『見る』授業」「間テクストを渡る高次の読み」などなど…
やりたいことと、やるべきことと、やれることと、やれないことと、やれてないことと、もとめられていることと、できることと、できないことと…迷うことばかりです。

折り合いをつけようとするのも、それはそれで、生徒・学習者を「見ていない」「そぐわない」「向き合っていない」とお叱りを受けることからも逃れられず、行き届かず、申し訳ないことばかりです。

「やりたいこととやるべきことが一致する時、世界の声が聞こえる」
(『STAR DRIVER 輝きのタクト』https://www.star-driver.net

なんとかして、世界の声を聞きたい。

行動する、ジタバタする、じっとしていられない。何かないかと探しつづける。そして自滅する双子座のA型。
ここは、ぐっとこらえる。
なりゆきに任せる、ありさまに委ねる。
老荘思想のいう「無為自然」、なりゆきにまかせる「顺其自然」。
これが来年のテーマです。

そんなことを思う2023年の年末。本年もひとかたならないご交誼をいただきました。心からお礼を申し上げます。ありがとうございます。
来年2024年もお世話になります。なにとぞご指導ご鞭撻お引き立てのほどお願い申し上げます。

みなさま、良い新年をお迎えください。

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