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【所得税】個人が車を売却した場合は課税or非課税?

1.個人が車両を売却した際の取り扱い

個人が車両を売却した際、内容により取り扱いが異なります。

以下、みていきましょう。

①自家用車の場合

例えば、通勤や買い物などで使用する自家用車(いわゆるマイカー)は、通常「生活に通常必要な動産」とされます。そのため、売却した際に生じた譲渡損益はないものとみなされます。つまり、原則、非課税となるのです。

ここで、「生活に通常必要な動産」とは、

家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産のことをいいます。

ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、30万円を超えるものは、「生活に通常必要な動産」から除かれます。

(出典):  国税庁HP  No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法

なお、フェラーリなどの超高級車は、生活に通常必要なレベルを超えるものとして、課税される可能性があります。

②レジャー用などの車の場合

レジャー用、スポーツカーなど専ら趣味娯楽のために所有する車は、「生活に通常必要な動産」とは考えられないため、売却した際に生じた所得に課税されます。

また、譲渡損失となった場合には総合課税の譲渡所得(例えば、貴金属や宝石の売却益)と通算できますが、給与所得等の他の総合課税の所得の黒字との損益通算はできません。

③事業用の車の場合

個人事業主が事業用の車を売却した際に生じた所得は、課税の対象となります。なお、譲渡所得として扱われます。

また、譲渡損失となった場合には、事業所得等の他の総合課税の所得の黒字と損益通算することができます。

(関連記事):【所得税】個人事業主の「赤字」は3年間繰り越せる!&その注意点

2.事業用の車両の売却益は譲渡所得

個人事業主が事業用の車を売却した場合は、所得区分は譲渡所得となります。混同されやすいので、事業所得にはならないことに注意が必要です。

譲渡所得の計算式は、以下となります。

譲渡所得=譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)-特別控除額50万円 

所有期間が5年以内の短期譲渡所得の金額は、上記算式の全額が総合課税の対象になりますが、5年を超える長期譲渡所得の金額はその2分の1が総合課税の対象になります。

(注1)取得費とは、一般に購入代金のことです。このほか、購入手数料や設備費、改良費なども含まれます。ただし、使用や期間経過により減価する資産は、減価償却費を控除した金額となります。

(注2)譲渡費用とは、売るために直接かかった費用のことです。

(注3)譲渡所得の特別控除の額は、その年の長期の譲渡益と短期の譲渡益の合計額に対して50万円です。その年に短期と長期の譲渡益があるときは、先に短期の譲渡益から特別控除の50万円を差し引きます。

なお、譲渡益の合計額が50万円以下のときは、その金額までしか控除できません。

(出典):  国税庁HP No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)

なお、売却時までの減価償却費は、事業所得の必要経費、譲渡所得の取得費のどちらかに含めることができます。

そして、個人事業とプライベート兼用の車の場合、譲渡益、譲渡損ともに、車両の使用割合などの事業割合で、家事按分して計算をすることになります。

個人の車両の売却に関して、ご自身で検討するよりも、専門家である税理士に相談することをおすすめします。

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