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京都西陣の織元となみ織物の専務です。 日々行っているモノづくり、帯を中心とする着物や小…

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京都西陣の織元となみ織物の専務です。 日々行っているモノづくり、帯を中心とする着物や小物などそれらモノづくりの記録を書いていきます。 帯は着物姿の顔というだけあって、非常に個性的なモノが多くあります。皆さんにその一端を見て、楽しんで頂ければ、嬉しいです。

マガジン

  • 『作楽(さくら)』をはじめとする5代目のモノづくり

    となみ織物5代目が制作する帯や着物のモノづくりを紹介。 その一つシリーズ『作楽』は、『楽しさをつくる。』それをコンセプトにモノづくりをしているシリーズです。今まで帯にはなかった配色や英字柄、少し変わったボリュームをもたせた帯、一点物の羽織など、人の目を惹きつけるアイテムが盛り沢山です。 様々な角度から織や染め、その他の技法を駆使してモノづくりを行なっております。

  • 作楽/松皮染の着物

    となみ織物が制作する帯は、図案に時間と手間を掛けて制作しています。 その図案を使用するのは基本的に帯制作の時のみ。 図案は帯制作のためのモノですが、着物の図案でしても抜群の意匠力があるものも、ほんの一部あります。それを抽出、帯のデザイン、白生地の素材感、型でつくりだす奥行きの中でモノづくりしたものが、『作楽/松皮染の着物』となります。

  • 2024 TKC/となみ織物

    昨年に続き、今年もTKCきものショーを開催する予定をしています。それに向けてのモノづくりやコーディネートを紹介していきたいと思います。 昨年と同様、今年も本番ギリギリまで帯や小物の入れ替えもありそうです。

  • 2023 TKC/となみ織物

    2023年9月30日東京できものショーを行いました。 その時のコーディネートをご紹介したいと思います。 今回のショーでのテーマは、DMの写真にように現在のとなみ織物のモノづくりを覗きに来て頂くこと。そのために6シリーズ18コーディネート+男性物2コーディネートをご用意致しました。 ほとんどの帯着物、小物は新作となりますが、こういったコーディネートはどうでしょう?と過去制作したモノも敢えて含みました。帯着物だけでなく、赤底の真綿入り草履やバッグなどの小物も楽しんで頂きたいです。

  • CandyCircus

    京都の銅版作家舟田淳子氏とコラボで制作するシリーズ。作品と同じ見ている人を一日楽しく幸せにする。そんなコンセプトで帯や着物を制作しています。

最近の記事

風姿・作楽松皮染帯×白恵泥・益田織物

着物/白恵泥 鹿児島の機屋 益田織物さんに制作を依頼し、織り上がってきた大島紬。 益田織物の白大島の特徴は、薩摩焼の泥を元に染められた白恵泥と言われる白泥で染められた『白色』にあります。 白よりも白く見える、地色は光や合わせる色によって、透け感と輝きがあり、本当に美しい織物となります。 今回は淡い緑と白泥を合わせて頂きました。 近くでみると、幾重にも色が重なり、白泥と共に地色を作っていることがわかります。 帯:松皮染(名古屋帯) 帯は松皮染めシリーズの名古屋帯。 ベ

    • 作楽松皮染×アリス

      着物/作楽松皮染 デザイン名は風姿柄、TKC no,7でも使用。 柄取りが全く異なるため、比較して頂いても面白いと思います。 生地は江戸小紋を使用。近くに寄って見ると、あられの柄が見えてきます。 ◼︎松皮染染色場面 作楽/松皮染 帯の制作においては、まず初めに図案を作成します。この図案は帯専用に制作されたもので、多くの手間とコストが掛かけています。 また、この図案の中には帯の制作だけでなく、着物図案に向くものもあり、この松皮染めシリーズでは、そういった帯図案を着物へ

      • CandyCircus/Parade(名古屋帯)

        摺り友禅 作品原画を元に、色ごとの型を彫る。 作品でも力強い輪郭となるカチン(墨線箇所)を染め、そこから摺り友禅が得意な幾重にも色を重ねることで奥行きを出していきます。 そして、最後は地色になる『青』(帯の糸色)を暈しで染め入れています。 板場での摺り友禅は何枚もの型紙を重ねて染め上げていく技法。これだけの数で行う細かな型合わせも、制作場面では見所の1つです。 ※同柄では制作致しますが、同色に関してはこの一本しか制作しない生産限定品となっております。 織はしぼ織 緯

