マガジンのカバー画像

風を詠むように生きていたい

31
投稿した詩のまとめ。 どこからともなく吹いてくる風たちに、それぞれ名前を付けてあげることができたらなんて素敵な日常だろうかと思う。
運営しているクリエイター

記事一覧

(詩)春、雨の月

雨音はざあざあと激しく それにつられるかのように なき声がする 桜 烏 人 心 あと 月 今…

(詩)ためいき

ためいきを一つ 二つと三つ 特に理由はないけれど 美味しいものでも食べに行こうか 気のすむ…

(詩)不沈

心が凪いでいる そこは波音一つなく カモメは優雅に飛んでいて 舟がぼちぼち浮かんでいる 進…

(詩)トラッドモーメント

窓を打ちつける夕立が 奏でていた 私の頭の片隅をくすぐる リズムとメロディーと。 ここは欧…

(詩)五月雨は知らない

五月雨は知らない 私の心は 年中雨が降っている 木々の歓びも ぬかるむ土の小躍りも なんだ…

(詩)マロネ

炬燵の朝は早くて お尻は暑いのに顔は寒い わたしはぶるぶると震えながら 夢と現実のはざまを…

(詩)琥珀色のうた

遠くに見える東雲があくびしていた 白い吐息は春を告げるファンファーレのよう スズメもカラスも歌いだす 青や赤 黄 黄緑の 彼者誰時のオーケストラ 月日を抱えた音色が聞こえる 日々の記憶辿って 心の中で混ざりあって 気づいたころには朝ぼらけ むずむずして出たものは 琥珀色のうた 新たな景色に重なった 御日様が寝ぼけ眼で微笑んでいた

(詩)ミクロの丘で

ココは空気が澄んだトコ  私の理想の住処です あなたにぜひ来てほしいけど できればこないで…

(詩)からす

羽が1枚おちてきた それは黒色といえるだろうか 夕陽に照らされ舞っていたそれは この世のすべ…

(詩)Windows

無重力の彼方から やってきたのは明の風 僕の知らない世界を旅した 君の話を聞かせておくれ…

11

(詩)Dolphin Night

夜を泳いで 幻想の快楽に耽る 夢幻の輝きに息をのみ 後ろに迫る悔恨の 荒波に気づくことも…

11

(詩)颯が過ぎて

白銀世界に染まった彼女へ 颯が過ぎて御髪は乱れ 顔に憂色をたたえた彼女に 私は無闇に傷つ…

20

(詩)宿雨の夜は

宿雨の夜は 冬の水面に ラヴェルのごとき音符を映し 聞こえる音色は とうとうと 駆け巡る…

12

(詩)風花に

雪のにおいがして 見上げると秋の空 白き枯葉がひらひらと舞い 遠くで犬が吠えていた 肌をくすぐるそよ風は 春への足並みを揃えていて 五感が時節を狂わして 私を置いてけぼりにした あなたが住んでるところも今は 同じ景色が見えるだろうか 名前も知らないトコロにいても 同じ時節をうたうだろうか 白き枯葉を掴んで じんわり広がる冬の熱気を 慈しむように口に含んだ 春の味がした気がした