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歩道橋(3)

「俺が一人暮らしをしている理由は、両親の浮気と離婚だよ……最初にあの女が十年も付き合っていた男との間に子供が出来て、それで離婚になったんだけど父親の方にも付き合っていた女がいたって話しだ。両方共に再婚するから、俺は邪魔だった訳だ」

「そんな……酷い」

「そう言う訳だから、二人から金をもらってここに一人暮らしをしているんだ……結構ショックだぞ?どっちにも要らないって言われるのって」

ふと黙った貴文の方を見たらボロボロと涙を流している、俺はギョッとしながら

「変な奴だな、お前が泣く話しじゃないだろ?」

すると貴文はおれの首元に抱きつきながら、

「僕はずっと先輩の側にいますからね!要らないって言っても離れないから!!」

俺が何も言わず頭をポンポンすると、貴文からキスをされた。結構濃厚なキスで理性が吹き飛びそうになった所で貴文は離れ、

「僕、卒業したら先輩と一緒に暮らしたら駄目ですか?」

と真面目な顔で聞いてきた。

「その頃には、貴文も好きな奴が出来るだろ?無理して俺の側に居なくたって」

「僕は先輩が大好きです!先生を好きだった時よりもずっとずっと」

「貴文……」

貴文の細い身体を抱き締める、又唇が重なり合う。

「先輩……僕お腹空いちゃいました」

グゥ〜とお腹がなった、俺は笑いながら

「じゃ、最初は腹ごしらえだな!チャーハン作るか?!」

「はい!」

俺が慣れた手つきでフライパンを振り始めると、

「わぁ〜、先輩上手ですね!」

「その代わりあんまり具は入って無いからな?皿出してくれるか?」

その後二人で一緒に食事をした、そう言えば貴文の家の事は聞いた事が無いな。

「貴文ん家はどういう感じなんだ?親は?」

「あ〜、家は母親と二人暮らしなんですよ……」

嫌に歯切れが悪い回答、何かあるのか?

急に貴文のスマホがなった、着信の画面を見て明らかに顔色が変わった貴文は、

「先輩すいません!まだ居たいんだけど母親から電話来ちゃって……又来ます」

「お、おお……」

あやふやな笑顔で帰って行く貴文を見ながら、アイツはアイツで何か抱えてるのかもな……と思いながら食事の片付けをしていたら今度は俺のスマホがなった。相手は気のおけない悪友だ、

「なんだよ、珍しいな電話なんて。お前なら居ても居なくても俺ん家上がり込んで来るじゃねぇか」

「あぁまぁちょっとな、変な事を耳にしたんだけど。例の後輩は?」

「帰ったよ、家から電話がきてな」

「そうか……驚かないで聞いてくれよ?その後輩、母親と出来てるって噂があるらしい。本当はどうなんだか、今確かめてるからお前は普段通りにしてろよ。じゃあな」

貴文が……母親と……?

続く……

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