        • ハイブリッドタッサー×カゴ絞り

          ショーで登場した松皮染の絵羽柄。  →コレクションno,7 この着物のベース部分、白生地はハイブリッドタッサーの新柄をつかっています。 基本的にショーでは『地紋は目立たないモノ』だと、少し割り切っていましたが、リハーサル時、全くそうでないことに気がつきました。柄の無い部分、無地部分から柄へかけて、織りで表現している地紋の陰影、これが非常に美しかった。 そのため、次のモノづくりでは、無地に近い着物を制作しようと考えて、取り組んだのが染織工芸むつろさんとのコラボ、カゴ絞り+

        風姿・作楽松皮染帯×白恵泥・益田織物

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        • 『作楽(さくら)』をはじめとする5代目のモノづくり
          33本
        • 作楽/松皮染の着物
          4本
        • 2024 TKC/となみ織物
          0本
        • 2023 TKC/となみ織物
          21本
        • CandyCircus
          11本
        • となみの着物
          6本

        記事

          No,1 桂色あそび(一楽)×宮殿装飾文様(上品綟)

          着物/桂色あそび(一楽) うつくし友禅の小紋。 手ぼかしで1つ1つ摺り込むため、こうして引いて着物全体を見たとき、1つとして同じ表現がないことが分かる。これがこの着物の奥行きや柔らかさになり、相まって魅力となります。 一楽 100人いたらその中の1人だけに好まれ着て頂きたい。 そんなコンセプトで制作される『一楽』シリーズの着物。型をつくり、それをベースにモノづくりを行いますが、一点のみしか染めないため、人と被ることがない、そんな贅沢な特徴を持っています。  ※一点限定品

          No,1 桂色あそび(一楽)×宮殿装飾文様(上品綟)

          No,2 とくさの川(一楽)×Popyparade(CandyCircus)

          着物/とくさの川(一楽) 型でつくる鹿毛引きは、手引きの鹿毛引きでは表現できない、力強さをもっています。この着物では7枚もの型をつかい、色を重ね、偶然性にも頼りながら、複雑な色味を魅力として完成させました。 一楽 100人いたらその中の1人だけに好まれ着て頂きたい。 そんなコンセプトで制作される『一楽』シリーズの着物。型をつくり、それをベースにモノづくりを行いますが、一点のみしか染めないため、人と被ることがない、そんな贅沢な特徴を持っています。  ※一点限定品 袋帯/

          No,2 とくさの川(一楽)×Popyparade(CandyCircus)

          No,3 響閃光(一楽)×牡丹(麹塵染)・緑

          着物/響閃光(一楽) 紫と緑 補色の組み合わせはコントラストが強い配色。刷毛で手ぼかしを入れながら+αすることで印象的な着物に仕上げています。 紫と緑という色の組み合わせでしかつくれない仕上がりです。 一楽 100人いたらその中の1人だけに好まれ着て頂きたい。 そんなコンセプトで制作される『一楽』シリーズの着物。型をつくり、それをベースにモノづくりを行いますが、一点のみしか染めないため、人と被ることがない、そんな贅沢な特徴を持っています。  ※一点限定品 袋帯/麹塵

          No,3 響閃光(一楽)×牡丹(麹塵染)・緑

          No,5 作楽松皮染×夏しぼ

          着物/作楽松皮染  透け感のある生地に型で染色した着物。 デザインは、となみ帯の意匠(二重織)を元に着物として制作しています。 ◼︎松皮染染色場面   作楽/松皮染 帯の制作においては、まず初めに図案を作成します。この図案は帯専用に制作されたもので、多くの手間とコストが掛かけています。 また、この図案の中には帯の制作だけでなく、着物図案に向くものもあり、この松皮染めシリーズでは、そういった帯図案を着物へアレンジし着物を制作しております。特徴として、型制作においては帯

          No,5 作楽松皮染×夏しぼ

          No,7 風姿(作楽松皮染)×楽園ンゴロンゴロ(貴品)

          着物/風姿(作楽松皮染) 生地地紋は菱の中にペルシャ唐草、糸は通常の絹糸と紬糸、タッサーシルクを独自のブレンドで織り込んだハイブリッドタッサー白生地の新作になります。 紹巴織の帯意匠を元に制作しています。 ◼︎松皮染染色場面 帯の制作においては、まず初めに図案を作成します。この図案は帯専用に制作されたもので、多くの手間とコストが掛かけています。 この図案の中には帯の制作だけでなく、着物図案に向くものもあり、この松皮染めシリーズでは、そういった帯図案を着物へアレンジし着

          No,7 風姿(作楽松皮染)×楽園ンゴロンゴロ(貴品)

          No,8 Toy street(CandyCircus)×相良アラベスク(900紗+相良刺繍)

          着物/Toy street(CandyCircus) 作品を見る人を1日ワクワクさせる、そんな世界観を持つCandyCircus。 染め工房が持つ複数の伝統技術を駆使して表現しています。黒の線部分は色糊で描き、柄全体は臈纈染、主にグリーンのぼかしは、たらし込み技法で奥行きを作ってます。 各々の技法特性をうまく引き出し組み合わせることで、CandyCircusの世界観を表現しました。 白生地は糸と紋織物でボリュームを付けた洋唐草です。 ◼︎CandyCircus/舟田潤

