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ブルックリン物語 #72 "Confirmation"

各地で行われるジャズコンフェレンス。これに参加してジャズの世界のいろはを学ぶ。世界中から集まるジャズ関係者たちとの交流の中で、ベニュー探しや会うべき人に会えるヒントをもらう場所だ。

ミッシェルは大声で周りに叫んだ。

「ねえ、この人にPRの誰かいい人を教えてあげてくれる?」

自身もジャズアーテイストのマネージャー会社を経営していて、その会社によるPRやコンサート企画も長年やっているという彼女がKayを指差し辺りを見渡して大声を張り上げた。

「それで、コンフェレンスでひとりぼっちだったわたしに光が刺したんですよ。一人ぼっちでどうしようもなくてミッシェルに声をかけたの。顔の広い彼女のおかげで何人かの関係者に名乗りを上げてくれて具体的な質問ができたんです。まだまだ新米の私には大きなチャンスでした」

その時の様子を思い出すと興奮して身振り手振りを交え、Kayは僕に伝える。

ミッシェルに会うためLAの和食屋の開店時間前に到着した僕たちは、駐車場でウーバーを降りてしばらく空を見上げた。12時開店ちょっきりの約束まで15分ある。カリフォルニアの青い空は雲ひとつないいい天気だった。

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「お待たせしたわね、Kay 。そしてあなたがSenriね? 初めまして。会えるのを楽しみにしていたわ」

車がモールに入ってきた。ミッシェルは颯爽とドアを開け無表情で背中でそれをロックし、僕に手を差し出し握手した。Kayと再会を祝しあい、パートナーのドラマー、フィリップを紹介した。店のドアを開けて「久しぶり、早すぎたかしら?入れる?」とオーナーらしき日本人ににこやかに話しかける。まだ客の一人もいない店内は板前さんたちが並びミッシェルの到着を待っていた。何処か静謐な雰囲気が漂っている。

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