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僕の人生にスパイダースーツが必要なワケ。

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僕の人生にはスパイダースーツが必要だ。

いきなり何言ってんだコイツって思われるかもしれないけれど
スパイダーマンに登場するスパイダースーツのような存在は、僕にももしかしたらあるんじゃないかと思って勝手に自分事にして考えてみた。
大丈夫。僕は正気だと思う。

このnoteは僕にとってのスパイダースーツのお話。
ごめんね、スパイダーマンはほぼ登場しないよ。



僕のスパイダースーツってなに?

僕のスパイダースーツってなに?
それは左耳のピアスだ。
人生の半分以上を一緒に過ごした自分を納得させてくれる存在だ。

この左耳のピアスが僕のスパイダースーツだと思ったのには自分の過去が大きく関わっていたので、振り返りつつ自身に問いかける形で書いていこう。



①何故僕にはスパイダースーツが必要だったのか?

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何故僕にはスパイダースーツが必要だったのか?
これにはまず【役割】という僕の考え方が関わってくる。
ここでいう【役割】とは辞典に載っている意味とは違って、せんじゅが考える役割だと思ってこの先を読んで欲しい。

【役割】
1 役目を割り当てること。また、割り当てられた役目。「大切な役割をになう」「自分の役割を確実に果たす」

2 社会生活において、その人の地位や職務に応じて期待され、あるいは遂行しているはたらきや役目。

僕の思う役割は
・自分で選んで掴んだモノ
・相手から認めてもらわなきゃいけないモノ
この2つの条件が不可欠だ。

ひとつめの自分で選んで掴んだモノというのは、人生の現在地を表してくれるコンパスのようなモノという意味。

全ての役割は一時的なモノで、全部を背負い続けなきゃならない訳じゃない。
今の役割を守るのか手放すのか、それとも新しい役割を掴みに行くのか。
それらの結果が「自分で選んで掴んだモノ」になるという事だ。
逆に言うと役割はある日突然舞い降りてくるモノではないという事。

二つ目の相手から認められなきゃいけないモノというのは、役割を宗教にしないようにするための条件だ。例えば僕がミュージシャンだと名乗っていても、相手から見てただのフリーターにしか見えなければ、ミュージシャンは僕の役割とは言えないという事。

これは、先ほどの自分で選んで掴んだ役割をふるいにかけるようなイメージでもあって、役割を独り相撲にしないためにも「相手から認められなきゃいけないモノ」という考え方が、前者と同じぐらい大切な事だと思っている。

つまり、【僕の思う役割】と言うのは主観と客観の両方が合致しなければ役割と呼べないということだ。

その【僕の思う役割】の方程式を自分に当てはめるてみると、
僕には現在【父親、夫、会社員】という3つの役割がある。ということになる。



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この【僕の思う役割】というモノは、全てを同時にこなさなきゃならないという大変なルールも守らなくちゃいけない。
今から5分だけ父親じゃありませーん!なんてルールを破ろうとすると大体恐ろしい目に遭う。

というのも役割は列車のようになっていて、終点に向かってスピードを増しつづける役割列車から飛び降りようとすれば、とてもかすり傷だけでは済まないからだ。

その上、役割達が役割を全うさせようと自分の周りを囲い始め、役割列車から途中下車させないようにガッチリと円陣を組んで固めてくる。

僕はこの円陣の事を役割トライアングルと呼んでいる。

この役割トライアングルがとにかく厄介で、僕の思う役割において1番話しておかなきゃいけない事だ。



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あくまでもイメージ上での話だけれど、役割トライアングルの中はガチガチに固められた密閉空間になっていて、囲われてしまうと周りの音が聴こえにくくなる上に段々息苦しくなってくる。
その息苦しさを放置したり気づかないフリをしていると、ある日ストレスか酸素不足かで突然意識を失ってしまう。

もしそうなったらコントロールを失った役割列車は暴走列車になって、必ずどこかで大事故を起こしてしまう。そうならないためにも、この役割トライアングルに完全に飲み込まれないように上手く付き合うことが一番大事になってくる。

要するに、役割を上手くコントロールしなければ、自分の人生は役割に乗っ取られてしまうと言う事。

じゃぁどうしてこんなメンドクサイ事だらけの役割をわざわざ掴まなきゃいけないのか?って自分でも書きながら思ってたんだけれど、
それはきっと生きる為に必要な安心を確保しなきゃいけないからだと思う。
受取る分だけじゃなくて、誰かに与えなきゃならない分も。

昔に比べて今はきっと安心の形がどんどん複雑になっていると思うけれど、核の部分や根っこの部分はきっと似ているし、安心を確保するには役割を掴むことが一番簡単で確実な手段だと僕は思っている。
今読んでくれているあなたが役割以外の何かで安心が得られているなら、きっと多くの役割は必要ないはず。

役割トライアングルがとにかく厄介だと話したけれど、安心を確保するという目線で見ればメリットもある。
役割トライアングルの中にいる間は役割達が壁で囲うお陰で外の危険から身を守ってくれるし、目的地への正しい方向にも進んでいける。
まるでおせっかいな隣人のような感じだ。

つまり安心を得るための手段として、この役割トライアングルに必ず付き合わなければならないという事だ。



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役割は目的の正しい方向へと進むための列車のようなモノだという事。
役割トライアングルに完全に飲まれてはいけないという事。

