ブルックリン物語 #49 ビキン・ザ・ビキン "Begin The Beguine"
ミネアポリス、シカゴのツアーを終えてブルックリンに帰ってくると、ぴとこの辺りに越した頃から毎日「閉店セール!」の狼煙(のろし)をあげていた紳士服屋が閉店した。呆気ないもので僕が上下100ドルのスーツを買った時も「合わせてネクタイもどう? 別のスーツは?」勧め上手なのか下手なのかわからない怪しいテーラー風親父も店ごといなくなった。あのメジャーをクビにかけた髭ズラがいつもの角で紫煙を薫らせていないと寂しい。ガランとした店内は残った棚や段ボールが散乱し、急いで閉めちゃった跡があちこ