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質問を尋ね答えること:すべての教え学ぶことの核心

聖文研究に欠かせない友でありガイド


わたしには聖文を研究するときに欠かすことのできない友がいます。この友が聖文研究という「わたしの救い主を見出す」旅をガイドしてくれます。

この聖文研究の大切な友とは「質問」です。

これからわたしの聖文研究のプロセスを皆さんに紹介して、皆さんと一緒に学んでいく上でこの「質問」というものをガイドに構成していきたいと思っています。

ヘンリー・B・アイリングのこの言葉はわたしが学習者として学ぶときにも、教師として教え学習を助ける時にも大切な指針の一つになっています。

質問し、質問に答えることが教え学ぶすべてのことの核心です。

「主は刈り入れを増し加えてくださる」ヘンリー・B・アイリング長老との夕べ
1998年2月6日

聖文研究と質問:教義的な背景

目指すのは「心が変わること」です

まず、前提として共有しておきたいのは、わたしにとって、そして誰にとっても聖文を研究する目的は、単に宗教的知識の獲得や好奇心を満足させることではありません。それは心が変わること、改心することです。
更に言えば、それはもっとイエス・キリストとその福音に対して改心することです。心の大きな変化、つまり改心についてモルモン書には次のように教える聖句があります。

すると民は皆,声を合わせて叫んだ。「そのとおり,わたしたちは,王がわたしたちに語ってくださった言葉をすべて信じています。また,全能の主の御霊のおかげで,わたしたちは王の言葉が確かで真実であることを知っています。御霊は,わたしたちが悪を行なう性癖をもう二度と持つことなく,絶えず善を行なう望みを持つように,わたしたちの中に,すなわちわたしたちの心の中に大きな変化を生じさせてくださいました。

モルモン書モーサヤ書5章2節

この聖句は「心の大きな変化」について少なくとも次のことを示唆しています。

  • 心の大きな変化は「御霊のおかげ」でもたらされます。
    (※「御霊」とは狭義では聖霊やその働きを指しますが、広義では神会つまり天の御父、御子イエス・キリスト、聖霊の御三方からもたらされる人を善に導くすべての「影響力」を指すと理解できます。この記事ではこのことについて詳しく述べることが目的ではありませんので、この説明だけでとどめます。)

  • 心の大きな変化は、「信じる」「(御霊のおかげで)知る」というステップを必要とします。

  • 心の大きな変化には容易に「悪を行う」状態から「善を行う」望みを持つようになることが含まれます。つまり、悪いこと(だと気づき、そのこと)はもうしたくない、もっと善いことをしたいという望みの変化です。

モルモン書のもう一つの聖句にも心の大きな変化について教えられています。

さて見よ、教会の同胞よ、わたしはあなたがたに尋ねる。あなたがたは霊的に神から生まれているか。あなたがたの顔に神の面影を受けているか。あなたがたは心の中に、この大きな変化を経験したか。

モルモン書アルマ書5章14節
  • 心の大きな変化には、人の本質・人格さえ変える影響力があり、改心とはそのような変化(最終的には天の御父やイエス・キリストに似たような人物になるまで)のプロセスを指す。

これら二つの聖句からの理解を簡単な言葉でまとめるなら、改心とは、イエス・キリストを信じ、知るようになり、彼に似たような人物になっていくこと、言い換えれば「イエス・キリストをもっともっと深く知るようになるプロセス」です。聖文を学ぶことはこのような改心を目指す旅です。

質問:イエス様との対話に加わるようにという招き

イエス様を知ることに限らず、誰かともっと深く知り合っていくプロセスにはコミュニケーションが不可欠です。コミュニケーションこそがその人と深く知り合うプロセスそのものとさえいうことができるかもしれません。

聖書とモルモン書から一つずつ聖句を紹介します。

主は言われる、さあ、われわれは互いに論じよう。たといあなたがたの罪は緋のようであっても、雪のように白くなるのだ。紅のように赤くても、羊の毛のようになるのだ。

旧約聖書イザヤ書1章18節(口語訳)

あなたのすべての行いについて主と相談しなさい。そうすれば、主はあなたのためになる指示を与えてくださる。まことに、夜寝るときには、眠っている間も主が見守ってくださるように、主に身を託して寝なさい。そして、朝起きるときに、神への感謝で心を満たしなさい。これらのことを行うならば、終わりの日に高く上げられるであろう。

モルモン書アルマ書37章37節

これら二つの聖句の興味深い共通点は、イエス様との個人的なコミュニケーションはわたしたちの救いにかかわる大きな部分であるということです。
イエス様はこれらの聖句に限らず、聖文の中で何度も繰り返しこの主との個人的なコミュニケーションに加わるようにと招いておられます。
新約聖書の簡潔な招き(マタイによる福音書7章7節など参照)に示唆されているように、聖文を学ぶときに質問することは、この主と主の御霊との個人的な会話に加わるように自らを招いていることになると言えます。

