ティラナでのワークショップ
(始まる前に)
君たちはジャズシンガーを目指しているの?
「いえ、私たちはファッション系の大学生と会計士と建築関係を目指しているんです」
音楽が好きなんだね?
「音楽全般が好きでこのワークショップに参加したんです」
将来は国の外に出るの?
「そんなこと不可能だと思うけれどもしできたら素晴らしいなと思います」
一番前に陣取った5人組の女子(20代前半)に話しかけるとそういう答えが返ってきた。少し照れ臭そうに、でも嬉しそうに。
ティラナの音楽大学のジャズ科の先生やプロのジャズミュージシャンたち、ジャズメンを目指すジャズ科の生徒たちが30人ほど集まってくれた。ティラナ時間で定刻より20分ほど遅れてワークショップは始まった。定刻通りもいいけれど、こういう始まりもジャズのワークショップらしい始まり方だ。
今日は集まってくれてありがとう。大江千里、ジャズピアニスト、ジャズ作曲家です。
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