役割も、役割トライアングルも安心を確保する為の手段だと言う事。

責任とも権利とも義務とも少し違う。
安心を得る手段のひとつ。
それが僕の思う役割



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少し長くなってしまったけれど、この安心を確保する為の役割がスパイダースーツの話に繋がってくる。

先程説明した役割トライアングルに飲まれて人生を乗っ取られないように、上手く自分をコントロールできるアイテムが左耳のピアスだ。
そう、これが僕のスパイダースーツだった理由だ。

この左耳のピアスがあれば、僕は在りたい自分を生きて役割トライアングルや役割とも上手くやっていけそうな気がする。

何故僕にはスパイダースーツが必要だったのか?
それは、安心を確保するために背負った役割をこなしつつ、その役割に自分自分の人生を乗っ取られないようにする為に必要だった。
という考え方が腑に落ちたお話しでした。



②何故ピアスだったのか?

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ピーターパーカーはスパイダーマンの役割を果たすためにスパイダースーツを着る。じゃあ何故僕のスパイダースーツが左耳のピアスでなくちゃならなかったのか?
これには先ほど最後で少し出てきた、在りたい自分が大きな理由になっている。

僕が耳に穴を開けたのは高校生のとき。特に深く考えもせずに、カッコいいなぁなんていかにも思春期っぽい気持ちで穴を空けたピアスだけど、少し振り返ると自分の中にそれらしき理由があった。

その理由とは、当時最短距離で不真面目に自分を強く見せる事ができるアイテムがピアスだったからという理由だ。
不真面目に見せたいのは従順ではないと思わせたい気持ち。
強く見せたいのは弱さを見せたくないという気持ち。

そんな気持ちになるのには、僕が何においても弱い人間だと感じているコンプレックスが大きな原因になっているからだ。
人と争う事がとにかく苦手で、傷つきたくないし傷ついていると思われたくない。
我ながらとんだ臆病者だ。

そんな弱さを自覚した頃には勝負や争いになる事から躱す事が上手くなっていて、勝負の結果弱いという事実を晒すよりも、弱い人間だと思われたくないヤツになっていた。

それでやっていけてるならいいじゃんって思う人も居るかもしれないけれど、勝負を回避するのに上手く立ち回りすぎるとただの根性無しズルいヤツになってしまう。

ズルさが悪い事ではないと思っているけれど、この方法でズルいヤツになってしまったらいつの間にか自分の周りから人が離れていって、気付けば寂しいヤツになっていく事に最近ようやく気付くことができた。

じゃぁそのコンプレックスになっている弱さを克服したり隠すためにピアスをしたの?という疑問がでてくるんだけど、それは半分正解で

弱さを認めて自分の主張を堂々と貫きたい。という気持ちと
逃げていた勝負に勝ちたい訳じゃない。という両方の気持ちがあったからだ。

つまり、僕が本当に怖いと感じていたのは勝負に負ける事ではなくて、自分の何かを捻じ曲げることだったという事だ。



そんな自分のコンプレックスになっている弱さのそもそもの原因は、避けられない理不尽さに対して何もできなかったという経験があるから。

理不尽さにしてやられた僕は、本当に大切な物を無くして、その後確実にやってくる耐え難い寂しさを感じながらじっと静かに一人で耐えるハメになった。
もしあの時不真面目で強い選択をできれば、僕は理不尽に対して全面降伏はしなかったはずだ。

そんな避けようのない理不尽には従わず、自分を貫いてやるというハッタリを自分にかますために僕はきっとピアスを選んだんだと思う。
僕にとってピアスを着けるということは在りたい自分でいるより前に、在りたい自分になったつもりで生きてみる事の一歩だったワケだ。

そのハッタリのお陰で僕はいくつか窮地を抜け出すことができたし、そのハッタリがいつか本物になって力になってくれるはずだと今も思っている。
避けれない争いはきっちりと正面から向き合わなければならない。
それがなんとなく選んだピアスに対して、現在もこだわり続ける理由。



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最短距離で不真面目に自分を強く見せることができるピアス。
ハッタリをかましてでも在りたい自分を貫いて生きる。
これは役割トライアングルとコンプレックスに向き合ったお話。

何故ピアスだったのか?
それは自分の弱さというコンプレックスを認めて、理想とする自分になりきる事を叶えてくれたのがピアスだったから。というお話しでした。


僕の人生にスパイダースーツが必要なワケ

僕の人生にスパイダースーツが必要なワケ
それは

役割や役割トライアングルに飲まれることなく
自分の弱さというコンプレックスを認めて
在りたい自分になりきるために必要だということ

在りたい自分を忘れないために
役割や役割トライアングルと上手く付き合っていくために
僕の人生にはこれからもスパイダースーツが必要だ。


あとがき

なんとなくピアスを開けてから今もピアスを着け続ける気持ちが、noteに書きなぐることでようやく少し分かった気がする。

でも、ピアスを着けていても、着ていなくてもどちらも本当の自分だ。
役割をこなしながら、在りたい自分を忘れずに、
バランスをとってより良く生きていければいいなぁ。ってな感じです。

言いたい事纏めたつもりだけど、大分感情的に書きなぐってる部分多いね。
最後に、ここまで読んでくれて本当にありがとう。

30歳おっさんの独り言でした。

次回noteはまた年末に総括します。


コーラを飲ませてください!