予防給付って介護給付とどう違うの? 予防給付の内容と注意点について
介護が必要になって介護保険制度のことを調べたけれど「予防給付って何?普通の介護給付とどう違うの?」と疑問に思う方もいますよね。
そこで、この記事では予防給付の内容と、どうすれば受けられるのか、また予防給付を受ける上での注意点などについてお伝えしていきます。
予防給付とは
予防給付とは、介護保険制度の1つです。2000年に介護保険制度が始まってから要支援、要介護1の軽度者が増えるようになりました。そこで2005年に介護予防を重視する予防給付が新たに創設されたのです。
予防給付で受けられるサービスとは
予防給付で受けられるサービスは、「介護予防」サービスになります。これは、要介護の人が受けられる介護サービスと内容は同じです。
居宅(自宅や有料老人ホーム)サービス
介護予防訪問入浴介護
介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防居宅療養管理指導
介護予防通所リハビリテーション
介護予防短期入所生活介護
介護予防短期入所療養介護
介護予防特定施設入居者生活介護
介護予防福祉用具貸与
特定介護予防福祉用具販売
介護予防住宅改修
介護予防支援
事業所のある市町村に住む利用者に利用が限られるサービス
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防小規模多機能型居宅介護
介護予防認知症対応型共同生活介護
予防給付で受けられないサービス
予防給付では受けられないサービスがあります。それは「施設サービス」です。施設サービスとは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の施設のことです。これらの施設は、より介護が必要な人に対して介護サービスを提供するので、要支援の人は該当しないのです。
また同様の理由として、下記のサービスも受けることができません。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
夜間対応型訪問介護
看護小規模多機能型居宅介護
予防給付を利用するためには
「予防給付を利用したい」と考えたら、まず市町村に申請しましょう。その後、下記の手続きを取ることになります。
市町村から派遣された認定調査員が調査を行う
要支援(もしくは要介護)認定を受け、通知が来る
ケアプラン(介護予防サービス計画もしくは介護サービス計画)を作成する
要支援者のケアプランは、地域包括支援センターの保健師など介護予防支援に関する知識を持つ人が作ります。介護予防サービス計画は、地域包括支援センター以外でも、センターから委託されている、居宅介護支援事業者の介護支援専門員が作ることもあります。ケアプランの作成については要支援・要介護共に利用者負担はなく、全額が保険給付されます。
無制限にサービスを受けられる訳ではない
介護保険制度における保険給付は、要支援・要介護に関わらず無料で受けられるわけではありません。
利用者は介護保険サービスの利用にかかった費用の1割を原則として自己負担します。ただし、前年度の所得が一定以上ある場合は、2割もしくは3割の自己負担となるのです。
また、介護保険制度では、利用者が無制限にサービスを利用して保険給付を受けることがないように、保険給付の費用の上限となる「支給限度額」を設けています。この支給限度額は要介護度で異なり、この額を超えると自己負担となります。
ただし、利用者負担の軽減として、下記が設けられています。
高額介護サービス費:同一世帯の1ヶ月の自己負担の合計額が一定の額を超えた場合、超えた分の額が申請により戻ってくる
高額医療合算介護サービス費:世帯内で1年間の介護保険と医療保険の自己負担の合計額が一定の額を超えた場合、超えた分の額が申請により戻ってくる
自分が該当するかどうかは、担当のケアマネジャーに相談してみましょう。
市町村の総合事業も利用しよう
上記で、予防給付についてお伝えしてきました。しかし「予防給付のサービスでは足りない」と考える人もいます。
そんな人は、「総合事業」を利用しましょう。総合事業とは、市町村が行っているサービスのことです。要支援者だけでなく、自立している高齢者も利用することができます。
総合事業で提供しているサービスとして「介護予防・生活支援サービス事業」があります。
内容としては
介護予防訪問介護
介護予防通所介護
になります。
これらのサービスは、費用の1割から3割を負担することで利用することができますよ。
また、地域に住む65歳以上の人なら誰でも受けられるサービスとして「一般介護予防事業」があります。
一般介護予防事業の内容としては
転倒予防、膝や腰の痛みの改善、認知症予防の体操教室
歯の喪失を防ぐ口腔ケアの教室
閉じこもりを防ぐコミュニティカフェ
等があります。
費用は全額利用者負担ですが、無料のものもあるので、是非探してみましょう。
まとめ
いかがでしょうか。この記事では、下記のことについてお伝えしてきました。
予防給付では、介護予防サービスを受けることができる
介護予防サービスでは、介護サービスと同じ内容のサービスを受けることができる。しかし、施設サービス等一部のサービスは利用することができない。
予防給付を受けるためには、市町村に申請し認定を受け、ケアプランを作成する必要がある
サービスは原則1割負担。利用する回数が多くなれば、超えた分が全額自己負担になる
市町村の総合事業で、訪問介護や通所介護を利用することができる
予防給付が必要になっても、地域で生活を続けることはできます。是非、近くの市役所や地域包括支援センターに相談してみてくださいね。
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