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【ドライブエッセイ】20200215山形〜新潟

久しぶりに足を踏み入れた新潟の街はもう日が落ちかけていた。
ここ1〜2年は愛車の入れ替えの時期を経たため、車で訪れる範囲の距離の土地は足が遠のいていた。
山形市から新潟市への国道113号線のドライブは実に心地よい道程だ。飯豊山峰を超える道中、山道とはいえ急な坂など無いし危険なカーブなどもない。幅員も申し分ない。今までの経験上、天候があまりに不安定で困ったこともない。(運がよかっただけだと思うが)
秋には紅葉が見事でドライブに花を添えてくれる。その季節には道すがらに車を停めて木々の色づきを楽しむ自分の定番の場所が決まっているほどだ。山が色付く頃には少々無理やりにでも新潟への行く予定を入れるくらいお気に入りのルートである。


そんな話は置いておき、今は冬だ。冬だというのに、この景色はなんだ。山形の置賜地方で生まれ育った私にはにわかには信じられない。積雪がまるでないのだ。
山道を行けども行けども雪がない。あっても道の端に申し訳程度のかたまり程度だ。この2月にの真ん中に。これにはさすがに驚いた。麓町に雪が積もっていないのは聞き及んでいたが、山中もこの状態とは。例年ではこの時期には車の背丈以上の積雪が普通の地域だ。なるほどこれでは除雪隊も商売上がったりである。おそらくこのレベルの雪国の同じような境遇で一定期間生活した人にはわかる話だが、雪深い地域の除雪兵士の方々の除雪技術といったらにわか積雪の地域に比べてプロとアマチュア、または戦場を経験した兵隊とそれ以外のそれら並の差を感じさせるもので称賛したくなるくらいなのだが、このままだとこの技術も失われてしまうのではなどと少し心許なさを感じたりもした。(ただしドライバー側からの視点では降雪と低温によるアスファルトの凍結はこれ以上ない大敵であり、この異常気象は正直諸手を挙げて嬉しい)


新潟までの道すがらに道の駅を一つ寄る。この山道は程よい距離感に道の駅がちゃんとあることも評価対象だ。
新潟県に入って113号線から新潟市に向かって南下する。この時、気分や疲れ具合、時間の兼ね合いで高速道路(日本海東北自動車道路)を使うか下道を使うか選ぶことができる。下道を選んでも7号線はそれほど通行車両が飽和する感じもなく快適なドライブを楽しめる。(道路工事が無ければの話。以前工事によるひどい渋滞にはまったことがあった。)
これは肌感覚なのだが、個人的には新潟のドライバーは落ち着いていて良いイメージがある。高速道路や7号線のような幹線道路を走っていて異常なスピードの走り屋や狭い間隔での割り込みなどの無茶な運転が少ない気がする。おそらく太平洋側の同等の道と比べれば車通りが少なく心理的余裕があることや、平野が続く土地柄のため道路自体が直進的かつ坂も少なく素直な作りができたためではないかと思う。偏見かもしれないが、こういった地場のドライバーとの相性もあり新潟のドライブが私は好きだ。


ところで、今回愛車を乗り換えて初めての遠乗りである。ニュービートルからザ・ビートルへ乗り換えたわけだが、ハンドルを握っている間はやっぱりその操縦性が見違えて爽快。ニュービートルはあれはあれで「車を運転してるぜ感」があって、そのクセも含めてまるごと好きではあったけど、操縦性の良さはなんだかんだ正義だ。専門的なことや詳しいことはあんまりわからないけれどやっぱり排気量1.9Lから1.2Lになったから、その馬力の差は感じるかもしれない。あと顔や身体はやっぱり前の子の方がまだ好きだよ。最初の子だしさ。ごめんな。でもこれからもっと時間と共に愛せるようになるよ。きっと。

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そんなこんなで新潟市街にある予約していた宿に向かう。駐車場がわからず同じところを何周もして結果的に街に慣れながらもその間に日は暮れ、私の愛すべき新潟ドライブは終わったのでした。

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