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(米国株式市場4月26日〜30日)今週の合戦の振り返り!株価3指数は横ばい、エネルギー・金融・通信サービスが株式市場を牽引。来週も怒涛の決算ウィークが続く。


今週の合戦(米国株式市場)の振り返りをします。


1. 今週の合戦の要約

・米国代表株価3指数は横ばい。
・累積売り抜け日もS&P500は3、NASDAQは3と蓄積。警戒感高まる状況。
・セクターはエネルギー、金融、通信サービスが牽引。
・FRB動向に変化なしも、市場にはテーパリング(量的緩和縮小)警戒の動き強まる。
・インフレ見通しは再度上昇、10年債利回り↑↑↑。
・来週も引き続き米国決算ウィーク続く。


2. 代表指数動向(&強気相場 or 弱気相場判定)

□ 4/23 close to 4/30 close

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・ピンク:NYダウ
・ブルー:S&P500
・グリーン:ナスダック

↓↓↓

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□ 現在は強気相場?弱気相場?


現状は強気相場を維持。S&P500/NASDAQが売り抜け累積日数3で弱気相場の始まりへリーチがかかる状況。

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(※売り抜け日カウント数とは?)
前日比で0.2%以上のマイナスを前日以上の出来高ともなって記録した日を「売り抜け日」とカウント。4-5週間で4-5日あれば天井から下落の可能性あり。「フォロースルー日」を迎えたらカウントはリセット。「フォロースルー日」は下落局面で前日比プラスで引けた日から4-7営業日後に出来高を伴って大幅に上昇した日のことを指す。


3.セクター別(4/26 close to 4/30 close)

□ S&P500 Highlight

(1week)

・United Parcel Service(UPS)+13.91% 
・Discover Financial Service(DFS)+10.85%
・FaceBook(FB)+7.95%


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□ 業種別 Highlight

(1week)

・Energy(エネルギー)+7.47%
・Financials(金融)+5.28%
・Communication Services(通信サービス)+4.96%


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□ セクターETF騰落率 Highlight

(1week)

・ENERGY:ERX+7.38%, XOP+5.69%


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4. FRB動向


(FRBの金利動向に気をつける)
→過去を振り返ると、FRBの金利が引き上げられたことがきっかけで弱気相場が始まり不景気に突入した歴史がある。弱気相場が終わるのは金利が下げられた時が多い。最も簡単で役に立つ金融指標はFederal Fund(FF)レート。コンピューターによる自動売買や様々なヘッジサービスによってリスクの高い弱気相場で発生する株価の下落から資金を守るために、ポートフォリオの大部分をヘッジするファンドが現れた。金利が急騰する場面は相場が下落しやすい仕組みになっています。(但し、金利よりも株価が相場を見極める指標としては最重要です)


□ 今週のHighlight


・4月29日にFOMC開催。予想の通り政策運営に変更なし。
・物価上昇に関しては一時的なものと見解は変わらず。
・最大雇用達成→2%インフレ目標達成→2%を超える物価上昇の軌道に乗っている可能性が高いとの発言あり。
・政策金利や資産購入方針の維持表明も、株式市場はテーパリング(量的緩和の縮小)を意識した動きも。


□ ドットチャートの動き


3月時点でのドットチャートは以下の通りです。現状は2021年での利上げは見込んでいません。次回は6月です。


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□ 米雇用統計

米雇用統計については、コロナショック後一旦マイナスに沈む局面もありましたが、経済再開期待が高まり実際に雇用者数も再び増加を始めています。


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□ ブレイクイーブンインフレ率


ブレイクイーブンインフレ率とは、市場が期待するインフレ率を意味します。

この1年間「5年ブレークイーブンインフレ率」と「10年ブレークイーブンインフレ率」は上昇基調です。


(2020/01/01-2021/04/30)

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4/20週に一時落ち着きを取り戻しましたが、現在は上昇基調に戻しています。特に5年の期待インフレ率は4/20週の低下をなかったことにしています。


以下は今週の「5年ブレークイーブンインフレ率」と「10年ブレークイーブンインフレ率」の推移です。5年が一旦落ち着きを取り戻すも、結局元の水準に戻ってきていることがわかります。


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10年債利回りも上昇。ARK INVESTやハイパーグロース株には特に逆風の1週間でした。


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5. プットコールレシオ

ここでは年初来からの比率(%)を観察します。直近の投資家心理を確認。

・プット(Put)=投資家が株式相場下落を期待(年初来%が高い時)
・コール(Call)=投資家が上昇を期待(年初来%が低い時)


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・S&P500は2021年1月1日比 -10.00%(投資家は安心)
・NASDAQは2021年1月1日比 -1.08%(投資家は現在は安心、但し週半ばにナスダック下落に賭ける投資家が急増)