聖文研究と質問:聖文の物語に見られる事例

モルモン書のニーファイ

彼の父親リーハイは聖書に登場するような預言者の1人でした。ある時、彼は特別な夢を見て、それは大切な意味のある夢だと悟りました。神様からのメッセージを夢という形をとった「示現」により受けたリーハイは、家族に夢の話をしました。

息子の1人であったニーファイは、父が学んだ真理を自分も知りたいと望みました。

さて,わたしは,父の見たことを知りたいと思い,また主がそれを明らかにしてくださると信じて,思いにふけりながら腰を下ろしていたとき,主の御霊に捕えられて,まことに,非常に高い山へ連れて行かれた。それは,まだ一度も見たことがなく,一度も足を踏み入れたことのない山であった。

モルモン書ニーファイ第一書11章1節

ニーファイは心に質問を抱いていました。「思いにふけりながら腰を下ろしていた」時に、彼の頭と心にはいくつもの質問がめぐっていたことでしょう。まさに、そのようなときに主の御霊、そしてその後の主の天使との特別な会話の扉が開かれました。

近代の預言者、ジョセフ・スミス

1800年代に、イエス・キリストの純粋なままの福音を回復するように使命を託されたジョセフ・スミスも若い時からこのパターンを実践しています。
彼は当時、数ある教派の中から真実の教会はどこにあり、どの協会に加わればよいのだろう、どうすればそれがわかるのだろうという質問を抱いていました。

…わたしは、ヤコブの手紙第一章五節を読んでいた。「あなたがたのうち、知恵に不足している者があれば、その人は、とがめもせずに惜しみなくすべての人に与える神に、願い求めるがよい。そうすれば、与えられるであろう。」
この聖句が、このとき、かつて人の心に力を与えたいかなる聖句にも勝って、わたしの心に力強く迫って来たのであった。それはわたしの心の隅々に大きな力で入りこんでくるように思われた。もしだれか神からの知恵を必要とする者がいるとすれば、それは自分であることを悟って、わたしはこの言葉を再三再四思い巡らした。

高価な真珠ジョセフ・スミスー歴史1章11-12節

彼の心に抱いていた質問が彼の学びのプロセスを導いていたことがわかります。そして、新約聖書の聖句について何度も思い巡らし自問し続けることで、彼はその後に続く輝かしいさらなる「個人的な会話」に導かれます。

聖書の中に出てくるその他多くの預言者や弟子たちも同じように「質問」によってイエス様との個人的な会話、そこから自然ともたらされる「心の大きな変化」を経験していることは、現代を生き、もっと個人的なイエス様との関係を築こうとしているわたしや皆さんにも再現されるパターンです。

聖文研究と質問:実践の準備

主との個人的な会話をガイドする3種類の質問

福音を学習する際に助けになる質問には大きく3種類あると考えています。

  1. 情報を探すように促す質問
    この種類の質問は、聖文の背景情報を見つけ整理し、聖文が教える真理を見つけ理解するのに役立ちます。

  2. 理解を深めるように導く質問
    この種類の質問は、聖文を分析し、真理をさらに深く理解するのに役立ちます。

  3. 深く考え応用するように励ます質問
    この種類の質問は、真理を心に深く感じ、自分の心と生活に変化をもたらす一歩を踏み出すのに役立ちます。

聖文研究の際にする質問のすべてが厳密にこれら3つに分類されるかはわかりません。実際に、厳密に区別し分類すること自体は聖文研究の目的に比べればそれほど重要ではありません。しかし、これら3つの要素を頭と心にとどめておくことは役に立ちます。

さぁ、いよいよ次回から聖文研究の実践をスタート

これら3種類の質問を用いながら、イエス・キリストに焦点を当てて個人の聖文研究を進めていきます。そのひとつひとつの経験が、イエス様をさらに深く理解するためのイエス様との個人的な会話を深める経験になることを目指して楽しんでいきましょう。

2024年の個人の聖文研究はモルモン書に重点を置いていきます。
モルモン書は聖書と同じようにイエス様を証する書物で、聖書の真実性を支え、相互に理解を明確にして真理を打ち立てています。
モルモン書は以下から入手して誰でも読むことができます。

ウェブ版

福音ライブラリーアプリ

また、基本的に福音学習のペースは末日聖徒イエス・キリスト教会が提供している冊子「わたしに従ってきなさい」で提案されている読書ペースを基準に進めていくつもりです。この冊子自体が皆さんの個人学習や家庭学習をさらに豊かにするためにデザインされているものです。読者の皆さんも、自由に活用することができますし、とても役立つはずです。

わたしに従ってきなさい―家庭と教会用:モルモン書 2024年

繰り返しますが、この記事はわたし個人の聖文研究の記録です。何かを明らかにすることを目的としてはいませんし、意見や信条を戦わせることもしたくありません。しかし、この個人の学習記録を公開することで、皆さんとオープンに聖文を学ぶことの楽しさを共有できたらうれしく思います。クリスチャンであるかないかに関わらず、興味を持たれたなら「イエス様との個人的な会話」「わたしの(あなたの)救い主を見出す」という旅にお供いただければ幸いです。

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