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同志探し

急いで、大量に、安く。
一方で、
ゆっくり、少量で、高く。

前者はかつてのわたしの、仕事で成果を上げるための信条。
後者はセンジュ出版を立ち上げてから大切にしていること。

独立してから、前者を求められた仕事に関し、結果としてお客様に満足いただけないことが多かった。
後者に関しては、時間がかかることに何度となく不安を口にこそされたものの、
結果としてずいぶんと喜んでもらえることが多かった。
当初よりお支払い額を増やしていただいたケースもあった。

すべての仕事に時間をかければいいというものではない。
しかし、不条理に急ぎすることで、ずっと先にある目的や未来を見失うことも多くある。

こちらが受ける仕事に限らず、著者に原稿をお願いする際にも締め切りを設けていない。
こんな会社はおかしいらしい。
学校みたいで、おままごとみたいで、
経営者としては失格、なんだそうだ。
社長は厳しくなければならず、社員に、スタッフに、なめられてはいけない。

と、独立前、わたしもそう思っていた。

それって、誰が言ったんだろうか。
そして、本当のことなんだろうか。

いつまで、「もっと早く、もっと安く、もっと多く」と、言い続けるんだろう。
いつまで、息を上げて、誰かと自分を追い立てて、ゆとりなく、威厳を発揮して、
そして時間を消費するんだろう。

未来に残したいはたらき方、未来に残したい仕事、未来に残したい本。
それに挑戦するのは、おこがましい話だろうか。
でも、誰かがやらなければいけない気がする。


センジュ出版は小さな小さな会社だ。
わたし一人でできることなど、この会社だけでできることなど、たかが知れている。
だからこそ、同じ世界を望む人を探し続けている。

東神田でとあるカフェを経営する社長と取締役のご兄弟。
ここにも、同志がいる。
お互いこのハードな挑戦にどうやって結論を出せるのかと苦笑いしたり、真剣に意見したりしながら、
このお二人と話す時間に、
一人ではない安心感と、励まし合えるライバルがいることのありがたさを思う。


これを読んでくださっているあなたは、どんな未来を残したいですか。
どんなはたらき方が、どんな仕事が、どんな本が残っている未来を思い描いているのか、
いつかゆっくり教えてください。

#今日の (正確に言うと昨日の)一冊
#働くことの人類学
#松村圭一郎 +コクヨ野外学習センター・編
#230 /365

#モラルテックス
#タオルは手紙だ







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