NASDAQの動きに注目したいのですが、4月に入ってから毎週100%の確率で週半ばに大きな下落に賭ける動きが起きています。大きく上昇しては利益確定の繰り返しで4月は取引が偏りました。レンジ内で短期トレードする人に有利な市場だったといえるでしょう。


6. Volatility index(VIX指数/恐怖指数)

VIXとは市場で取引されている価格から逆算された「株式市場のボラティリティ」のことを指します。株価指数は上昇時は緩やかに上昇し、下落時は急落します。市場参加者が高いボラティリティを見込んでいるということは、市場に対して不安を抱いていると想像できます。


S&P500指数とNASDAQのVIX指数の推移は以下となります。

・S&P500(ブルー、VIX)
・NASDAQ(オレンジ、VXN)


5年↓↓

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3ヶ月↓↓

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VIX指数は株価の先行きにどれほどの振れ幅(ボラティリティー)を投資家が見込んでいるかを示す「株価変動率指数」のうち、米国株を対象にした指数。通常、株安が懸念される局面で上昇し、20を超えると不安心理が高まっていると解釈される。その場合、「株価が今後1年間に約7割の確率で上下20%の範囲で変動する」と投資家が予想していることを示す。 2008年の金融危機の際にVIX指数が80超に上昇して注目を集めた。18年2月と10月にもVIX指数の上昇をきっかけに米国株が下落する場面があった。VIX指数の上昇に連動して機械的な株売りを出す「リスク・パリティ」などと呼ばれるファンドが存在するからだ。(引用:日経新聞)


S&P500&NASDAQ共に、3月の下落相場からVIX指数は急落。S&P500に関しては20を下回る水準で推移しています。しかし、NASDAQは4月に入ってからも20を上回る水準です。ボラティリティが依然として高い状況が続きます。


7. 空売り比率 (Short Volume)

空売り比率・ショートボリュームはNYSE(ニューヨーク証券取引所)で空売りされている株式の数をNYSEの総出来高との割合で示したものです。

この比率が高ければ投資家が市場をネガティブに見ていることが読み取れます。(「空売残」はShort Interestです。ここでは触れません)


特に暴落局面で注視するのが有効で弱気相場が底をつける時というのは空売りの急増を示す数値の上昇が通常二回か三回現れるとオニールは言及しています。

それではまずS&P500指数の空売り比率は以下となります。S&P500指数で最も取引Volumeが多いETFであるSPYで見ていきます。


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4月に入ってからは安定的に推移していましたが、4月27日に一時的な大きな増加が確認できます。


次にナスダックです。ナスダックインデックスに連動する0NEQの空売り比率ですが、まだ依然として高い水準となっており下落にかける向きも一定数あることが見て取れます。4月22日、30日は急増が確認できました。


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NASDAQは1週間で2回の空売り急増が確認できているので、警戒感は強めで相場に向き合っていきたい水準です。


8. 機関投資家やアクティブファンドマネージャーの動向

センチメントインジケーターは、個人投資家、機関投資家、海外投資家の過去12か月の株式ポジションと比較したもの。スコアが1を超えていたら、ポジションが増大していることを示し、-1を下回るとポジションが縮小していることを示しています。


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4月24日更新「0.9」(4月17日は「0.7」)。ポジションは増加基調ではあります。


次にNAAIM Numberです。NAAIM Numberはアクティブファンドの投資動向です。100を超えるということはアクティブファンドがレバレッジをかけていることを意味します。


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1、2月はアクティブファンドの積極的な買いが入っていたことがわかります。3月は50%くらいまで引き下げ。4月は再び100を超えました。NAAIM Numberを見ると、アクティブファンドは上昇を見込んでいると考えられます。


9. 注目経済指標の動向

個人消費が予想の10.5%を超える10.7%の結果となりました。

FRBパウエル議長が以前から見解を出している経済の一時的なピークを表しているものと思います。インフレ率もこの後一時的に高くなることは予想できますが、株式市場はその点をすでに織り込んでいるものと考え、先を見通し動きましょう。


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10. 米国企業決算スケジュール

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まとめ

もう一度最初の概要を再掲しておきます。

・米国代表株価3指数は横ばい。
・累積売り抜け日もS&P500は3、NASDAQは3と蓄積。警戒感高まる状況。
・セクターはエネルギー、金融、通信サービスが牽引。
・FRB動向に変化なしも、市場にはテーパリング(量的緩和縮小)警戒の動き強まる。
・インフレ見通しは再度上昇、10年債利回り↑↑↑。
・来週も引き続き米国決算ウィーク続く。

良い週末を!




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