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甘々のあま

昔から変化や別れ、終わりが苦手だ。

モノとの別れ、本を読み終わる、イベントが終わる、転職、行きつけの閉店、クラスが変わる、学校からの卒業。


どうしても別れと向き合うことができなくて、これはまた今度捨てよう。あと少しで読み終わってしまうから、違う本を読みはじめよう。

恩師に挨拶もしないで故郷を離れる。
退職するときも、お世話になった業者の人たちの誰にも知らせない。
閉店しても違うところでオープンするかもしれないと聞き、また連絡しますとそれっきり。


ちゃんとお別れを終わらせてしまったら、あの頃とは違う現況や自分との関係を感じてしまったら、私やみんながいなくなってしまうかもしれない。


あと数年もすれば、子供が巣立っていく。
・・・いや無理。
これはムリ。


自分は感受性が強いのではないかと思っていたけど、そうじゃなくて感情をコントロールできない人なのだと思う。
子供だって、もうちょっと強い精神を持っているような気がする。


なくなっていく現実にしか目が向けられない。
何も考えず、次々やってくる日常に没頭しなければと思い、バイトに勤しんでいる。

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