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Senri Garden ブルックリンでジャズを耕す

グラスワイン1杯分のお楽しみをジャズと共にブルックリンからデリバリー。エッセイ「ブルックリン物語」、ラジオ「Sen Corouge」、日常を写真と文で綴った「Days」、レシピ「… もっと読む
大江千里の未発表のエッセイ、動画、詩、サウンドを発表していく実験ラボであり、みなさんと作り上げてい… もっと詳しく
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2016年7月の記事一覧

ブルックリン物語 #16 “Willow Weep For Me” 柳よ泣いておくれ

夕方、バケツをひっくり返したような夕立があった。 携帯のアラートが「Flood, Flood! (洪水)」と慌ただしく知らせる。 パラパラ空から霰(あられ)が降るような音がして、デッキを打ち付けたかと思うと、開けっ放しにしていた窓を閉めて歩くうちに、窓の外は一気に水槽のような状態になった。 中華レストランの駐車場に向かう諦めた顔の運転手たちが、天の恵みを浴びて空を見つめている。車道にはノロノロ運転の車が渋滞し、一気に点けたヘッドライトの明かりが左右に情けなく揺れている。

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大江屋レシピ (9) 「カラフルポテト」の巻

無性にポテサラが欲しくなる時ってないですか? いろんな色のちっこくてかわいいじゃがいもたちを見つけたのでさっそくポテサラを作ってみることに。 1)皮は剥きません。そのままごしごし水で洗ったらざっくりお湯に入れて湯がきます。 2)あまり茹で過ぎると栄養が逃げそうなきがするので、くし刺しして手応えが返ってきたらすぐに冷水にさらす。

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大江屋レシピ (8) 「ミソボナーラ」の巻

味噌汁の余りでカルボナーラを作るというカリスマ主婦を以前You Tubeで観たので、その記憶を元に自分流にアレンジして作ってみました。 1)味噌汁の残りを温めます。 2)そこに牛乳を適量入れます。 3)更にイタリアンドレッシング(にんにくやいろんな具材が入っているもの)を適量入れる。(自分が思っているより多く入れるとおいしい。徐々に入れて味を整えましょう) 4)それっぽくするために白胡椒、ソーセージ、ローリエの葉っぱ、赤唐辛子などを入れてぐつぐつ煮る。

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大江屋レシピ(7) 「一汁とキノアごはん」の巻

味噌汁があればそこに栄養のある具を一杯入れていただくことができる。 そうすればどんなときでもあったかい気持ちとあったまった体で人は生きていける。 そんな根源的でシンプルな思いから今日は「一汁」をメインにごはんを米ではなく「キノア」で炊いてみました。 これ、なかなかですぞ。 1)みじん切りにしたブロッコリ、にんじん、トマト、しいたけ、たまねぎ、キャベツなどを鍋で煮る。

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ブルックリン物語 #14 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン "Fly Me to The Moon"

キングコング・西野さんの絵を見たときの最初の印象を今も覚えている。モノクロなのに光の渦に巻き込まれたような。ずいぶん昔ぼくはこの絵の中にいた。その中を心の赴くままに飛び回っていた。空想の世界で遊んでいた幼い頃の記憶が一気に蘇る。 もともとお互いに面識のないぼくと西野さんだが、彼がNYにいる日本のアーテイストたちにツイッターでトライベッカでの個展へと誘ってくれたのがコトの始まりだった。ぼくは彼が絵を描いているらしいというのは知っていたので「もちろん! 行かせていただきます」と

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ブルックリン物語 #13 雨に唄えば “Singin' in The Rain”

「昨日からちょうど梅雨に入りましたよ」 ぼくにとって今年2度目の帰国になる日本は、しっとりとした季節突入の頃だった。NYにいると梅雨を意識することがあまりない。雨が若干多いなと思っても、梅雨だと気がつくよりも先に夏になっていることが多い。夏は夏で、トンボの姿を目にするまで「駿足」に駆け抜けていく。 日本の梅雨は「初夏と真夏の間に万(よろず)の神様が置いたギフト」、今回そう実感した。宿泊しているホテルの窓越しに、どこまでも曇り空が広がり、まるで薄い墨を塗ったかのような不安

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