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ブルックリン物語 #75 「L-O-V-E 」

ブルックリンの景色を見渡すと、ずいぶん街が開いてきたなあと思う。肺の奥まで新鮮な空気を吸い込むと、マスクをしない日常が戻ることの喜びを噛みしめる。

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until “Letter to N.Y.”
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ここ数ヶ月、この意識が変わった。少し前まではどちらかと言うと「マスクをしない!そんなことして本当に大丈夫なのかな」と疑心暗鬼がどこかにあったからか、オフマスクでもおおっぴらにそれを楽しめなかった。

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おそらく人間とは学習の生き物なのだろう。細かい小さな設定でのマスクをしないことへの慣れが「安心」を生んでいく。もともとマスクをすることには本来の感染防止の意味もあるが、他人にきちんと感染防止対策をしていることを知らせる効果もあったと思う。

だから夜中にゴミを出そうと外へつっかけで出るときは、マスクなど必要ないのに「誰かと万が一でもすれ違ってその時していなかったら相手にどう思われるだろう」という気持ちがあったことを今は素直に認められる。

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今年1月に新しい家へ引越した。当時はまだ感染への恐れが辺りを覆っていた。その頃に僕は1回目のワクチンを受けた。前住んでた場所がひどい時はホットスポット70%の罹患率だったので、普通よりもうんと早くワクチン接種の知らせが来たのだ。

「時間通りに来てくれ」と言う注意があったにも関わらず、いざ翌日行ってみると、老若男女の長い列が出来ていて現場はパニックだった。「コンピューターがぶっとんだから今しばらく待ってくれ」と言うアナウンスがあったので、みんな心を決めて仲良く話をしながら2時間以上待った。僕の後ろは10代の若者だったし、僕の前はテレビの仕事をしている30代のカップルだった。中国人もいたしアラブ人もいた。タイ人もいたしジャマイカ人もいた。

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あの日の摂取で僕はほんの少し「光を未来」に、見た気がした。現場の小学校の体育館のドアを開けて外に出た瞬間に見た景色を今もはっきり覚えている。次に摂取を受けるはずの人たちが長い列をなしていて、終わって外に出てきた僕を一斉に見つめている。警察や自警団が周りで見守る中、僕は帰路に就いた。張り詰めた緊張感が少しと、あれは「希望への眼差し」だったと今は思っている。未来への希望への前進。拙いながら一歩一歩の。

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