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左側が見えない、半側空間無視の症状や治療法について

半側空間無視の基本理解

半側空間無視は、脳の特定部位の損傷により生じる認知障害です。主に脳卒中の患者に見られ、空間の一側部(多くは左側)を無視するという特徴があります。これは視覚的な問題ではなく、注意力の偏りから生じる現象で、患者は対象の空間にある物体や情報を認識しないことがあります。


原因と診断過程

半側空間無視は、右脳半球に生じる損傷、特に頭頂葉や側頭葉の損傷に関連して発生することが多いです。診断は視覚的な課題、例えば患者に紙上のすべての物を指し示させるテストを通じて行われ、患者が特定の空間内の物体を無視する傾向があるかどうかを評価します。




症状

半側空間無視の症状には、視界の一部分の物体を認識できない、重要な情報を見落とす、身体の一部分の存在を無視するなどがあります。例えば、患者は食事の際に皿の一方の半分の食べ物を無視したり、書くときに紙の一部分にしか文字を書かなかったりすることがあります。また、自分の体の一側部を洗うのを忘れたり、衣服の一側部を着用しなかったりすることもあります。




日常生活における影響

この障害は、食事をする際に皿の一部分の食べ物を残してしまったり、身だしなみの際に体の一部を洗い忘れたりするなど、日常生活に大きな影響を与えます。また、安全な移動が困難になることもあり、患者はしばしば追加のサポートを必要とします。




治療法とリハビリテーションの進歩

治療は多職種チームによるアプローチが一般的で、作業療法、理学療法、時には言語療法が含まれます。治療の目的は、患者が無視している空間への注意を促すことであり、特定の技術やデバイスが用いられることもあります。最近では、仮想現実技術やコンピューターを使ったトレーニングプログラムが開発され、治療法としての可能性を広げています。




家族の役割とサポート

患者の家族はリハビリテーションプロセスにおいて重要な役割を果たします。家族のサポートと理解は、患者が治療に積極的に参加し、日常生活での自立を促進する上で不可欠です。リハビリテーションチームは、家族に対して教育を提供し、自宅でのケアを支援するための指導を行います。



半側空間無視は、患者本人だけでなく、その家族にとっても大きな挑戦です。家族は患者が無視する空間にも注意を向けるよう援助することが求められ、日常生活の中での調整や環境の工夫が重要となります。例えば、患者がよく使う物を無視しがちな側ではなく、より認識しやすい側に配置するといった簡単な変更から始めることができます。




まとめ

半側空間無視は、見過ごされがちながらも、患者の生活の質に大きな影響を与える認知障害です。早期の発見と適切な治療は、患者がより自立した生活を送るために極めて重要です。多職種の専門家による総合的なアプローチと家族のサポートが組み合わさることで、半側空間無視の影響を軽減し、患者の生活の質を向上させることが可能となります。科学の進歩とともに、新しい治療法やリハビリテーション手法が開発され、半側空間無視に対する理解と管理が進んでいます。


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