高齢者によく見かける! せん妄ってなに?
せん妄とは突如として時間や場所の認識が困難になる見当識障害が始まる場合が多く、注意力や思考力の低下を伴い、様々な心身の不調を引き起こす現象です。多くの場合、数日間にわたる症状であっても、稀には数ヶ月間継続することも。適切な対応がなされない場合、最悪のシナリオでは昏睡や死に至る危険性もあります。日中に症状が変動し、特に夕方に悪化することが一般的です。
せん妄の主な症状
睡眠障害:不眠や昼夜逆転、眠りが浅い状態が起こります。
幻覚・妄想:存在しない物体や人物を見る幻視、恐怖を伴う幻覚や記憶の歪曲など。
見当識・記憶障害:現在の時間や場所を理解できなくなる、最近の出来事を思い出せないなど。
情動・気分の障害:イライラ、興奮、不安、無気力、過活動、攻撃的または内向的な行動。
神経症状:手の震えなど、特にアルコールせん妄に多い症状。
せん妄の原因
脳卒中、認知症、パーキンソン病、電解質異常などの疾患、加齢、薬剤の副作用、入院や手術などが挙げられます。特に高齢者では、通常影響の少ない病気や薬もせん妄を引き起こす可能性があります。
せん妄の診断
患者や付き添い人からの詳細な問診や情報収集、各種テストを含む医学的検査によって行われます。せん妄と認知症、うつ病など他の精神疾患との鑑別が重要です。
せん妄の治療
原因に対する処置とともに、患者が落ち着きを取り戻せるような環境の整備が求められます。多くの場合、入院治療が必要とされます。薬物療法では、ブドウ糖、抗生剤、水分と電解質補給、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗精神病薬・鎮静薬などが用いられます。
せん妄の再発
過去にせん妄を発症したことがある人は再発のリスクが高いです。
せん妄の予防とケア
生活リズムの管理、水分補給、適切な環境調整が含まれます。特に高齢者では、脱水、転倒、失禁、低栄養などのリスクに注意し、医療チームによる総合的なケアが重要です。
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