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『三河物語』「桶狭間の戦い」

「桶狭間の戦い」(永禄3年(1560年)5月)

『三河物語』を「読む」とは、「解読」するってこと。
誤字(『三河物語』以外に使用例が発見されていない漢字)、当て字のオンパレード! たとえば、「良評定」は「長評定」の誤記のように思われます。

さて、「桶狭間の戦い」に関して、太田牛一『信長公記』と大久保彦左衛門『三河物語』のどっちの記述が正しいか?(個人的には、『三河物語』の方が合理的で蓋然性が高いと思いますが「納得いく説明だから史実」とは限りません。「史実は小説よりも奇なり」です。納得いかない方が史実かもしれません。)

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 『三河物語』の内容は、「評定→その時の織田軍の動き」の繰り返しであり、長評定の間に、織田軍がどんどん迫ってくる様子が描かれています。
 『三河物語』の欠点は、本陣やら、評定をした場所やら、地名(地理的説明)が無いことです。丸根砦だけは「棒山の砦」として登場しますが、「棒山」は山名ではなく、「名を知らぬ某山」ではないかと思われるほどです。
 上の写真は、評定が開かれた場所に立てられた案内板の写真です。名古屋市教育委員会の方にお聞きしたいのは、「武将」と「部将」の違いです。

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