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”まだ夢”アンコール「BIRTHDAY BASH」”後編“

“まだ夢”アンコール“前編”
から続く最終回。

関学のコンサート「Birthday Bash」は「4つの夏物語」のアンコール公演であり、ツアーの事実上千秋楽だ。始まって2曲、最初のmcまでが生配信されてないことがわかった。

オーマイガー

「今、復帰に向けてあらゆる手段を試みていますのでもうしばらくお待ち頂けますか? その間、申し訳ないですが、千里さん、繋いでください!」

会場も事情が手に取るようにわかるので心配そうにシーンと見守っている。

「じゃあ、この時間は少しスペシャルトークショーをお送りしましょう。この今日の関学会館のここにいらっしゃる方だけのスペシャルタイムという事で……じゃ、何がいいかな? そうそう、こういうライブのアクシデントと言いますとね、そりゃいっぱいあって、やっぱり大きい所での事件はそれなりに演者も大変で、、例えば横浜球場の花火事件……」

なにか話そう

1週間に前も、昨日も、今朝も、午後も数回、始まる直前も、回線をチェックして問題がなかったのに。関学のネットの容量は大きくて多くの方に視聴いただけたとしても全く問題がないと言う確認があったのに。にも関わらず僕が登場した時に、バッツリ落ちてしまった。僕や会場のお客さんは配信の世界中で見ている方たちと一緒にいると思っていた15分ほどの時間が実はそうではなかったことを知らされ、呆然としどうしたらいいのか思いあぐねた。

なにか話そう

コンサートの打ち明け話に続き、レコーディング秘話へトークを移していった。実は鎌倉物語が終わった後の数日のオフにFM COCOLO、田家秀樹さんの番組を収録していた。その時のmcで随分と過去と現在を行ったり来たりしたので、心のダムがすぐに開いて当時にうまくタイムスリップできた。僕はぶっちゃけ話は苦じゃないけれど、お客さんが逆に「楽しいけどそれよりも配信の方たちが心配……」となるのは時間の問題なので、いつも以上場を読んで慎重に行った。

刺繍のトートを見て落ち着こう

度々舞台の横で八島さんから「まだ原因がわからない」と現状を伝える伝達があるのだけれど、これは相当な時間がかかりそうだ。こういう時こそ音楽を届けることだと思った僕は、話を収まりのいいところで切り上げて、ピアノへ戻り曲を演奏し始めた。

「Real」

……….
最後に君を見失ったのは
ほこりが染みる車道のすみ
焦げつきそうな熱い瞳と
投げるようなきみを激しく憎んだ
…………

僕らはこうして同じ景色を見る

その後どれくらい時間を繋いだかは覚えてない。もう別個のコンサートを始めちゃった気分で「代替時間」にのめり込んでいたような気もする。こっちでいいんじゃない?「Birthday Bash」は帰国をずらしてまた別日に設定して、そんな奇天烈なことさえ考えて演奏してると八島さんから再び通達が。

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