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となみの着物

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ハイブリッドタッサー×カゴ絞り

ハイブリッドタッサー×カゴ絞り

ショーで登場した松皮染の絵羽柄。
 →コレクションno,7

この着物のベース部分、白生地はハイブリッドタッサーの新柄をつかっています。

基本的にショーでは『地紋は目立たないモノ』だと、少し割り切っていましたが、リハーサル時、全くそうでないことに気がつきました。柄の無い部分、無地部分から柄へかけて、織りで表現している地紋の陰影、これが非常に美しかった。

そのため、次のモノづくりでは、無地に近い

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『南蛮七宝/あまみーいろ大島紬』

『南蛮七宝/あまみーいろ大島紬』

2020年の秋から制作してきた、『南蛮七宝/あまみーいろ大島紬』。

当初、完成は遅れても5月中を予定。そこからさらに遅れて、織り上がったのは6月15日。ちょうど1ヶ月の遅れ。なんとか無事に完成しました。

この大島紬は今までの大島づくりと比べて、ある意味恵まれていたモノづくりでした。

南蛮七宝の大島紬は、泥から始まって、白、夏、しーぎなど制作してきました。もちろん、染めではなく、経糸・緯糸とも

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作楽 アリスの羽織

作楽 アリスの羽織

1,デザインは、不思議の国のアリス

そもそも、日本には昔から外から入ってきたモノをアレンジする能力に長けていると言われています。シルクロード、海を越え国内に入ってきたデザインを国内で昇華、日本の文様へとしてきたように。

それらが古典柄として、着物の中のベースなっています。今でも随時新しいデザインの帯や着物が日々作られています。

そんな中、新しい定番をつくろう。そんな気持ちで制作しているのが、

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【完成】絞りを活かした、となみ織物のモノづくり#2/作楽『アフリカの渦』着物

【完成】絞りを活かした、となみ織物のモノづくり#2/作楽『アフリカの渦』着物

2020.12.24〜2021.4.17 

1、デザインづくり作楽シリーズ『アフリカの渦』のデザインをつかい、モノづくりを行なっています。

デザインは、アフリカの大地が持つ力強さを帯のデザインとしたもの。

紹巴織で緻密に織り、曲線を作りながら、銀糸で流れを作り出すように。渦をなぞっています。

2、制作

気づき難い部分ではありますが、渦と渦の間には氷割れの様な地紋を織で表現しています。写真

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【完成】あまみーいろ 南蛮七宝(更新2021.7.8)

【完成】あまみーいろ 南蛮七宝(更新2021.7.8)

2020’秋 スタート

唐長文様『南蛮七宝』。いままで大島紬で数種類製作していきました。泥からはじまって、白、藍、白夏、藍夏、しーぎ、割り込み泥・白。絣糸の制作都合上、最大8反、最小2反。完売となっても、同じものはつくらない。そんな超小ロットでの生産です。

一番最初の泥を制作した時の製織中動画です。

これらの制作を今まで行なっているため、1からといっても大島紬という技術をつかっての南蛮七宝文

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2021’ あまみーいろ

2021’ あまみーいろ

昨年末、西村さんと制作する『あまみーいろ』の取材を主目的に奄美大島へ行きました。

この『あまみーいろ』、通常の『大島紬』なにかと異なり、特色の多い大島紬です。取材の時には、その違いが浮き出るように、工程初期の染め段階から、織上がりまで時間の許す限り、丁寧になぞって頂きました。

このモノづくりを西村絹織物の西村社長と取り組みはじめて、約5年が経ちました。当初、『この着物は大島か?』という反応も少

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