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【決算書のポイント】別表5

 梅雨明けが待たれる頃でございます。皆様お健やかにお過ごしでいらっしゃいますか。
 さて今回は別表5の1なのですが、前期の数値と今期の数値の橋渡しをする役割を持っており、法人性申告書におけるBSと呼ばれることがある内容になります。できるだけ簡潔にポイントを説明していきたいと思います。


☆別表5の1は前期の別表5の数字を引き継ぐ

  ここの別表5の1のポイントは前期の繰越利益や前期の法人税、地方税の納付状況などが今期末に繰り越されていく表であるということです。
 また資本金の移動などが期中にあった場合もその内訳移動が出てきますので、その点も簡単に説明させていただきます。

☆法人税別表5の1のポイント


一般的な法人税別表5の1

1. 繰越利益他

 こちらには前期の別表5の1の一番右側の数字が引き継がれてきていますので、お手元に決算申告書がある方は比べてみてください。

2. 今期末の未払い事業税他

 この数字は来期に引き継がれる数字が記載されています。事業税の数字がここには入っていますが、次回お話しする別表5の2の数字が連動してくる形になります。

3. 繰越損益金

 この数字は前期の貸借対照表上の繰越損益金が入ってきます。前期の決算書の数字と比べてみてください。また上記と同じく前期の別表5の1の一番右の数字がこちらに引き継がれています。

4. 当期繰越損益金

 こちらは重要で、今期の貸借対照表上の繰越損益金が記載されています。ここで決算書の数字と別表5の1の数字が連結しているのです。

5. 納税充当金

 前期の決算書で記載されている貸借対照表の負債の部の納税充当金(未払い法人税)がこちら記記載されています。

6. 未払い県民税、未払い市民税

 前期末に確定した法人税の県民税、市民税が記載されています。きっと前期は赤字だったのか均等割り部分のみ(一般的に県民税は2万円、市民税は5万円)が記載されています。均等割りの金額は資本金に連動します。
 ここでは下記に書いてある通り資本金が1000万円なので均等割りは上記の金額になるという認識で大丈夫です。(赤字の会社で資本金1000万円以下だとかかる税金は県民税2万、市民税5万円)

7. 今期末未払い法人税、未払い県民税、未払い市民税

 今期は利益が出たのでしょうか、未払い法人税、未払い県民税、未払い市民税が計上されています。こちらの数字も次回説明する別表5の2の今季確定税額と連動している形になっているので見てみてください。

8. 資本金

 前期末の資本金が記載されています。前期の決算申告書の資本金の金額と比べてみてください。一致しています。

9. 今期末資本金

 こちらは移動がなければ(増資や減資)がないので今期末の資本金が記載されています。前期と同じ金額になっています。


 上記の様に別表5の1は前期の書式の数字を左の列の数字がすべて引き継いでいる形になっています。また一番右の数字は来期に引き継がれる数字になります。
 また上記4番の繰越利益に関しては決算書の貸借対照表の繰越利益と一致するのでここは重要です。比べてみてください。
 別表5の1に関しては別表4のように税額に影響を与える表ではなく、確定した税額が来期に引き継がれる形で記載されています。
 上記の様に前期から今期、今期から来季へ引き継がれる数字が記載されることもあるため、税務申告書上のBSと言われています。

  別表5の2のご説明は上記の様にさらりとした形になりますが、皆様も決算書を見られることがあればそのつながりを見てみてください。なるほどと思うことと思います。ご拝読いただきありがとうございました。


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