          No,8 Toy street(CandyCircus)×相良アラベスク(900紗+相良刺繍)

          No,9 Poppy parade(CandyCircus)×バームクーヘン(名古屋帯/作楽)

          着物/Poppy Parade(CandyCircus) 作品を見る人を1日ワクワクさせる、そんな世界観を持つCandyCircus。 16枚もの型をつくり、糊や摺ぼかしで染め上げた小紋になります。 重ねる色のバランスと順番を幾度となく計算し、着物としての魅力を加え再現しています。 ◼︎CandyCircus/舟田潤子氏Instagram  https://instagram.com/junko_funada_candycircus?igshid=OGQ5ZDc2ODk

          No,9 Poppy parade(CandyCircus)×バームクーヘン(名古屋帯/作楽)

          No,10 Mandolin ring(CandyCircus)×amaretto(CandyCircus)

          着物/CandyCircus 作品を見る人を1日ワクワクさせる、そんな世界観を持つCandyCircus。 デザインは作品『Mandolin ring』から、この作品を切りばみ状にし、ランダムに配置して制作致しております。 この着物の元になる作品は、銅版を使用して制作されたもの。 作品の持つ空気感を型で表現するため、線の強弱・陰影・力強さを何度も彫っては修正を繰り返し、1枚の型で表現することに成功しました。 柄の持つリズミカルな雰囲気は、白生地の地紋もつかい表現。色はモ

          No,10 Mandolin ring(CandyCircus)×amaretto(CandyCircus)

          No,11 古の囁き(あまみーいろ)×半円取大華紋(紹巴織)

          着物/あまみーいろ(大島紬) 奄美大島 西村絹織ととなみ織物で制作する、オリジナルの大島紬。 風合い、質感、色が他とは異なる特長を持っています。非常に薄く軽く織り上げているため、夏や単衣時期にも着て頂くことができますし、帯との相性も抜群に優れた着物です。 古の囁きでは、ヒカンザクラ、福木、藍で染色した糸を織り込んでいます。 袋帯/半円取大華紋(紹巴織) 和から少し離れたようなデザイン。 シルクロードの途中、西アジアのデザインを帯の意匠として織り上げました。普段の帯色で

          No,11 古の囁き(あまみーいろ)×半円取大華紋(紹巴織)

          No.13 碧いとき(あまみーいろ)×紅村帯

          着物/碧いとき(大島紬/あまみーいろ) 奄美大島 西村絹織ととなみ織物で制作する、オリジナルの大島紬。 風合い、質感、色が他とは異なる特長を持っています。非常に薄く軽く織り上げているため、夏や単衣時期にも着て頂くことができますし、帯との相性も抜群に優れた着物です。 『碧いとき』では、しーぎ、テーチギ、藍で糸を染め、織り上げた大島紬になります。 袋帯/紅村帯no,1 緯糸に御召緯をつかい、一旦広幅で織り上げたあと、お湯に浸け縮めることで、帯地表面にシボをつける『しぼ織』

          No.13 碧いとき(あまみーいろ)×紅村帯

          No,14 手引き縞(作楽)×ケルティック(経紬)×数珠/男物②

          着物/作楽手引き縞 ◼︎手引き縞工程 角帯/ケルティック(経紬) 経糸緯糸ともに紬糸をつかい、ざっくりと織り上げた織物。 各帯としても軽く、素材感のある帯は非常に結びやすい帯です。 デザインは、ケルト文様のケルトノット(結び目)。 魔除けの意味を持つ柄になります。 羽織/作楽数珠 帯のデザイン、作楽数珠を元に着物のデザインを起こしました。 当初、女性物として仕立てをする予定でしたが、急遽、今回は男性物羽織としてコーディネートしています。 生地は透け感がありつつ

          No,14 手引き縞(作楽)×ケルティック(経紬)×数珠/男物②

          No,15 紅村着物×900紗(+相良刺繍)

          着物/紅村着物 デザインは、京都の陶芸家 林侑子氏の作品より 土鋏技法で表現された広がりをイメージしてデザイン。 陰影を意識して、花びら一枚一枚丁寧に色挿しをしました。 生地はすずしの衣、根善・となみ織物独自の夏単衣生地 帯も着物もno,16とほぼ同じのデザイン。 着物は地色の配色が異なるものを制作。 根善織物との共同制作。 ※一点限定品 袋帯/900紗(+相良刺繍) コレクションno,16と同柄の帯。 ただし、ベースとなる帯の織物は異なります。こちらno,15

          No,15 紅村着物×900紗(+相良刺繍)