見出し画像

詩「あけて」

オリオン座の震えを聴いて
幾度、望みを湧かせたら
お化けみたいな大脳皮質が
あなたの内に達するの。
朝の匂いを忘れられないままだから
スープを沸かす二口コンロの
時間も凍ったままなのです。
はりつく喉を患わすほど
閉ざした耳に這い寄るヘドロ。
差し障りない胎内に
引きこもるしかできません。
けれど、12色の現存在は
暗くしかなりません。
模倣宝石を投げることしか
できないのです。
僕の部屋の
扉の先を
あなたが好んでくれたなら、
吊られた僕も
虚ろに向かって
笑みを揺らせることでしょう。
だから見慣れた宇宙の底を
こじ開けて。
こじ開けて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?